問題の明確化 – 感情のみの共有

2024.06.07
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。

仕事において、大小さまざまな問題が存在します。誰かが問題について話すとき、すぐに解決に向けて取り組むことができるとは限りません。問題を解決していく前に、問題の明確化が必要なケースがあります。

この記事では、「問題の明確化」に関する「感情のみの共有」について説明します。

感情のみの共有

任意の感情を抱いていることは分かるが、その感情がどのような問題によって引き起こされているのか、どのような解決をして欲しいと思っているのかわからないケースです。

例えば、「このチームで仕事をすることがストレスで辛いです」という情報があった場合、大まかにチームに関わる何かが問題であることは伝わりますが、それ以外はストレスがあることと辛いという感情のみが分かる状態です。

「感情のみの共有」を整理する

対応としては、感情を引き起こしている問題に関する詳細な情報を引き出す事が必要です。

共通の対応

「感情のみの共有」のケースに限らず、問題を整理するうえで共通のポイントとして、「問題の背景にある具体的で詳細な情報を集める」という行動が必要になります。システムの開発において顧客の要求の情報が不足している際や、営業において顧客のニーズ・ウォンツの情報が不足している際に行うヒアリングと同じような取り組みにあたります。

情報を引き出す際には事実を引き出すことが重要です。When、Where、Who、What、Howなどの質問によって事実を問うのが有効です。逆に「なぜ」「どうして」などの質問は事実ではなく、解釈を引き出しやすくなります。解釈は事実と一致しているとは限らないため問題の本質からそれてしまう可能性があります。

感情の扱いに注意する

「感情のみの共有」のケースは、扱う対象が「感情」であることに特有の注意が必要です。感情に関わる内容は繊細に扱う必要があります。例えば、出だしから相手の感情を否定してしまっては、相手はそれ以上協力をする気持ちにならないでしょう。結果としてことの詳細を伝えてもらいにくくなります。まずは相手の目線でどんな出来事に対してで、どのように解釈して現在の感情に至ったのかを知り、共感をすることです。なお、共感は同情と混同されがちですが、あくまで「相手の目線で考え、その上での相手の感情を理解すること」であり、「相手の痛みや悲しみに対して哀れみや心配の感情を示すこと」ではありません。

これ以降の部分に関しては「共通の対応」にまとめた内容で問題の詳細を確認していくことになります。

まとめ

「問題の明確化」に関する「感情のみの共有」について説明しました。

感情の情報だけでは問題がなにか分からないため困惑したり、自分自身も感情に流されやすくなりがちです。一方で、感情の裏にはその原因となる事象があるはずです。相手に寄り添い、共感し、詳細を整理し、問題の解消の材料を整理していくことになるでしょう。なお、その感情の矛先が自分だった場合、相手の心情を考えると自分が詳細を引き出すのは難しいかもしれません。その場合は、第三者の協力が必要になるでしょう。

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