組織改善における問題の内在化と外在化。「問題 VS 私たち」で捉える視点

組織改善における問題の内在化と外在化。「問題 VS 私たち」で捉える視点

Clock Icon2023.03.30

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
「問題解決をする際は個人にフォーカスせず、問題にフォーカスせよ。問題 VS 私たちの姿勢で立ち向かうことが大切だ。」
そんな言葉を耳にしたことがありますか?
この記事では、このお題について組織改善における問題の外在化内在化という概念を元に整理していきます。

外在化とは?

組織改善において外在化とは、問題は個人ではなく組織や環境に起因するという考え方です。
例えば、操作ミスによる障害が発生した場合、「操作ミスを抑止する仕組みの不足」に起因すると考えるようなケースです。

内在化とは?

組織改善において内在化とは、問題は個人に起因するという考え方です。
例えば、操作ミスによる障害が発生した場合、「個人の注意不足」に起因すると考えるようなケースです。

問題を個人のせいにしない

組織で発生する問題を個人に起因するもの捉えることは以下の弊害を生みます。
  • 問題を指摘するものは攻撃的になり、指摘される側は防衛的になる。結果として関係者が防衛的になり、問題が明るみに出にくくなる
  • 問題の所在を特定の人に押し付けることで、その問題が解決されないままになる
例えば、社員のリーダーシップの不足に関わる問題があり、それを個人の努力不足の問題と結論づけると、問題の改善はそこから進まなくなります。本来リーダーシップは育成可能です。知識・経験の場・周囲による支援や承認による自己効力感の向上などを組み合わせていくことで少しずつ伸ばせるはずです。しかし、個人の努力不足という結論にしてしまうと、たまたま個人が自分でなんとかするかどうかのみに依存することになってしまいます。
逆に育成体制という組織課題として捉えることができれば、リーダーシップを意図的に伸ばす取り組みにつなげることができます。
根本的な帰属の誤りのバイアスが存在するように、本来は個人に起因する問題ではないケースでも、つい個人に視点を向けやすい側面があります。ここに引きずられないようにする必要があります。

データの活用と外在化効果

問題をデータとして扱うことで、客観的に見つめ、外在化しやすくなります。
エンゲージメントサーベイはその恩恵を受ける利用法の1例です。
仮に、コミュニケーションに関わる項目のスコアが悪かったとき、本来は回答に参加した各人が考えていた個別の理由があるはずです。
それらは外在化目線かもしれませんし、内在化目線かもしれません。どちらかはさておき、匿名のサーベイ結果という形式になったことで、一旦第三者目線で問題と向き合いやすくなります。これを外在化効果と呼びます。
ただし、議論する人次第で、せっかく客観化されたデータがあっても、結局は問題を内在化し、個人に紐付けてしまうことがあります。その結果、解決は遠のきます。ファシリテーションを行う人は、問題を外在化していけるように進行することが必要です。

まとめ

問題 VS 私たち」という姿勢で組織の問題に向き合うことができれば、問題を協力して解決できる可能性がぐっと高まります。
問題を外在化し、客観視し、人の意識や努力ではなく、環境を整えることで解決する方法につなげましょう

関連情報

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.