
JAWS-UG AI-DLC支部第1回勉強会に参加してきた - Raja SP来日記念スペシャル
はじめに
2026年7月1日、JAWS-UG AI-DLC支部の第1回勉強会が開催されました。会場は麻布台ヒルズ森JPタワー36階、AWSの新オフィスです。

connpassでの募集は早々に埋まり、当日は補助席も使って約100名が参加する盛況ぶりでした。
そして今回の目玉は、AI-DLC提唱者のRaja SPさんがシンガポールから来日し、直接Q&Aに応じてくれたことです。
なお、本記事における登壇者の発言はすべて筆者の理解に基づく要約であり、正確な引用ではありません。
Raja SP さんの一問一答

Katsさんがモデレーターとなり、120以上の事前質問をベースにQ&Aが進みました。
AI-DLCを生み出す中で難しかったこと
「他の人に実践してもらい、フィードバックを得ること」だったそうです。フレームワークを作ること自体より、実際に使ってもらって改善サイクルを回す部分に最も苦労したとのことでした。
V1からV2への変化
V1は人間がステップごとに判断・介入する前提でしたが、V2では人間の判断パターンを蒸留し、AIが自律的にループを回せる設計に進化したとのことです。人間の関与が減る一方、人間にできることは増える方向だと語られました。
導入が進まない理由
Rajaさんが挙げたのは、モブエラボレーション(関係者を集めてコンテキストを揃える工程)の難しさ、AIへの過信、そしてコンテキスト管理の不備でした。ツールの問題ではなく、組織やプロセスの問題が導入を阻むという指摘です。
導入の秘訣
2つあるそうです。まず経験すること、そしてハーネス(安全装置)を作ること。小さく試して安全にフィードバックを得られる仕組みを先に用意する、ということでした。
企業事例セッション・LT
後半は企業の事例発表とLTが続きました。
LINEヤフー:大規模環境での情報基盤整備(小林慎治さん)
Yahooショッピングを担当するチームからの発表です。リポジトリ3,000以上という大規模環境で、AIに必要な粒度で情報を渡すための情報基盤PFを構築したとのこと。また、非エンジニアの「こわい」という感覚に寄り添いながら、1年かけて導入を進めたという話が印象的でした。
LINEヤフー:AI-DLCの成果物からUI Mock生成(新堂風さん)
デザイン領域での活用事例です。AI-DLCの成果物からUI Mockを生成するフローを構築し、ペルソナやカスタマージャーニーはAIが生成した上でデザイナーがレビューする、という工程を実践しているとのことでした。
アスクル:理想と現実のギャップに向き合う(佐藤萌夏さん)
見積りの困難さや意思決定者がプロセスに参加しないといった現実的な課題を率直に共有してくれました。100%導入を目指すのではなく、プロセス単位で部分導入し成果を出すアプローチが功を奏したとのことです。
東京海上日動システムズ:レビュー・振り返りエージェント(小鍋涼太さん)
Kiroを活用してレビューと振り返りのエージェントを構築した事例です。振り返りにかかる時間が1時間から20分に短縮されたという定量的な効果が報告されました。
KDDI:AI-DLC Workflow v2を語り合う(加藤元気さん)
OSTの場でAI-DLC Workflow v2について議論した内容の共有です。意図と意思決定をリポジトリに残すことの重要性が語られました。
まとめ
各セッションを通じて感じたのは、AI-DLCが単なるツール活用の話ではなく、意図と意思決定を仕組みとして残し、組織のコンテキストを整備するところまで踏み込むものだということです。生成AIの活用を進める中で組織の課題が見えやすくなる場面もあり、だからこそ仕組み化が鍵になると感じました。
国内でのAI-DLCコミュニティが着実に立ち上がっていること、そして初期から取り組む企業の生の声とRajaさん本人のQ&Aを同時に聞ける場ができたことに、大きな価値を感じた勉強会でした。次回開催が楽しみです。
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参考リンク









