クラメソCX合宿を経て、ガオリュウさんが見ようとしたもの描こうとしたもの

クラスメソッド CX事業本部で、メンバー100人参加の合宿をオンサイト&オンラインで実施しました。CX合宿ブログ記事 第2弾ということで、今回はガオリュウさんがCX合宿を通して、何を見て何を感じたかを聴いていきます。今回も同じテーマを、ガオリュウさんとちょうなんのそれぞれの視点で書き分けた記事企画になります。
2023.01.20

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インタビュー実施日 2022.12.12/記事公開 2023.01.20 語り手:ガオリュウ/聴き手&書き手:ちょうなん

CX合宿ブログ記事 第2弾(※)ということで、今回はガオリュウさんがCX合宿を通して、何を見て何を感じたかを聴いていきます。今回も同じテーマを、ガオリュウさんとちょうなんのそれぞれの視点で書き分けた記事企画になります。 ガオリュウさんパートはこちら:「クラメソCX合宿2022 秋」をふりかえってインタビュー!ガオリュウ編

CX合宿ブログ記事 第1弾はこちら:ガオリュウ編 ちょうなん編

※2022年11月、CX事業本部で100人参加のCX合宿を実施しました。CX合宿ブログでは、CX合宿を通して見えてきた景色を社内外に共有するブログ記事です。

チェックイン

ガオリュウ:今日、岩本町のオフィスに来ておりまして、2人ともね、マスクで写真を撮るのなんか久しぶりな感じ。

ーーーたしかに。

ガオリュウ:ある意味コロナ禍において仕事スタイルの一つの感じで、始まったなっていうのがありまして。なんかそうですね。どんな感じでコミュニケーションをとるかってのを考えつつやってますけど。なんか緊張してます。オフィスの雰囲気もあるかもしれません。

ーーー今のお話に重ねて思ったところで、合宿であれなんですよね。みんなフルリモートで、コロナ禍で人は増えた。けど、みんなと(対面では)会えてなくて、いつの間にか顔と名前の一致してない人が増えているぞ、みたいなことだったりとか。もっと繋がって仕事したいですねっていうのが、合宿を通して思ったことかもしれないですね。

ガオリュウ:それすごくわかります。うん。

ーーー チェックインをしたところで、スライドにいきますか。

ガオリュウ:行きましょう。

ガオリュウさんスライド

ガオリュウ:はい。今回の合宿の振り返りとしてね。我々が終わりをちゃんと共有したいなと思って、各自がどう考えてたのかを書いたやつのガオリュウ版ですね。

スイミーで表現したかったものとは?

ーーー まずガオリュウさんからこのスライドにたどり着いた経緯であったり、大きく分けて左のパートと右のパートが分かれてるんですかね。どういった思いで何に触れて、何を考えて、ここにたどり着いたのかを少し伺えますか。

ガオリュウさんスライド、スイミー

ガオリュウ:まずは左から。みんなに書いてもらった付箋の分析の結果で、CXというのが見えてきたらいいなと思いまして。たとえばスイミーみたいに書いてるんですけど、これはそもそもCX合宿のワークショップをちょうなんさんと考えてる時よりも前かもしんないすね。元々組織は人の集まりだよねって話と、人はそんなにシンプルなものではなくて、いろいろ複雑なものでもあるな、と考えている中で。付箋のワークを意見出しとかで使うことがあります。その時にいろんな意見が出ていろんな人がいて、でもそれがいっぱい集まってくると、クラメソらしさみたいのが見えてくるんじゃないかなと思ってたんですよね。

ガオリュウ:それを付箋という形で可視化していけば、この実際は魚群というかね。人の一種の塊みたいなものが見えるんじゃないか、要は濃淡があったりとか。ある意味マイノリティな意見があったりとか、メジャーなとこもあったりとか。厚かったり薄かったりとか、いろんなものがその可視化されるんじゃないかなと思ってたんすよね。それと自分の中でのメタファーがスイミー(※)っていうね。スイミーは、小さな小魚たちが大きな魚と出会ったときに、自分たちを魚群で大きな魚に見せるってやつだったんですけど。形が見えるってことのメタファーとして、スイミーを使ったっていうだけなんですけど、あとスイミーだと面白みがあるでしょって、謎の面白さを出した感じでした。若干これ出したときに滑ったなと思ったんですけど。

※絵本『スイミー』レオ・レオニより

ーーー 組織は人、ガオリュウさん自身、何かこういった取り組みであったりとか、近いものに触れたことがあるんですか?

