相手に合わせた新たな仕事の任せ方

相手に合わせた新たな仕事の任せ方

この記事では、相手に合わせた仕事の任せ方について解説します。
Clock Icon2025.01.28

こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。

新たな仕事を任せる際は、相手のスキルや経験に応じて任せ方を柔軟に調整することが求められます。この記事では、相手に合わせた仕事の任せ方について解説します。

新たな仕事の任せ方の種類

何かしら新たな要素を含む仕事を任せる場合、相手に合わせて任せ方を変える必要があります。

以下に、任せ方を支援の手厚さに応じて段階的に分類した例を示します。

  1. 1手順ずつペアで実施する。主導するのは指導者
  2. 1手順ずつペアで実施する。主導するのは育成対象
  3. 詳細なゴールと進め方を伝え、具体的な見本を見せたあと、進めるのは育成対象
  4. 詳細なゴールのみを示して、育成対象本人に進めてもらい、困ったときに相談してもらう
  5. 大まかなゴールを示して、育成対象本人に進めてもらい、困ったときに相談してもらう

1. 1手順ずつペアで実施する。主導するのは指導者

項目 内容
目的 完全に未経験で、仕事の全体像や手順を理解する必要がある場合
適用場面 ・新しい業務のプロセスや目的が不明瞭な状態の育成対象
・知識やスキルがゼロに近い状況
特徴 ・指導者が主導して進めるため、ミスのリスクが低い
・手順を示しながら進めることで、育成対象が基礎を学びやすい

2. 1手順ずつペアで実施する。主導するのは育成対象

項目 内容
目的 手順に対する基本的な理解があるが、具体的な進め方を学ぶ必要がある場合
適用場面 ・似たような作業経験がある育成対象
・手順を実行する準備ができているが、まだ自信がない段階
特徴 ・本人が主体的に手順を実行し、育成者がサポートや補足を行う
・自主性を育むと同時に、間違いを修正できる安全な環境

3. 詳細なゴールと進め方を伝え、具体的な見本を見せたあと、進めるのは育成対象

項目 内容
目的 手順を理解しており、ある程度のスキルがあるが、自分で仕事を進める経験を積ませたい場合
適用場面 ・具体的な進め方が分かれば、スムーズに実行できる育成対象者
・ゴール達成に必要な知識やツールの使い方を一度示せば応用できる状況
特徴 ・具体的な見本を通じて、仕事の進め方をイメージしやすくなる
・育成者の介入が減り、本人の実行力が高まる

4. 詳細なゴールのみを示して、育成対象本人に進めてもらい、困ったときに相談してもらう

項目 内容
目的 ゴール達成のために、自分で計画を立てて進める能力を養う場合
適用場面 ・業務にある程度の経験があり、自分で手順を考えられる育成対象者
・問題が発生した場合に、自分で解決策を探しつつ、必要に応じてサポートを求められるレベル
特徴 ・自律性を高める段階
・育成者のサポートが最小限で済む

5. 大まかなゴールを示して、育成対象本人に進めてもらい、困ったときに相談してもらう

項目 内容
目的 育成対象者が自分で目的を詳細化し、仕事を自主的に進められる能力を発揮する場合
適用場面 ・業務に精通しており、高度な判断力や自己管理能力がある育成対象者
・新しい課題や挑戦にも積極的に取り組む意欲がある場合
特徴 ・完全に自主性を尊重し、育成対象者がリーダーシップを発揮
・育成者は最小限のサポートやフィードバックを提供

相手に合わない仕事の任せ方の例

支援が手厚すぎる場合

新たな業務でも自分なりに工夫して進めていける人に、毎回ペアワークで進め方を伝えるのは、支援が手厚すぎます。指導者の時間の浪費や、育成対象者が自分なりに工夫する機会を逃すことにつながります。

支援が手薄すぎる場合

新たな業務への挑戦に不慣れで、手厚いサポートがないと失敗を繰り返し、いつまでも所定の期間に業務を進めることができないような場合、支援が手薄過ぎます。
大きく任せる進め方は、成功すれば指導者の時間を大幅に節約できますが、うまくいかない場合は修正作業が増え、かえって時間を要する結果となります。また、育成対象者は失敗の繰り返しで自信を失い、ストレスを抱えることになります。

新たな仕事を身につける力を伸ばすこと

5の『大まかなゴールを示して、育成対象本人に進めてもらい、困ったときに相談してもらう』の方法で任せることができる育成対象者が増えるのが理想です。一方で、最初からこの進め方をできる人は稀です。そのため、新たな業務に取り組む機会を育成対象者に継続的に提供しつつ、相手の現状に合わせて1〜5の支援を調整し、折れないように少しずつ新たな仕事を身につける力を高めてもらうとよいでしょう。

この際に、ふりかえる力を養うことで学習効果が向上するため、継続的にふりかえりを実施することが効果的です。

個人のふりかえりについては、以下の記事を参照ください。

まとめ

最終的には、育成対象者のスキルレベルを高め、段階的に自主性を養うことが重要です。本記事で紹介した任せ方の5つの段階を適切に活用し、相手に合わせた支援と挑戦のバランスを心がけましょう。
なお、同じ育成対象であっても、取り組む業務内容によって必要なサポートの手厚さは変化します。例えば、技術者としてはゴールだけあれば新しい業務でも自分で難なくこなせる人だっとしても、ピープルマネジメントに初挑戦する場合は手厚いサポートが必要な場合もあります。

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