「国際カードブランドルール変更に伴うクレジットカード決済取引仕様変更について」というタイトルで登壇しました #devio2026

「国際カードブランドルール変更に伴うクレジットカード決済取引仕様変更について」というタイトルで登壇しました #devio2026

主にEC事業者向けに、国際カードブランドのルール変更の内容と、EC事業者が対応すべきことを共有します。ECサイトの構築に対応したAPIプラットフォーム prismatix ではどのような対応を取ったかもご紹介します。
2026.10.24

はじめに

2026年10月24日(土)に開催された DevelopersIO 2026 Tokyo で、「国際カードブランドルール変更に伴うクレジットカード決済取引仕様変更について」というタイトルで登壇しました。その登壇内容について共有します。

スライド

登壇内容の概要

EC事業者向けに、国際カードブランドのルール変更の内容と、EC事業者が対応すべきことを共有します。

この内容は特定の決済代行会社に限った話ではありません。カードブランドのルール変更のため、クレジットカード決済を扱うEC事業者に共通する内容です。

1. 用語

  • 与信(オーソリ): カードで指定した金額を決済できる状態にし、カードの利用可能枠を押さえることです(通常は注文確定時に行います)
  • 売上: 金額の請求を確定することです(商品を出荷したとき、または利用者が受け取ったときに行います)
  • 取消(与信キャンセル): 取得した与信を取り消し、押さえた利用可能枠を解放することです

与信や売上などの用語は、次の記事で詳しく説明しています。

https://dev.classmethod.jp/articles/developers-io-2020-connect-day5-payment-development-flow-with-e-commerce-site/

2. 変更の概要

対象の国際ブランドは Visa と Mastercard です。カードブランドがルールを厳格化し、取引の扱いが次のように変わります。

各決済代行会社の案内

各決済代行会社が、今回のルール変更について次の案内を公開しています。

従来の運用

  • ユーザーが登録したカード情報が有効か確認する目的で、2円などの少額与信を習慣として使うことが多くありました
  • カードブランドは、与信を取得した後の期限管理を明確には求めていませんでした
  • 売上を伴わない少額与信や、長期間の与信保持も、運用上は許容範囲でした

変更後のルール

変更点 内容
0円与信の徹底 カードの有効性確認は、0円の与信でのみ行えます。2円与信などの少額与信は使えなくなります。
25日ルール 与信を取得してから25日以内に、売上または取消のどちらかを完了する必要があります。

国際カードブランドのルール変更内容

ルール違反の場合

  • ルールに違反すると、ペナルティフィー(カードブランドが課す手数料)が発生する可能性があります
  • 違反件数が多い場合は、決済手数料や取引条件の見直しに発展する可能性があります

3. EC事業者が確認・対応すべきこと

2円与信を0円与信に切り替える

  • カードの有効性確認に2円などの少額与信を使っている場合は、0円与信に変更します

有効性確認手法の変更

25日以内に売上または取消を完了する運用をつくる

  • 与信を取得したすべての注文について、取得から25日以内に売上または取消を完了させます
  • 商品の提供まで日数がかかる商材(予約商品や受注生産品など)は、運用の見直しが必要です
  • 見直し方の例
    • 受注時はカードの有効性だけを確認し、商品出荷時に与信・売上を計上する
      • 受注時は0円与信でカードの有効性だけを確認します
      • 商品を出荷するときに、実際の金額で与信を取得し、売上を計上します
    • すでに与信済みの場合は25日以内に取消、商品出荷時に与信・売上を計上する
      • すでに与信取得済みであれば、25日以内に取消します
      • 商品を出荷するときに改めて与信を取得し、同時に売上を計上します

運用フローの見直し例

補足: 取消の前に取引の状態を確認する

25日以内に与信を取り消す運用では、処理の前に、決済代行会社側の取引の状態を確認してください。
確認する状態の例は次のとおりです。

  • すでに売上済みになっている
  • 決済代行会社側に取引が存在しない、または取引がすでに無効である

状態を確認せずに処理すると、次の問題につながる可能性があります。

  • 売上済みの取引を、誤って取り消してしまう(売上の取消になる)
  • 取消がエラーになる

決済代行会社への確認

  • 与信の有効期間の扱いは、決済代行会社ごとに異なる場合があります
  • 決済代行会社は、自社で管理している与信の有効期間が過ぎても、与信を自動で取り消すとは限りません
    • 自動で取り消さない場合は、事業者側で取消の処理が必要です
  • 契約している決済代行会社に、対応方法と、その会社が提供している機能を確認してください

4. prismatix について

https://prismatix.jp/ec/

prismatix は、ECサイトの構築に対応したAPIプラットフォームです。APIを使って、ブランドイメージや事業特性に合ったデザイン・UI/UXのECサイトを構築できます。

prismatix は、注文や決済といった機能のまとまりをマイクロサービスとして提供しています。必要なAPIやサービスだけを部分的に使えます。

prismatixについて

0円与信を利用可能に

カードの有効性確認向けに、0円で与信を取得可能としました。

カード有効性確認への対応

25日ルールに対応する機能

prismatix の決済サービスでは、25日ルールに対応するため、次の機能を用意しています。

  • 与信の自動取消バッチ
    • バッチを有効にすると、prismatix 内の決済情報を定期的に確認します
    • 25日の与信期限に到達する対象があれば、与信を自動で取り消します
  • 売上処理時の再与信
    • バッチで与信を取り消した場合、その決済に紐づく注文は売上処理をあらためて実施可能です。
    • 売上リクエストがあれば与信を取得し、与信に成功すると引き続き売上処理を行います
    • 利用可能枠が不足している場合などは、与信エラーになる可能性があります

自動取消バッチを使うかどうかは、事業者が選べます。

与信25日以内のルールに対応する機能

5. まとめ

Visa と Mastercard のルール変更により、クレジットカード決済の与信の扱いが厳しくなりました。

EC事業者が対応することは、次の2点です。

  • カードの有効性確認を、2円などの少額与信から0円与信に切り替える
  • 与信を取得してから25日以内に、売上または取消を完了する運用をつくる

対応方法や提供している機能は決済代行会社ごとに異なる場合があるため、契約している決済代行会社にも確認してください。

prismatix は、「0円与信」対応に加え、与信25日以内ルールを支援する機能を提供しています。


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