ガオリュウ:組織的な話か。単位はやっぱりチーム単位が多いかなって気はしますけど。チームビルディングであったり、チームがうまくいってませんけど、どうしたらいいんでしょう?みたいな話の間に入るみたいなことは、してた感じがしますね。あと仕事とちょっとずれるかもしんないすけど、いわゆるNPOとか社外のコミュニティの中でのこういった組織文化、何か集まりの集合体の文化みたいなとか集合体の何かしらみたいのは携わってた気がしますね。

ーーーガオリュウさんが見てる世界を表現しようと思ったら、スイミーのようなものになってくるんですかね。ガオリュウさんがやってることって、コーチングであったりとか、ファシリテーションであったりとか。何か集団に対して、個別に働きかけるとか、全体に働きかけるっていう中で。一人ひとりをガオリュウさんがどう捉えてるか?っていうのを、見える化しようとしていくとこういった形になってくるのか。

ガオリュウ:そうですね。ワークで何か各自の意見を聞いて、そこから合意形成であったり、もしくは合意じゃなくて違和感だったりとか、その違う点を見分けたりみたいなことをすることが多くて。それこそ付箋を使ったワークが多いですよね。いつもだったら、KJ法のように似たものを集めていくこともする。あと自分は四象限が好きなので、この二軸の間でどこにマッピングされるかみたいなことで今を表すマッピングみたいのは結構、自分のワークの特徴かもしれないっすね。

ーーービジュアライズであったりとか、何か見えるように可視化するっていう方法がある中で、2つ今ぱっと浮かび上がってきたものがあります。一つはなぜこういうKJ法であったりとか四象限であったりとかっていう方法じゃなくて、なぜスイミーなのか?っていうところと。あとは見えるようにするっていうのは、何かしらの意図であったりとかがあるんだと思うんですよね。きっと何か見えてないことによって、何かが起きちゃってるから、何か見えるようにしようであったりとか。このスイミーによって、きっとガオリュウさんは何かやろうとしてることがあるんじゃないかなと思うんですよね。

ガオリュウ:まず一つ目のスイミーという方法に関しては、とくに今回のCX合宿においては型にはめたくなかったんです。四象限ですよね、とかKJ法でまとめていきますよね。ていうものではなくて、どんな形になるかわからないですよねってものにしたかったんですよね。組織は有機体じゃないですけど、常に変化してるって感じの中で、今はこういう風な形に見えるみたいな。ところを見せたくて、別に傾向を見せたいとかなんとかではなくて、よりもう少しこう抽象化した状態で、組織を感じるっていうのはどういう風にやったらいいのかな?っていうことの表れだと思いますね。だからスイミーまだ魚群が何かしらの形で見えた何かこういう形かもねぐらいな形のものが、各自みんなの中にあればいいなみたいなとこだと思います。

ガオリュウ:二つ目の見える化の意図は、多分見えるようになることが、一つはその成果という形の表れにも感じられるかなと思ったので。何かしらの形で次に繋げていくために、中間成果物みたいなものの存在を出したかったんですよね。じゃあ何で最初からそれを目指さなかったか?っていうと。今回はどういう風になるか、我々の中でもつかみきれなくて。初めての人も多いし意見もどういう風になるかわからないし、より自由な発言があったり、何かにとらわれて喋れなくなったりっていうのを、避けたかったっていう思いがあるので。あの場が何だったのかってのを思い出したりする。もしくはイメージしたりするときにこの付箋での形ってのが、伝わるものになるんじゃないかなと思ったってとこですかね。

ーーースイミーの抽象であったり、型にとらわれないっていうところで言うと、すごくガオリュウさんらしいなと思ってたんですよね。何かガオリュウさんのあり方みたいなところ。あれ?これスイミーと言いつつ、ガオリュウさんなんじゃないか?みたいなことを感じたんですけど。

ガオリュウ:ありがとうございます。そうですね、そこはあるかも。結局、型にはめるというかその分析もしたくなかった。後から読み取れますねじゃなくて、複雑なものは複雑なまま見てほしいっていうのが結構あって。もちろん分析して傾向が見えたりすることも大事だし、その先でそれを使った次の場を考えたりもしてるから、良い面もあるんですけど。スナップショット的に今はたしかにこうだよねみたいな形で見えるものが欲しかったんでしょうね。

社内にどういったコミュニケーションの場があるのか?

コミュニケーションの見える化

ガオリュウ:右側の方はこれも一つの可視化ですかね。いろんなとこでいろんな話がされてるっていうのを、みんなが気づくとそこで話されてること話されていないこととか、普段話せてないことが話せるとかいう場を、見つけることもできるのかなと思って。自分で知ることができるってもので表したかったんですよね。うん。絵的にはCX事業本部・チーム・プロジェクト・個人の付き合いなど、いろんなレベル感でコミュニケーションを取る場所はできそう。それに対してプロジェクトとか、ツールの集まり、1on1の仕組みといったものがあるということを。こんな風にいっぱいいろいろあるように、見せたいなと思って。

