人生で大切なことは全てFEARLESS CHANGEから学んだ

書評とポエムのハイブリッド。私のブログはDevelopersIOにおける刺し身のツマのような存在。
2021.07.07

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

7月7日、クラスメソッド株式会社の創立記念日滑り込みブログです。
どうも、データアナリティクス事業本部の貞松です。

まずはタイトルに関して訂正してお詫び申し上げます。
「人生」ではなく「組織に変化を持ち込む為に」であり、「全て」はちょっと言い過ぎです。大変申し訳ありませんでした。

ということで、本記事は「FEARLESS CHANGE」という本の簡単な紹介と、そこから私が学び、常に意識していることについて連連と述べていきます。
言わば「書評とポエムのハイブリッド」です。

FEARLESS CHANGEとは

FEARLESS CHANGE (邦題では「アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン」というサブタイトルが付いているのですが、あんまりアジャイル関係ないし、長ったらしいので省略します)とは、組織に新しいアイデアや変化を持ち込むためにどう振る舞うべきかを「パターンランゲージ」という手法に乗せて綴った書籍です。

前半は、組織に変化を巻き起こす一連の流れがストーリー仕立てで描かれており、この前半部分だけでも充分に頭をカチ割られる(訳:参考になる)と思います。
後半は、前半のストーリー中に現れた「こういう状況ではこう振る舞えば上手くいく」というセットをまとめたパターン集となっています。

パターンランゲージとは

前述で「パターンランゲージ」という用語が出現しましたが、コレは元々クリストファー・アレグザンダーが提唱した、建築・都市計画に関わる理論です。
それがいつしかソフトウェアの領域や人の振る舞いにまで拡がっていくことで、先人達が実践してきた成功の経験則を特定の形式(パターン)で可視化し、体系的に言語化する手法のことを指すようになりました。
経験として上手くいったパターンを一言で表すような共通言語を作る、と言い換えれば少しわかりやすいかもしれません。
パターンランゲージについての詳細は、第一人者である慶應義塾大学の井庭崇教授の書籍などを参照されると良いかと思います。

FEARLESS CHANGEから私が学んだこと

以下、私がFEARLESS CHANGE(以降「本書」と記述)から学び、今でも常に意識していることについて、一部ではありますがご紹介します。

仲間を見つける

組織に変化を持ち込む時、まずは自分がその変化を強力に推進する必要があります。しかし、一人でできることには限りがありますし、組織の中には変化を簡単に受け入れてくれる人もいれば、全く受け付けない人もいるでしょう。
変化を引き起こす要因に対する誤解の一つに「良いアイデアであればみんなに受け入れられる」というものがあります。実際にはどんなに客観的に見て良いアイデアでも、受け入れられずに失敗したという事例は、誰しも少なからず目にしたことががあるのではないでしょうか。
やはり組織で変化を起こすためには、変化を受け入れて、自分の代わりにドンドン推進してくれる仲間を見つける必要があります。

小さくはじめる

組織の規模が大きくなるほど、変化を巻き起こすためのエネルギーは膨大になります。また、成功を実感するまでの道のりは遠くなり、失敗した時のやり直しが利かなくなります。
まずは小さな集団で小さくはじめることで、成功体験を積みやすくなり、失敗した時の軌道修正も容易になります。この時、Classmethod Leadership Principle(CLP)にもある、まずは「やってみる」の精神が重要になります。
こうして小さな変化から、徐々に大きな変化に移行していくことで、前述の「仲間を見つける」との相乗効果も得られることになります(変化を受け入れてくれる人から巻き込んで、徐々にその範囲を拡げていく)

継続的に働きかけなければならない

変化を引き起こす要因に対する誤解の別パターンとして「新しいアイデアを紹介すればあとは何もしなくて良い」というものがあります。
私自身、本書でこの一文を見た時に、見事に頭をカチ割られました。これまで正論を述べたり、新しいツールやサービスの紹介をして、それらが受け入れられないことを嘆いていた自分を酷く恥じました。
本書ではさらに「種を地面に蒔くだけで、水も肥料もやらないし、枝刈りもしません、というようなものだ」という表現がなされていますが、全くその通りでした。変化を受け入れてもらうには、もっと粘り強く、継続的な活動を通じてあらゆる障壁を乗り越える必要があります。それぐらい大抵の人は保守的で、変化に対する恐れを抱いています。
逆に言うと、短期的に成果が出ないことについて一喜一憂することはないのです。気長に、じっくり取り組みましょう。

まとめ

以上、FEARLESS CHANGEに関する書評とポエムのハイブリッドでした。
正直、この記事がどうこうというよりも、本書をとにかく読んでいただきたい想いで一杯です。あとすごくどうでもいい話ですが、本書に出てくるパターンの中で「何か食べながら」が好きです。可愛くて。
現状維持は幕引きまでのソフトランディングなんて言ったり言わなかったりする昨今ですが、「生き残る」ではなく「勝ち残る」為に、変化を起こし続ける方々の一助になれば幸いです。