
既存アプリ開発チームの不安を言語化するためにインセプションデッキを作成するワークショップを実践しました
こんにちは産業支援グループ製造ビジネステクノロジー部のさかじです。
はじめに
既存アプリ開発チームの不安を言語化するためにインセプションデッキを作成するワークショップを実践しました。
一般的にインセプションデッキは新規プロジェクトの立ち上げ時に使われることが多いですが、今回は「チームメンバーの入れ替えによる不安」という課題を抱えた既存チームでの活用事例です。
ワークショップを実施する際に考えたことなどを織り交ぜて、ご紹介したいと思います。
私自身、課題は把握していましたが、参加者のほとんどと面識がない状況でワークショックを実施して、「不安を言語化することで前に進むきっかけを作る」ことを目指してワークショップを設計・実施しました。
背景
今回のチームは以下のような背景がありました。
- すでにローンチしているアプリケーションを開発するチーム
- チームメンバーの入れ替えがあり、今後に不安がある状態
ワークショップの設計思想
目的の明確化
目的を明確化し最初に参加者へ伝えることで短時間で少しでもゴールに近づけるように考えました。
まず最初に以下の内容を伝えました。
- チームをよく知る
- もやもやを言語化する
ワーキングアグリーメント
このようなワークショックの経験があるかどうかは、確認していなかったため、なるべく話しやすいような内容のワーキングアグリーメントを作成しました。
- 意見を否定しない
- 知らないこと、わからないことを正直に言う
- 今、解決しようとしない
特に「今、解決しようとしない」ということで、時間を制限しながらも、もやもやをアウトプットできればと考えました。
インセプションデッキワークショップの実施内容
既存プロジェクトならではの工夫
時間の都合及び、すでにローンチしているプロダクトを開発しているため、以下の項目はスキップしました。
- エレベータピッチ
- パッケージデザインを作る
宿題として設定した項目
以下のチームへ宿題として残した項目です。理由は、現在のチームを見つめ直すためにきっかけになりそうな項目やすでに出来上がっている項目は宿題としました。
- ご近所さんを探せ
- 技術的な解決策の概要
- 期間を見極める
- トレードオフスライダー
- 何がどれだけ必要なのか?
- 俺たちのAチーム
実際に話し合った項目
以下の内容を時間をかけて話し合いました。これらの内容は、チームメンバーでも心の何処かに何かがあるのですが、言語化していなかった、チームメンバー同士で共有してこなかった内容だったようで、様々な意見が出ました。
- なぜ我々はここにいるのか?
- やらないことリストを作る
- やることリスト
- やらないことリスト
- やるか、やらないか、後で決めるリスト
- 夜も寝れなくなるような問題はなんだろう?
まとめ・ふりかえり
ワークショップ終了後に参加者の皆さんに感想を聞いたところ、以下のような声がありました:
- リーダーは認識していなかった、リーダー以外の共通の不安あった
- 各メンバーがどのように関わっていきたいが明確になった
開発の話はよくしていても、不安を少し言語化できたということで、お互いを知ることができたのではないかと思いました
既存プロジェクトでのインセプションデッキ活用の学び取っていただき、また半年後にインセプションデッキを見直していただき、今回とどのように変化したかなどを比べていただけると、チームとしての成長などを感じることができると思います。
すでに、開発中のプロジェクトでも無駄にならないと思いますので、一度立ち止まってインセプションデッキを作ってみたはいかがでしょうか?AI駆動開発など一般的になりつつありますが、こういった活動は人間が考え、AIの補助をしてもらいながらインセプションデッキを作っていくことも面白いかもしれません。