[小ネタ] Bitnami WordPress AMI は PHP などの同梱コンポーネントをアップグレードできない

[小ネタ] Bitnami WordPress AMI は PHP などの同梱コンポーネントをアップグレードできない

Bitnami の WordPress AMI で PHP 7.4 から 8.x へのアップグレードに取り組んだところ、単なるパッケージ入れ替えでは不可能であることが判明しました。その理由と、実施した対応方法についてまとめます。
2026.07.07

はじめに

かつまたです。

EC2 上の WordPress サーバー(Bitnami の WordPress AMI で構築)について、「WordPress アップデートに合わせて PHP を 7.4 から 8.x へ切り替えたい」という依頼を受けました。一見すると PHP パッケージを入れ替えるだけの軽い作業に思えますが、調査の結果、Bitnami 構成では PHP 単体のアップグレードが不可能で、サーバーごと作り直す移行での対応になりました。

本記事ではなぜ不可能なのかの根拠と、対応方法をまとめます。

事象

対象サーバーの PHP を確認したところ、次の状態でした。

$ php -v
PHP 7.4.x (cli)

$ which php
/opt/bitnami/php/bin/php

$ cat /etc/debian_version
10.x
  • PHP は OS パッケージではなく Bitnami 同梱ビルド(/opt/bitnami/php/
  • OS は Debian 10(buster)
  • NGINX も Bitnami 同梱の PHP-FPM を参照する構成

PHP 7.4 はすでにセキュリティサポートが終了しており、WordPress・プラグインの要求バージョンも上がっているため、アップグレードは必須です。しかし調査の結果、PHP だけを入れ替える方法は存在しないことが分かりました。

原因

1. Bitnami 同梱コンポーネントの個別アップグレードは公式に不可

Bitnami 公式が GitHub Issue で明言しています。

Upgrading the base components (Apache, MariaDB, PHP...) of our images is not possible.

https://github.com/bitnami/vms/issues/397

Bitnami イメージは Apache/NGINX・DB・PHP を /opt/bitnami 配下に独自ビルドで同梱しており、依存関係が一体化しています。PHP だけ差し替える手順は提供されておらず、公式の推奨は「新しいイメージでサーバーを作り直してデータを移行する」です。

2. OS パッケージ(Sury リポジトリ)のルートも閉鎖済み

「Bitnami 同梱 PHP を無効化して OS パッケージの PHP に切り替える」という力技も考えられますが、Debian 10 ではこのルートも消滅しています。

  • Debian 10 は 2024 年 6 月末で LTS サポート終了
  • Debian 向け PHP パッケージの定番である Sury リポジトリも、Debian 10 向けの配布を終了

https://github.com/oerdnj/deb.sury.org/issues/2098

つまり、OS が古い世代の Bitnami サーバーでは、非公式ルートを含めて PHP を上げる手段がありません。
ソースコードから PHP を自前でビルドして導入することは技術的には可能ですが、以降のセキュリティ更新のたびに再ビルドが必要になり、動作保証もないです。

3. 「希望する PHP バージョンの Bitnami AMI に載せ替える」も選べない

Marketplace で希望する PHP バージョンの Bitnami 公式 AMI を探しましたが、少なくとも今回必要としたバージョンの AMI は見つかりませんでした。基本的に最新版へ更新されていく提供形態のため、「特定の PHP バージョンの AMI を指名して載せ替える」方式は選べませんでした。

対応内容

以上から、新サーバー構築+データ移行+DNS 切替の方式で対応しました。設計のポイントは次のとおりです。

移行方式の骨子

  1. 最新の Bitnami WordPress AMI(PHP 8.x)で新 EC2 を構築する
  2. 新サーバーへサイトデータ(WordPress ファイル・DB)を移行し、hosts 書き換えで動作検証する
  3. 検証 OK 後、A レコードを新サーバーの Elastic IP へ切り替える
  4. DNS 切替後に SSL 証明書を取得し、NGINX に反映する

おわりに

Bitnami 構成の WordPress は、PHP の EOL がそのままサーバー移行案件になります。期限が来てから上げられないと慌てないように、サポート期限を確認して、データ移行・検証・DNS 切替まで含めた移行計画を早めに立てるべきだと感じました。

ご覧いただきありがとうございました。

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