主体性の背景にある内発的動機づけ

2022.11.23
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
社員が主体的に行動できる組織は理想的な状態です。
一方で、誰もが主体的に動けるわけではありません。そもそも自ら動きたいと思えるには、内から出てくる動機の有無が影響します。
つまり、内発的動機づけが必要となります。

内発的動機づけの三要素

内発的動機づけ本人の人生の目標であったり、何かを上達し続けたいという向上心であったり、個人の内側から発生する動機です。
書籍「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」によると、内発的動機づけには3つの要素があります。
  1. 自律性
  2. 熟達
  3. 目的

自律性

指揮統制型の組織では多くの社員が自ら考える範囲が狭くなり、指示や手順に沿って業務を行います。
一方、人は本来自ら考え行動するものです。自律的に考え行動するほうが意欲は高まり、その状態が継続します。
これが内発的動機づけにおける「自律性」です。
自律に関わる要素には4つのTがあります。
  1. Task - タスク
  2. Time - 時間
  3. Technique - テクニック
  4. Team - チーム

Task - タスク

何に取り組むかを自ら決めるのがタスクの自律性です。
例えば、
  • 20%ルール
  • 組織内における課題を横断的なチームで解決するタスクフォースへの自由参加
  • Pull 式のアサイン
  • 社内公募
  • メンバーの Will を加味して、本人と相談した上でのアサイン
などがあるでしょう。

Time - 時間

いつ取り組むかを自ら決めるのが時間の自律性です。
例えば、
  • 働く時間を柔軟に選べる
  • 働く時間のうち、何をどの時間に行うかを自分で決めることができる
  • 労働時間ではなく、成果に着目する
などがあるでしょう。

Technique - テクニック

どのように取り組むかを自ら決めるのがテクニックの自律性です。
旗は立てるが、どのように旗にたどり着くかを任せられている状態です。
すべてが手順で固定され、工夫する余地のない仕事は退屈なものです。
逆に自ら方法を考え、結果を確認しつつ、工夫していく過程は楽しいものです。

Team - チーム

誰と取り組むかを自ら決めるのがチームの自律性です。
例えば、
  • 20%ルール
  • 組織内における課題を横断的なチームで解決するタスクフォースへの参加
  • 社内公募
などを通して働きたい人と働く方法があります。

熟達

自分が取り組む領域について上達させたいという欲求を満たしていくのが内発的動機づけにおける「熟達」です。
本来仕事には目的があり、そこに向けた知識・スキルは手段の位置づけになります。
一方で、人は熟達の文脈においてはその知識・スキルを磨き、伸ばしていく活動自体に楽しさや充実感を感じます。
こういったその行動そのものが目的になっている状態を自己目的的経験(Autotelic)と呼びます。
例えば、プログラミングはシステムを実現する手段ですが、「プログラミングそのものを目的として追求し、没頭しつづける」という方は多く見受けられます。開発者だったころの私も同様の経験をしました。
これらの行き着くところとしてフロー体験があります。
フロー体験において、人は対象に没頭し、時間の感覚がなくなり、対象と一体化したような感覚を得ます。
この状態は一種の幸福です。こういった経験は、この領域に対してさらにのめり込んでいく動機になります。

目的

人は単に作業として取り組んでいるよりも、より大きな目的に向けて取り組んでいる状態が内発的動機づけにおける「目的」です。
例えば私の場合「人が成長し、充実して働ける場を作る」ということを個人的な Mission にしています。
この目的を決めてから、仕事に対する姿勢や充実感は大きく変化したと感じています。
特に現職に転職してから、まさに個人の Mission そのものと言える業務を担当していることもあり、なおさらです。
必ずしも個人が大きな目的を持っている必要はありません。例えば、自分自身は大きな目的はないが、所属組織の Vision, Mission に共感し、それを成し遂げていくことに貢献することに動機を見出すことができるならそれも「目的」になります。
個人は自分が何を大切にしているのかの価値観を整理し、自己認識をしておくと、所属組織の目的に共感できるかどうかが判断しやすくなるかと思います。
会社・チームは自分たちが何を目的にしているのかを明確にし、関係者に伝えていくことで会社・チームと個人の目的のつながりを作りやすくすることができます。

まとめ

主体性の背景にある内発的動機づけについてまとめました。
  1. 自律性
  2. 熟達
  3. 目的
の3要素をそれぞれ個別に紹介しましたが、実際は関連する部分もあるでしょう。
例えば、自律性を発揮して仕事を行うことができるようになるためには、ある程度業務に習熟し、「まかせてもらえる」状態になる必要があります。その意味では自律性・熟達が相互に影響している状態です。
例えば、目的を持って取り組んでいる状態は自律的に動く動機にもなりますし、意欲的に取り組んだ結果として習熟しやすい面もあるでしょう。
例えば、特に目的を持っていなかったが、とにかく夢中で好きな領域に習熟し続けていた結果、貢献しやすくなり、結果として貢献の先にある目的を発見しやすくなる、ということもあるかもしません。

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