チームで同じものを鑑賞すると何が見えてくるのか?チームメンバーと美術館へ行きました。

デザインチームのメンバーで美術館の作品鑑賞というアクティビティを行いました。メンバーと作品鑑賞することでどんな効果が得られるでしょうか。
2023.05.19

4月末にデザインチームのメンバーで美術館の作品鑑賞というアクティビティを行いました。メンバーと作品鑑賞することでどんな効果が得られるでしょうか。

そもそもなぜデザインチームが集まって美術館へ行ったのか、その背景の話からお話しします。

 

 

デザインチームメンバーの現状

デザインチームメンバーは首都圏だけでなく、地方在住が3人ほどいます。(デザインチームに限らず、社内のチームは全国各地のメンバーが混在することがほとんどです)

さらに、実案件だとデザイナーのアサインは1〜2名なので同じチームで協業する機会が少なく、対話の場を作らないと関わる機会がありません。

今年に入ってデザインチームに2名の新メンバーが加わり、オフラインで集合する機運が高まっていたタイミングで全社イベントがありました。その際、地方在住メンバーも出張可能になったため、チームで集まってアクティビティを行うことになりました。

 

 

なぜ美術館鑑賞なのか

コロナ禍以前にデザイナー同士で美術館へ行ったのがとても良かったという意見から、今回アクティビティとして美術館へ行くことになりました。

美術館は大多数のデザイナーにとって、身近であり刺激的な場でもあります。

同じ時間、同じ場所で、同じ作品を鑑賞し、刺激を受ける経験をして、感想をシェアすることでメンバーと共に作品への理解を深められます。また、メンバー同士がお互いの視点や感性を理解する良い機会となるのではと考えました。

 

 

行き先の決め方

都内には幾多の美術館やアートギャラリーがあり、ジャンルも様々です。その中からメンバー間でいくつか候補を挙げて、多数決を取るシンプルな形で行き先を決めました。

東京都内は美術館が多く、地方民としては羨ましい限りです…笑

候補として上がっていたのは以下です。

 

どれも魅力的な展示で、票がばらけるかと思いきや、意外にも今回鑑賞した「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会 みんなで学ぼう、アートと世界」に票が集まり即決定しました!

いくつか候補があった中でも、デザインの展示ではなく「現代アート」の展示を見にいくことに。

現代アートの展示はデザインの展示より解釈の自由度が高い作品が多い傾向にあるので、感想を共有すると楽しそうだなと、期待が高まりました。

 

 

展示概要

ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会 みんなで学ぼう、アートと世界」

https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/classroom/index.html

(以下公式サイト抜粋) 本展は、学校で習う教科を現代アートの入口とし、見たことのない、知らなかった世界に多様な観点から出会う試みです。展覧会のセクションは「国語」、「社会」、「哲学」、「算数」、「理科」、「音楽」、「体育」、「総合」に分かれていますが、実際それぞれの作品は複数の科目や領域に通じています。また、当館の企画展としては初めて、出展作品約150点の半数以上を森美術館のコレクションが占める一方、本展のための新作も披露され、54組のアーティストによる学びの場、「世界の教室」が創出されます。

 

こちらの展示は2023.9.24(日)まで開催しておりますので、ご興味ある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか!

 

 

鑑賞の様子

展示はいくつかの撮影禁止区域以外は、自由な撮影が可能でした。

 

各教科に分かれてアート作品が展示されていましたが、それぞれの教科が立体文字で作られており細かな部分にもアートを感じました。

 

全員の鑑賞時間は1時間〜1時間半程度でした。

鑑賞スピードは各人の自由で、鑑賞が終わったメンバーから集合し感想を語り合う時間に。

今回のアクティビティのために、写真で記録を残してくれているメンバーもいました(私は鑑賞に没頭していて記録するという概念が抜け落ちていましたw)

とあるメンバーは「全員で順番に作品を見ていくと思っていたら、入った途端散り散りになったのが衝撃だった」とのこと。私個人は作品を皆で見て回るという発想すらなかったのでその感想に衝撃を受けました。

 

 

メンバー間で感想をシェア

アート美術館は、芸術の力によって私たちの心を揺さぶり、新たな視点を与えてくれる場所です。それぞれの人にとって、異なる作品やスタイルが魅力的に映るのがアートの面白いところですね。

メンバーそれぞれに好きな作品を聞いていましたが、全員異なる作品を挙げていました。そして感想については印象で選んでいる人もいれば、作品のメッセージ性が好みだと言っている人もいたのが印象的でした。

自分が抱いた感想とはまた違う視点を持っていることを知れて、とても興味深かったです。

 

メンバーの感想を一部抜粋

私は、表層的な美しさや、一般的に善性とされるものに素直に惹かれがちであり、そういった作品は伝統的で権威的なことも多いです。今回の展覧会は、現代の社会や人々が内在する傷みを映し出し、暗い側面を光で照らし出すような視点がありました。とても新鮮で学びがあったと感じています。

「アート」と言われる展示を見たのは初めてでしたが、どれも興味深く、また哲学的なものを感じて面白かったです。人によって解釈が全く異なるというのがその通りで、メンバーと感想を話し合った時には、自分にない視点が多く聞けて、非常に有意義な時間でした。

現代美術は作品の世界と現実の世界に繋がりを感じることが多い。美術館の鑑賞者も作品のような気分になった。

 

 

さいごに

業務環境が常にリモートのため、メンバーで外出して同じ体験をすること自体が非日常で新鮮でした。

いつもオフィスではデザインについて語るメンバーですが、アートをテーマにすることで少し異なった視点や思考について聞けるのは、相手の意外な一面が見えて楽しかったです。 またデザインとアートは近接領域なので、今回得た刺激や視点はデザインにも活かせるはずです。

リモート続きだったからこそ、オフラインで集まってのオフィス以外でのアクティビティ、チーム活動は有意義な時間となりました。

チームで美術鑑賞、メンバー同士の一体感を高める絶好の機会としておすすめです!