ハノーバーメッセでiCADさんブース訪問 − 徹底したパフォーマンスの拘りと「HTMLで配る3D図面」 #HM26

ハノーバーメッセでiCADさんブース訪問 − 徹底したパフォーマンスの拘りと「HTMLで配る3D図面」 #HM26

ハノーバーメッセ2026でiCADさんのブースを訪問。CAD内さんから聞いた、3Dを製造業の共通言語にするためのパフォーマンス哲学と、HTML1枚で3D図面を関係者全員に配れる「iCAD 3D Browser」をレポートします。
2026.04.21

「徹底的にパフォーマンスに拘ってます。もう本当に。それがiCADです」

ハノーバーメッセ2026にて出展されていたiCAD株式会社さんのブースにお邪魔し、最新の製品動向と「推しポイント」を直接お聞きすることが出来ました。

最初から最後まで徹底してCAD内さんが話されていたのが「3D図面の共有の大切さと、そのコミュニケーションを阻害しない製品としてのパフォーマンス」。

いろんな側面から製品説明をいただいたので、その様子をお届けします。

iCADについて

iCAD株式会社は、機械装置設計向けの3次元CADシステムを開発・提供している日本のCADベンダーです。設立は2010年、現在は約200名の体制で、東京本社に加え大阪技術センター、九州iCADテクニカルセンターを構えています。

主力製品は、機械装置設計向け3次元CADシステム「iCAD SX」と、2D/3D混在設計環境を提供する「iCAD MX」です。特に iCAD SX は「日本唯一の国産3D CAD」として8,000社以上に導入されており、機械設計業界では圧倒的な存在感を持っています。

そしてiCADさんを語るうえで外せないのが、圧倒的な処理パフォーマンスです。公式でも「世界一の高速性能を実現」と打ち出しており、代表的な数字として以下のようなものがあります。

  • 約1/50の超軽量データ構造
  • 大規模アセンブリで300万部品を0.2秒で処理

自分は、以前こんなブログを書いているぐらい機械設計領域は専門外です。

3DCAD完全ド素人がFreeCADで3Dモデルを作成してみた | DevelopersIO

なのですが、この数字の重みはわかるきがします。特に現場にあるノートPCの性能に大きな予算をさけない現場もあると思うのですが、そこに真正面から性能面で挑んでいるのは印象的でした。

なおハノーバーメッセ2026は、2026年4月20日〜24日にドイツ・ハノーバーで開催されている世界最大級の産業見本市で、今年は「Industrial AI」が中心テーマとなっています。iCADさんはその会場に、自社ブースを構えて出展されていました。

ブース対応いただいたのはCAD内さん

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写真左がCAD内さん。右側が自分(ハマコー)。しかしまぁ、この写真慣れですよ。

ブースで対応いただいたのは、Xで「CAD内さん 3Dデータ活用@機械設計」として発信されている CAD内さん

iCAD SXの実装・活用の知見を、Xを中心に日々わかりやすく発信されていて、機械設計・3DCAD界隈のフォロワーの方なら一度はタイムラインでお見かけしたことがあるはず。自分にとっては、昨年のハノーバーメッセで右も左もわからなかった自分に対して、現地で初めてお会いし、ブースを回りながらいろいろな製造業の最新動向を熱心に教えてくださった恩人です。1年ぶりの再開を、またドイツで実現できました。

全体の機能と推しポイントの紹介

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ブースの中央に掲げられていた大きなパネルがこちら。タイトルは、

3D as the Universal Language of Manufacturing
Breaking Down Barriers Between Tools, Teams & Partners

今回のiCADさんのメッセージが、このパネル一枚に非常にきれいに凝縮されていたので、少し丁寧に紹介させてください。

1. なぜ3Dが「共通言語」であるべきか

パネルの最上段では、「2D文書中心のコミュニケーションが抱える4つの構造的問題」 が提示されています。

  • 01. Information Lost Between 3D and 2D — 3D CADデータを2D図面に変換する段階で、形状・公差・設計意図が失われる
  • 02. Meaning Lost When Data Becomes Text — リッチな3D CADデータが、テキスト・記号・数値に還元されることで元の意味情報が抜け落ちる
  • 03. Skill-Dependent Interpretation — 2D図面の読解にはトレーニング・経験・ドメイン知識が必要で、それを持たない人はコミュニケーションから排除される
  • 04. Loss of Shop-Floor Know-How — 現場のノウハウが手書きメモや口頭伝承に留まり、3D図面と切り離されて散逸する

自分は顧客訪問で「2D図面の読める人がどんどん減っている」「熟練者のノウハウが現場で属人化している」という課題をよく聞きますが、そこに製品コンセプトから真正面で課題解決を行ってます。

2. 3D as the center of all communication

そのうえで、パネル中央にあるメッセージがこちら。

3D as the center of all communication
Connecting engineers, departments, companies, and customers through a single shared 3D language.

