GCPの無料枠をAWSと比較してみた

2021.10.05

AWSに無料枠があるように、GCPにも無料枠があります。GCPの無料枠では何ができるのか気になり調べてみました。

「AWSの無料枠」

https://aws.amazon.com/free/

「GCPの無料枠」

https://cloud.google.com/free/

AWSの無料枠には「短期の無料トライアル」や「12ヶ月間の無料枠」,「永久無料枠」があります。

GCPには「$300分の無料トライアル」と「永久無料枠」があります。

AWSの無料枠については知りたい方は以下のページをご確認ください。

・$300分の無料クレジット

GCPには、90日間利用できる$300分の無料トライアルが用意されています。登録が完了すると自動的に開始され、すべてのGoogle Cloudリソースで利用できます。AWSの「12ヶ月間無料枠」でも様々なサービスが利用できますが、GCPでは90日間ですが全てのサービスに対して$300分の無料クレジットが利用できます。登録から90日間が経過すると残高が残っていても無料トライアルが終了します。無料トライアルが終了すると、利用していたリソースが一度停止され、勝手に課金されることはありません。利用を継続する場合は、有料アカウントにアップグレードする必要があります。

学生でも無料で勉強や遊びに利用できていいですね。無料利用枠を使って、マインクラフトのサーバーを立て複数人プレイすることもできます。ちなみに仮想通貨のマイニングなどは禁止されているのでご注意ください。

・無料枠プロダクト

無料枠プロダクト(永久無料枠)は利用期限がなく、サービスに変更がない限りずっと無料で使えます。AWSの無料枠とGCPの永久無料枠を比較しながら見ていきます。

「Compute Engine」

「Compute Engine」は、Googleのデータセンター内で稼働する仮想マシンを提供するサービスです。類似サービスとしてAWSの「EC2」があります。AWSのEC2の無料枠は、「12ヶ月間の無料枠」であるのに対し、GCPのCompute Engineの無料枠は「永久無料枠」となっています。
下記の表に出てくる「1ヶ月あたり一台のe2-microインスタンス」というのは、e2-microインスタンスを同時に2台起動していた場合は、半月までは無料で使用できるということです。Compute Engineについて「5 GB/月のスナップショットストレージ」とありますが、Compute Engineのスナップショットの保存先は「Cloud Storage」となっています。「Cloud Storage」の無料枠についても確認してください。
GCP 

Compute Engine

永久無料枠                              

・1ヶ月あたり一台のe2-microインスタンスの使用が無料

・無料枠ではWindows Serverイメージは利用不可

・30 GB/月の標準永続ディスク

・5 GB/月のスナップショットストレージ

・北米から全リージョン宛の下りネットワーク通信が1ヶ月あたり 1GB まで。

 (中国とオーストラリアへの通信は最初から有料)

AWS

EC2

アカウント作成から12ヶ月間の無料枠

・t2.microインスタンスの使用が 750時間/月 無料

・Windows Serverイメージも利用可能

・30 GBのHDD,SSDストレージ (EBSの12ヶ月間無料枠)

・最初の1年間は、毎月最大 15 GB のデータ転送が無料

(インターネット、他の AWS リージョンへのデータ転送)

・1年間目以降は、リージョンごとに月額 1 GB のインターネットへのデータ転送が無料。

「Cloud Storage」

高い可用性と耐障害性を持ったオブジェクトストレージです。類似サービスとして、AWSの「S3」があります。AWSのS3の無料枠が「12ヶ月間の無料枠」なのに対し、GCPのCloud Storageの無料枠は「永久無料枠」となっています。

GCP

Cloud Storage

永久無料枠                              

・5 GB/月のRegional Storage(ひとつのリージョンの標準ストレージ)

・50,000 回/月のクラス B オペレーション(Get リクエスト)

・5,000 回/月のクラス A オペレーション(Put、Copy、Post、List リクエスト)

・1 GB/月の北米から全リージョン宛ての下り(外向き)ネットワーク

AWS

S3

12ヶ月間の無料枠

・5 GB の標準ストレージ

・20,000 回/12ヶ月の Get リクエスト

・2,000 回/12ヶ月の Put、Copy、Post、List リクエスト

「BigQuery」

BigQueryは、スケーラブルで費用対効果の高いサーバーレス データウェアハウスです。類似サービスとしてAWSの「Redshift」があります。BigQueryとRedshiftでは料金の計算方法が異なるため、コスト面での単純な比較は難しいです。BigQueryはクエリに対する課金、Amazon Redshiftはクラスターを立ち上げていた時間分、課金されます。GCPのBigQueryの無料枠は永久無料枠ですが、Redshiftの無料枠は無料トライアルとして2ヶ月間となっています。

GCP

Big Query

永久無料枠                    

・1 か月あたり1 TB のクエリ

・1 か月あたり10 GB のストレージ

AWS

Redshift

無料トライアル開始から2ヶ月間無料

 (12ヶ月間の無料枠とは異なります。)

