[アップデート]IPv6オンリーのリソースからNAT64/DNS64を使ってIPv4のリソースに接続出来るようになりました!

NAT64/DNS64を使ってIPv6オンリーで作成したリソースからIPv4のリソースに通信が出来るようになりました!
2021.12.01

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こんにちは!
コンサルティング部の繁松(shigematsu)です!

前回の記事でIPv6オンリーのサブネットとEC2インスタンスを作成することが可能になったことを紹介しました。

今日は、IPv6オンリーで作成したリソースからNAT64/DNS64を使ってIPv4のリソースに通信が出来るようになったアップデートを紹介します!
現在対応しているリージョンは、バージニア北部、オレゴン、北カリフォルニアの3リージョンのみとなっています。

本日より、Amazon Virtual Private Cloud(VPC)内のIPv6のAWSリソースは、NAT64(AWS NAT Gateway上)とDNS64(Amazon Route 53 Resolver上)を使用して、 IPv4サービスと通信することができます。ワークロードをIPv6ネットワークに移行しても、IPv4ネットワークやサービスへのアクセスは引き続き必要となります。 NAT64およびDNS64を使用すると、IPv6リソースは、同じVPCや接続されたVPC、オンプレミスネットワーク、またはインターネット内のIPv4サービスと通信できます。

構成図

前回

前回の記事で作成した環境の構成図です。

前回までの環境では、IPv6のリソースには接続可能でしたが、IPv4のリソースには接続が出来ませんでした。

今回

今回は以下の構成図となります。

DNS64を有効にし、ルートテーブルに赤文字記載のターゲットを追加することでIPv4との通信が可能になります。
DNS64の有効化を行うことでセッションマネージャーからの接続も可能となります。
※NAT64はNATゲートウェイで自動的に使用可能となっており、有効、無効を設定することは出来ません。

前提

  • デュアルスタックVPC、IPv6オンリーのサブネット、NATゲートウェイは構築済み
    IPv6オンリーサブネットの作成は前回の記事をご覧ください。

設定手順

DNS64の有効化

IPv6オンリーのサブネットを選択し[アクション]→[サブネットの設定を編集]をクリック

IPv6の有効化にチェックをいれ設定を保存

CLIで実施する場合

aws ec2 modify-subnet-attribute --subnet-id サブネットID –-enable-dns64

ルートテーブル

IPv6オンリーのサブネットに紐づくルートテーブルに以下の設定を追加

送信先 ターゲット
0.0.0.0/0 NATゲートウェイ
64:ff9b::/96 NATゲートウェイ
::/0 インターネットゲートウェイ


このようになります。

CLIで実施する場合

aws ec2 create-route --route-table-id ルートテーブルID --destination-cidr-block 0.0.0.0/0 –-nat-gateway-id NATゲートウェイID
aws ec2 create-route --route-table-id ルートテーブルID –-destination-ipv6-cidr-block 64:ff9b::/96 –-nat-gateway-id NATゲートウェイID
aws ec2 create-route --route-table-id ルートテーブルID –-destination-ipv6-cidr-block ::/0 --gateway-id インターネットウェイID

※::/0宛のルートはegress-onlyインターネットゲートウェイをターゲットにすることも可能です。

動作確認

今回は、以下の宛先にcurlで接続をし動作確認を実施します。
IPv6の接続確認:ipv6.google.com
IPv4の接続確認:ipv4.google.com

DNS64が無効の場合

DNS64が無効の場合はセッションマネージャーから接続が出来ない為、踏み台サーバーを経由して接続しています。

IPv6宛は成功していますが、
Ipv4宛は失敗しています。

DNS64が有効の場合

DNS64を有効にして確認します。
セッションマネージャーから接続が可能になりました。

IPv6,IPv4どちらとも成功しています。

さいごに

DNS64/NAT64のアップデートについての記事でした。
IPv6オンリーで作成したリソースでも、IPv4との通信を簡単に可能にするといった、今後使用することが増えていきそうなアップデートでした。
早く日本リージョンでも使用出来るようになるといいですね!