フィードバックとアドバイスと指示を区別する
2024.02.19
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
組織内で人が成長し、業務の成果を高めていくためには改善のためのコミュニケーションが欠かせません。
そして改善のためのコミュニケーションは一様ではありません。
今回は、改善のためのコミュニケーションの方法としてフィードバックとアドバイスと指示を整理します。
フィードバック
フィードバックとは、相手の行動に関する客観的な事実を伝えることです。
フィードバックはもともと軍事用語であり、砲弾がターゲットとなる対象がからどれくらいズレていたかを射手に伝えることです。フィードバックによってズレを把握することで、射手が方向を調整し、ターゲットに命中させることができるように改善するための助けになります。
フィードバックをすることで相手に現状を伝え、それ以降の改善有無や改善方法に対する判断を相手に委ねることができます。一方で、何をすればいいか伝える部分はフィードバックに含まれません。
フィードバックのノウハウとしてはSBI法があります。気になる方は以下を参照ください。
アドバイスとは?
アドバイスとは、自分の知識や経験をもとに相手に提案や助言をすることです。
アドバイスは解決策を具体的に知らせることができます。一方で、アドバイスを受ける側にとっては解決策を自分自身で考え、自分で意思決定するのではなく、他者から委ねられることになります。
ただし、アドバイスは必ずしも従わなければ行けないわけではなく、自己判断の余地があります。
指示とは?
指示とは、特定の行動を行うように相手に促すことです。
アドバイスよりも強制力が強く、伝えた内容に従うことを求めます。
使い分け
フィードバックのみ
相手が自ら考えて取り組むことが好きであり、実力としても現状を把握できれば、対策を自分で検討することができる場合、フィードバックのみを行うことで、相手の主体性を活かしつつ、自分で問題を解決する力を伸ばすことができます。また自分で決めて取り組んだことで、より意欲が高まりやすい状態になります。
フィードバック+アドバイス
相手が実力や自信の面で不安がある場合、まずはフィードバックで現状を客観的に共有してから、アドバイスで方向性を示すことで、不安を抑え、方向性を明確に示すことができます。
一方で、ずっとそのままだと相手が自分で問題を解決する力を伸ばすことができないため、自信や実力が伸びてきたらどこかでフィードバックまででとどめて、アドバイスは最小にする方向にシフトする必要があります。
フィードバック+指示
問題が明確であり、解決策も明確で、それに沿って対応をしてもらいたい場合、何が問題をフィードバックした上で、対応内容を指示することで問題に対する理解を揃えたうえで確実に問題の解決を進めることができます。
アドバイス or 指示のみ
相手が現状を受け入れるのが苦手であったり、緊急の対応が必要で丁寧に前提を共有する余力がない場合、フィードバックをスキップして、アドバイスや指示のみをすることもあります。
緊急対応の場合は、一通り着地した後にフィードバック部分に立ち返って伝えることもできます。
注意点
- 同じ相手でも取り扱うお題によって必要なコミュニケーションは異なります。例えば、開発については自走できるためフィードバックのみで対応できる人でも、リーダーシップに関してはジュニアであり、丁寧なアドバイスが必要なこともありえます
- 知識やノウハウが少ない状態で思いつきのアドバイスをすると、相手は的中率の低い解決策を試すことになりかねません。「共同で広くアイデアを出したい」という場面ならいよいですが、有識者からのアドバイスとして相手に伝わらないように注意が必要です
- 明確な正解があるというよりは、好みの問題に関わるお題を扱う場合、指示ではなくアドバイスに留めるのが好ましいでしょう
- 自分が今伝えている内容がフィードバックなのか、アドバイスなのか、指示なのかについて相手が判別できるような伝え方をできるとよいでしょう。例えば、自分は指示のつもりで伝えていたが、相手がアドバイスとして受け取っていたために、確実な対応がなされない、というような結果を避けるためです
まとめ
フィードバックとアドバイスと指示の区別についてまとめました。
フィードバックとアドバイスと指示の特性を理解し、区別して扱いましょう。