
チームの目標が保留の間の過ごし方
こんにちは。組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
チームの目標は常に明確であることが理想ですが、時にはその設定が保留となる期間が生じます。この空白期間を漫然と過ごすか、それとも状況を見極め、できることに積極的に取り組むかによって、チームの成果や個人の成長に差が生まれます。
ここでは、チームの目標が保留の間の過ごし方について、チームメンバーの方向けにまとめます。
チームの目標が保留になる状況
チームの目標が保留になる状況には、様々な要因がありえます。典型的なパターンとして2例紹介します。
事業戦略の変更・見直し
会社全体や事業部全体の方針が大きく変わり、見直しが行われる際、それに合わせて各チームの目標も再調整が必要になります。目標は会社 → 事業 → 部門 → チームなど、段階的に決まるのが一般的で、チームの目標を定める前提が整うまで時間がかかることがあります。
組織体制の変更
組織の再編、部署の統合・分割、新しいチームの発足などがあった場合、それに伴い役割や責任範囲が変わり、新しい組織編成に合わせた各組織の方針・ミッションの策定など、チームの目標設定の準備が整うまで時間がかかることがあります。場合によっては、四半期〜半年程度は助走期間として明確な目標をあえて定めない場合もあります。
保留期間を有効活用する
チームの目標が保留の期間を有効活用するためには、以下のようなプロセスで進めるとよいでしょう。
- 上位目標の理解 : チームの行動指針を推測する
- マネージャーへの確認 : チームの目標範囲を把握する
- 有効な取り組みの見極め : 先行投資となりうる行動を探す
- マネージャーへの提案 : 次のステップを明確にする
1. 上位目標の理解 : チームの行動指針を推測する
自分の所属チームより上位の事業部、部門などの方針や目標が決まっているなら、それらを理解しておくことでチームとして取るべき行動の選択肢を推測しやすくなります。
2. マネージャーへの確認 : チームの目標範囲を把握する
チームの目標が大まかにどのような選択肢になる可能性があるかをマネージャーに確認しましょう。
保留中の目標について詳細に言及できないことも多いとは思いますが、ある程度曖昧な形でも教えてもらえる場合もあります。目標が保留であることへのクレームのような形で聞くと、衝突が発生し、思ったような答えが得られないかもしれませんが、チームのために自発的によりよい取り組みをするために確認したいというスタンスであれば共有してもらいやすいでしょう。
3. 有効な取り組みの見極め: 先行投資となりうる行動を探す
1と2で得た情報をもとに、チームの未来についてある程度の予想が立つはずです。
そして、未来に起こり得る選択肢を踏まえて、どの選択肢になったとしても有効な取り組みを見極めます。
4. マネージャーへの提案 : 次のステップを明確にする
3で見極めた取り組みの候補をマネージャーに提案し、実際に行動すべきか、それとも見送るべきか確認します。仮に見送るべきという回答だった場合、保留期間中に自発的に取り組むとよい他の内容を確認できるとよいでしょう。また、新たな取り組みだけでなく、既存の業務に費やす時間とのバランスも確認しましょう。
保留期間をポジティブに捉える
目標が保留の期間は、余力が生まれやすい時期です。これを好機と捉え、普段はなかなか着手できなかった、未来に向けた投資となる活動に取り組む絶好のチャンスにすることができます。
たとえば、以下のような取り組みをする機会にできるかもしれません。
- チームメンバーのスキルアップ : 各自の専門性を高め、将来の目標達成に貢献できる人材を育成
- チームのオンボーディングの整備 : 新規メンバーの早期戦力化を促す体制強化
- 既存業務の改善 : 効率化や品質向上を図り、生産性向上に繋げる
- 未来に向けた技術検証 : 新しい技術やツールの導入可能性を探り、競争力強化に備える
- 未来に向けた採用活動 : 将来的なチーム体制強化を見据えた人材確保
- 情報発信 : チームの取り組みや成果を共有し、外部からの認知度向上をしつつ発信者の学習や社外貢献を兼ねる
- 小規模タスクフォースでのリーダーシップ経験 : リーダーシップを発揮し、実践的な経験を積む
これは、目標が保留の場合に限らず、たとえば案件型の業務における案件間の隙間なども同様です。