・DC2.Largeノードの使用が750時間/月 無料

「Cloud Firestore」

Cloud Firestoreは柔軟でスケーラブルなNoSQLクラウドデータベースサービスです。類似サービスとしてAWSの「DynamoDB」があります。GCPの「Cloud Firestore」も、AWSの「DynamoDB」も、どちらも無料枠は永久無料枠となっています。 Cloud FirestoreとDynamoDBでも料金の計算方法が異なるため、コスト面の単純な比較はしにくいです。Cloud Firestoreはデータベースへの読み込み/書き込み操作の回数で課金されます。一方DynamoDBは、プロビジョンされた読み込み/書き込みスループットの容量で課金されます。

GCP

Cloud Firestore

永久無料枠                              

・1 GB のストレージ

・50,000 回の読み取りオペレーション、

・20,000 回の書き込みオペレーション、

・20,000 回の削除オペレーション(1 日あたり)

AWS

DynamoDB

永久無料枠

・25 GB のストレージ

・25 個のプロビジョニングされた書き込みキャパシティーユニット

・25 個のプロビジョニングされた読み込みキャパシティーユニット

1 か月あたり最大 2 億リクエストの処理が十分に可能。

「Cloud Functions」

Cloud Functionsはサーバーレスコンピューティングサービスです。類似サービスとしてAWSの「AWS Lambda 」があります。
下記の表では、「GB-秒」など見慣れない単位が出てきます。
「GB-秒のコンピューティング時間」
関数が実行される秒数に、消費されたRAMメモリの量を掛けた値です。
「GHz 秒のコンピューティング時間」
関数が実行される秒数に、使用されたCPUのクロック数をかけた値です。
「秒のコンピューティング時間」
関数が実行される秒数です。
GCP

Cloud Functions

永久無料枠                            

・200 万回/月 の呼び出し

・400,000 GB 秒、200,000 GHz 秒のコンピューティング時間

・1 か月あたり 5 GB のデータ送信

・同じリージョン内の Google API へのデータ送信は無料

・データ受信(上りトラフィック)は無料

AWS Lambda 永久無料枠

・100 万件/月の無料リクエスト

・1ヶ月あたり40 万 GB-秒のコンピューティング時間

・1 か月あたり最大 320 万秒のコンピューティング時間

・同じAWSリージョン内でのデータ送信は無料

・データ受信(上りトラフィック)は無料

「App Engine」

App Engineは開発したウェブアプリを、GCPのサーバー上で簡単にデプロイできるサービスです。類似サービスとしてAWSの「Elastic Beanstalk」があります。

GCP

App Engine

永久無料枠                            

・28 時間分の「F」インスタンス(1 日あたり)

・9 時間分の「B」インスタンス(1 日あたり)

・下り(外向き)1 GB(1 日あたり)

AWS 

Elastic Beanstalk

なし

 

AWSのみ無料枠のある類似サービス

AWSと比較して、GCPの方が無料枠の上限が大きいサービスがいくつかありました。特にAWSの「EC2」や「S3」の無料枠が12ヶ月間なのに対し、GCPの「Compute Engine」や「Cloud Storage」の無料枠が永久無料なのは大きな差だと思います。またGCPで$300分の無料クレジットがついてくるのも、AWSにはない特典です。

Amazon RDS

しかし、永久無料枠のあるサービスの数を比較すると、AWSだと35種類ほどあり、GCPでは24種類でした。また、SQLデータベースサービスである、GCPの「Cloud SQL」には無料枠が($300分の無料クレジットを除いて)無い一方、類似サービスであるAWSの「Amazon RDS」には無料枠が用意されています。このようなサービスは他にもあります。
GCP

Cloud SQL

(90日間有効な$300分の無料クレジット)
AWS

Amazon RDS

12ヶ月間の無料枠

・db.t2.microインスタンスの使用が 750 時間/月 無料

・20 GB の汎用 (SSD) データベースストレージ

・20 GB のデータベースバックアップおよび DB スナップショット用ストレージ

Amazon CloudFront

コンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスである、GCPの「Cloud CDN」とAWSの「Amazon CloudFront」を比較してもAWSのみ無料枠があります。
GCP

Cloud CDN

(90日間有効な$300分の無料クレジット)
AWS

Amazon CloudFront

12ヶ月間無料                              

・50 GB のデータ送信

・200 万件の HTTP および HTTPS リクエスト

Amazon ElastiCache

インメモリデータストアサービスである、GCPの「Memorystore」とAWSの「Amazon ElastiCache」もAWSのみ無料枠が用意されています。
GCP

MemoryStore

(90日間有効な$300分の無料クレジット)
AWS

Amazon ElastiCache

12ヶ月間の無料枠                           

・cache.t2.micro または cache.t3.micro ノードの使用が 750 時間/月 無料

 

個人で勉強する分には、無料枠はかなり役立つと思います。しかし、よく調べてから利用しないと思わぬところで料金がかかったりします。GCPでもAWSでも無料枠を活用する際には、現在の利用料金はよく確認するようにしましょう。