
IoT 機器の設置に使用した 3M 粘着テープをリムーバーできれいに剥がす
こんにちは、製造ビジネステクノロジー部の若槻です。
IoT機器の設置において、強力な粘着テープは欠かせない存在です。特に3M社の両面テープは、その優れた接着力から多くのIoTデバイスの固定に採用されています。
例えば、AWS が提供するIoT予知保全ソリューションである Amazon Monitron(新規顧客への提供終了済み)では、Wi-Fiゲートウェイの設置時に3Mの粘着テープが標準で付属しています。この粘着テープを使って壁面や設備に直接取り付ける手順が公式ドキュメントでも紹介されています。
しかし、機器の移設や撤去時には、この強力な接着力によって基材(壁面や設備)側やデバイス側の貼付面にテープが残ったり、粘着剤が付着したままになったりしてしまい、表面をきれいに戻すのに苦労することがあります。
今回、自宅の化粧鋼板ドアに設置していたQrio Smart Lockの粘着力が経年劣化で弱まったため、古い粘着テープを完全に除去して新しいものに交換することにしました。そこで、3M粘着テープを専用リムーバーを使ってきれいに剥がす方法を確認してみました。
必要な道具
今回のテープ除去作業には、以下の道具を使用しました。
1. 粘着剤リムーバー
3M スリーエム CLEANER30 MINI [クリーナー30 シールはがし強力(ハードな洗浄力)]
強力な粘着剤を溶かす専用のリムーバースプレーです。3M製の粘着テープに対しても効果的に働きます。柑橘系の香りがあり、一般的な溶剤系リムーバーと比較して使用時の刺激が少ないのが特徴です。なお、表面の材質によっては使えない場合もあるのでご注意ください。
2. プラスチックヘラ
井上工具 12703 [プラスチックマルチヘラ 45mm]
粘着剤を物理的に除去するためのプラスチック製ヘラです。
その他準備するもの
- ティッシュペーパー(複数枚)
- 換気設備(窓を開けるか換気扇を回す)
剥がし方の手順
STEP 1: デバイスを取り外す
まず、化粧鋼板のドアに取り付けられたQrio Smart Lock(デバイス)を慎重に取り外します。この時点で、ドア表面とデバイス側の両方にテープや粘着剤が残る場合があります。
デバイスを取り外した様子。なお、糊が残った状態を撮影するのを忘れたため、写真中の赤く囲った部分に糊が残っている体でご覧ください
STEP 2: 作業環境を整える
作業を始める前に、必ず換気扇を回すか窓を開けて換気を行います。リムーバーの成分は安全性が高いものの、閉鎖空間での長時間の使用は避けましょう。
STEP 3: リムーバーを塗布する
- クリーナーをドアやデバイス表面に残った粘着剤に直接スプレーします
- 液体が垂れる場合は、ティッシュで受け止めます
- 粘着剤にリムーバーが浸透するよう、約3分間放置します
ドアにリムーバーを塗布。柑橘系の匂いがするが思ったより嫌な匂いではない。ただし液に粘性はないのですごく垂れてくる
デバイスにもリムーバーを塗布
STEP 4: 粘着剤を除去する
- ティッシュを使って、溶けた粘着剤を拭き取ります。このとき残った糊にティッシュが付着するのでヘラでこそぎ落としやすくなります
- プラスチックヘラを使って、残った粘着剤をこそぎ落とします
- 粘着剤が完全に除去できない場合は、STEP 3〜4を繰り返します
ドアをティッシュで拭き取る。糊にティッシュが絡め取られて抵抗がすごい
ドア表面に残った糊をヘラでこそぎ落とす。初回はすごく硬くてなかなか取れないのでステップを何周か繰り返す必要がある
ここまでのステップを何回か繰り返すことにより、表面を傷付けることもなく、きれいに粘着剤を除去することができました。
STEP 5: デバイスの再設置
今回は、同じ位置にQrio Smart Lockを新しい粘着テープを使って設置するところまで行いました。
3M粘着テープをデバイスに再度貼り付ける
粘着テープのスリーブを剥がす
ドアに強く押し付けて貼り付ける
これで、Qrio Smart Lockを新しい粘着テープで取り付けることができ、快適なスマートホームライフを再開することができました。
おわりに
専用リムーバーを使用することで、強力な3M粘着テープでも、化粧鋼板のドアやQrio Smart Lock本体を傷つけることなくきれいに剥がすことができました。今回ご紹介した方法は、スマートロックだけでなく、他のIoT機器の移設や撤去作業にも応用できますので、ぜひお試しください。
以上