  • Engineer to Engineer
  • Cross-Department
  • Company to Company
  • Customer Dialogue

つまり「設計者間」だけでなく、「部門をまたぐコミュニケーション」「企業間のやり取り」「顧客との対話」まで、すべての場面で3Dを共通言語として使える世界を目指す、というのがiCADさんのビジョンです。

CAD内さんからも、この部分を指しながら「iCADは3Dを設計者のものだけにしない。設計・製造・営業・顧客、全員が同じ3Dを見ながら会話できる状態を作りにいっている」というお話をいただきました。

3. 実現を阻む3つの障壁と、iCADのコア技術

一方で、3Dを「全員の共通言語」にしようとすると、現実的には以下の3つの壁にぶつかります。

  • Viewing Performance — 表示が重い、開くのに時間がかかる
  • Hardware Dependent — 高スペックPCがないと動かない
  • Unfamiliar User Experience — 設計者以外にはUIが難解

この障壁に対して、iCADがこれまで積み上げてきた技術がパネル下段の「Our core technology」として並べられています。

  • Ultra-Fast Response(超高速レスポンス)
  • Hardware Independent(ハードウェア非依存)
  • Intuitive operability & Customizability(直感的な操作性とカスタマイズ性)
  • Proprietary Secure Data Format(独自のセキュアなデータフォーマット)

ここで冒頭の「徹底的にパフォーマンスに拘っている」というメッセージに繋がります。超高速かつハードウェアに依存しないレスポンスがあって初めて、「3Dを皆で囲んで会話する」という世界が成立する、というストーリーがきれいに組み立てられているパネルでした。

また、パネル最下段にはUSE CASESとして「Design Review」「Maintenance App」「Electronic Catalog」が紹介されており、単なるCADツールではなく、3Dデータを起点にした業務アプリケーションまで視野に入れていることが伝わってきます。

いま一番の推しポイントである「HTMLファイルによる図面共有」

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そして、今回CAD内さんから「これがいま一番の推しです」と熱量高く紹介いただいたのが、iCAD SXの3DデータをそのままHTMLファイルとして共有できる機能、通称 iCAD 3D Browser です。

写真のノートPC(富士通のごく普通のWindowsマシン)のブラウザで開かれているのが、そのHTMLファイル。画面左側にはアセンブリツリーが並び、右側には複雑な装置アセンブリ(画像では「StopWatchAssemDemo」と呼ばれる装置デモ)の3Dモデルが表示されています。この状態から回転・ズーム・断面表示まで、非常にスムーズに高速でブラウジングができていました。このサクサク感は、是非みなさんにも現地で触ってもらいたい。

技術視点での特徴

  • 3Dデータを 単一のHTMLファイル としてエクスポートできる
  • 閲覧側に iCADやビューアのインストールは不要
  • オフラインでも、HTMLファイルをダブルクリックするだけでブラウザ上で3Dを操作可能
  • 大規模アセンブリでも高速表示、断面切り替えも軽快
  • 設計者がCAD上で設定した寸法や属性情報もそのまま確認可能
  • HTMLテキストは暗号化され、パスワード保護にも対応

業務視点でのインパクト

  • 関係部署ごとに 追加ライセンスが不要
  • 共有ドライブやSharePointなどに、普通のファイルとして置いておけばよい
  • 営業・購買・製造・顧客など、3D CADを持たない関係者全員が同じ3Dを見られる
  • 結果として、組織・社外を越えた「3Dを囲んだコミュニケーション」が一気に実現する

先ほどのパネルで謳われていた「3D as the center of all communication」を、具体的な一つの機能として落とし込んだものとのことでした。

CAD内さんからも 「ビューア運用やライセンス調整は現場では地味に大変で、それが“3Dを関係者で見る”ことを諦める一番の理由になっている。ここを、こう!!なんとか解決したいんですよ!!我々は!!!」 というコメント貰いました。

今思い返しても、めっちゃ熱量高かったな…

普段ITばっかり触っている自分は最初これを聞いた時、「HTMLファイルをローカルファイルでブラウザ閲覧する運用って、アーキテクチャ的にはなんか古いかなぁ…」と思ってしまったんです。

ただ、よくよく考えるとすごく理に適っているなと思います。どこまで自動化できるかわからない(聞きそこねた)のですが、最新の3D図面を自動的にHTMLにエクスポートし、社内共有Webサーバーにデプロイする仕組みさえ作っておけば、ビューアーとしての機能はほぼ全自動で実現できそうです。

「3DデータをHTMLファイルに閉じ込めて誰でも使えるようにする」というアプローチは、シンプルかつ強烈な解決策だと感じました。

まとめ

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iCADさんのブースを後にして強く感じたのは、iCADのメッセージが

パフォーマンス → 3Dを全員の共通言語に → そのための具体機能(iCAD 3D Browser)

という形で、思想・技術・機能が一直線につながっているということです。

特にHTMLファイルによる図面共有の話は、製造業のコミュニケーション設計そのものを課題と捉え解決していく強い意志を感じました。CAD内さんがイキイキとこの機能を紹介してくれていたのが印象的です。

最後になりますが、昨年に引き続き、現地ハノーバーで時間を割いて熱く語ってくださったCAD内さん、本当にありがとうございました。また来年のハノーバーメッセでもいろんなお話ができればと思います。

それでは今日はこのへんで。濱田孝治(ハマコー)でした。

参考リンク

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