ガオリュウ:これ自分の中では、クラスメソッドの特徴だと思ってるんですよね。自ら動くっていうか。ただその見えてなかったり、気付けてなかったりするものには動きようがない。だからこそ結構Slackでいろんなことが表明されたり、それを見ることができたりっていうあの文化すごく好きだなと思うんですけど。それをコミュニケーションというか、対話というものに特化した場合、こういう風に見えるよね。こういうものを意識できるよね。みたいな風に渡すだけでいいかなと思ったんですよね。「1on1やりましょう」「勉強会やりましょう」ではなくて、今こうだよねってこういう仕組みがありそうだよねとか。もっとこの横軸じゃない縦軸欲しいねとか、そういうのが動くためのきっかけになればいいなみたいなところがありましたね。

ーーーたしかこの可視化の話が出た背景として、会社にはマネージャーがつくる場と、メンバーのつくる場があって、「クラスメソッドの特徴としてメンバーが自主的につくっている場が多い」という話をしていましたね。「誰とでも雑談」が象徴的だと思うんですが、制度として会社公認のものだけど、場をつくるのはメンバーに委ねられているものがありますね。毎週やりましょうというものでもなく、自由に使っている人もいるし、使っていない人もいる。Slackのtimes(分報)チャンネルもみんな自由に使ってますね。

ーーーCX合宿を通して、議論と対話の使い分けができていない状況や、対話の場が少ないのではないか?という話も出ていましたね。本当に対話の場が少ないのか?とか。社内コミュニケーションの場を見えるようにする中で、対話の場を見えるようにできるといいですね。

ガオリュウ:そこ自分は、対話の定義をちゃんする必要があるという考え方もあるし、なくてもいいかなと思っていて。これは自分の走り方の特性かもしれないけど、定義すると縛りにもなると思っていて。きっちり定義というものから進めるよりは、集まってなんとなくそうなってる可能性の方が高いみたいなぐらいで、行きたいんですよね。いろんな物事の過程には過渡期な状態があって、知らなかったりそれについて詳しくなかったり、とかいうのがある。なるべく全員の人を同じ船に乗せようと思ったときには、どれだけ曖昧に作れて、どれだけ各自の言葉が勝手に動いて勝手に解釈されていいか、みたいなところが一番最初はある。そう思っているので、今まだその段階なのかなと。慣れてきて、何かちょっとここの場の話し合いとか、この場の話が違うかもみたいなことが中で生まれ始めたら、それはもしかしたら「対話」なのかもしれない。みたいな形で、発生したものに自分たちで名前をつける。ぐらいな感覚でいいのかなって。

ーーーなるほど。世の中の定義や型を押し付けるのではなくて、みんなで定義や型を作っていく。みんなで作るようなところを大事にされてるのかな。先ほども「型にとらわれない」という言葉が出てきていたと思うんですけど。

ガオリュウ:何かがこぼれていくというか、何かが削ぎ落とされていくことは、必要があればしていく。けど最初の時点ではすべてを一旦受け止めたいとか、受け入れたいみたいな気持ちがあるのかもしれない。

ガオリュウさんスライド

チェックアウト

ーーースイミーとメッシュ状のものの話を聴いた時に、「型にとらわれないこと」「今の現状を見えるようにすること」をすごく大事にされている。それさえできたら、みんな動くんじゃない?という期待も感じられたんですよね。そしてこれって何なんだろう?と思った時に、ぼくには地図のように感じられました。「今ぼくらの世界ってこんな地図だよね」「ここにまだ見えてないものがあるよね」そこが見えたらみんな動く。

ガオリュウ:この話はちょうなんさんにしたかった話なのかなと思いました。自分の考えとして気持ちを伝えたかった。今になるとそう思う。細かいところの話が今日できたなと思ってます。本当ありがとうございます。今の「地図」というのもすごく自分の中でも納得いく。地図もどんどん変わる。建物名が変わったり、駅前が変わるとか。今を見せるものとして使うのは、すごく自分に合っているんだろうな。変化していくもの。一回は目に見える形にしないと誰も気づけないまま、そのまま過ぎてしまう。地図は人によって見方が違うのもありだと思っている。このあたりを大切にしているから、今は今で複雑は複雑なままで、のようなものは自分の中核にあるんだなと、今日話していて思いました。

編集後記

ガオリュウさんの話を聴いていて、あらためてブログ記事を書いていて、ガオリュウさんの生々しい人間性を感じていました。なぜスイミーなのか?なぜ見える化をするのか?そこからは、ガオリュウさんのファシリテーターとしてのあり方や、グラフィックファシリテーションの取り組む時の思いが感じられます。

「現状の見えていないものを見えるようにできれば、それがきっかけになってみんな自然と動き出すんじゃないか」

組織開発(OD)に取り組んでいく中でも、とてもいいヒントが得られました。

さて思ったよりも、第二弾の記事を書くのに時間を要してしまいましたが、第三弾ではちょうなんがCX合宿を通して感じたこと考えたことを扱う予定です。