
Kiro に生物医学向け MCP サーバーの BioMCP を導入してみた
はじめに
研究用途で Kiro を使う方へ生物医学の調べ物に強い構成を案内しようと考えていました。当初は以前 Claude Desktop に入れた PubMed の非公式 MCP サーバーを設定するつもりでした。探すなかで目に留まったのが BioMCP です。README には Claude Code、Codex、Claude Desktop 向けの導入手順が載っていますが、Kiro についての記載はありませんでした。汎用の JSON 設定で登録し、Kiro のチャットから検索できるところまで確認しました。

BioMCP とは
BioMCP は、約 30 の生物医学データソースへ 1 つのコマンド体系でアクセスできる CLI 兼 MCP サーバーです。アクセス先には PubMed、ClinVar、ClinicalTrials.gov、OncoKB、Reactome などが含まれます。
LLM に論文を挙げてもらうともっともらしい題名と識別子が返ってきます。ただしその文献が実在しないこともあります。BioMCP は公開データベースへ実際に問い合わせるため、実在する PMID、出典、掲載日付きで結果が返ります。
確認結果
確認には macOS(Apple Silicon)の Kiro と biomcp-cli v0.8.25 を使いました。
uv tool install biomcp-cliの 1 コマンドで CLI と MCP サーバーが入り、biomcpコマンドは~/.local/binに配置されたbiomcp health --apis-onlyでは PubMed、ClinicalTrials.gov、NCBI E-utilities など主要ソースがok- PMC OA と PharmGKB は
errorだった
- PMC OA と PharmGKB は
- CLI からキーワードで検索すると、PMID 付きの論文一覧が返った
- Kiro 経由の検索結果には PMID、出典、掲載日、被引用が並び、そのまま文献の実在を確認できた
導入手順
biomcp-cli をインストールする
インストール方法は PyPI 経由のほか、Homebrew、Docker イメージ、インストールスクリプトが用意されています。macOS なので Homebrew を使いたいところでした。ただし Windows ユーザー向けの手順も確認したかったため、Python のパッケージマネージャー uv を選びました。uv 自体は Homebrew で入れており、バージョンは 0.12.6 です。
uv tool install biomcp-cli
インストール後に uv tool list と which biomcp で確認しました。パッケージ名は biomcp-cli ですが、コマンド名は biomcp で、~/.local/bin/biomcp に配置されていました。このパスは後の MCP 設定で使います。
バージョンは --version で確認できます。
$ biomcp --version
biomcp 0.8.25
データソースへのアクセスを確認する
BioMCP が各データソースへ到達できるかは health で確認できます。
biomcp health --apis-only
PubMed、ClinicalTrials.gov、NCBI E-utilities といった主要ソースの Status が ok になっていることを確認します。今回は PMC OA と PharmGKB が error になりました。
# BioMCP Health Check
| API | Status | Latency | Affects |
|-----|--------|---------|---------|
| MyGene | ok | 648ms | - |
| MyVariant | ok | 638ms | - |
| PubTator3 | ok | 292ms | - |
| PubMed | ok | 503ms | - |
| Europe PMC | ok | 1289ms | - |
| NCBI E-utilities | ok | 756ms | - |
| ClinicalTrials.gov | ok | 299ms | - |
| OpenFDA | ok | 2550ms | - |
| UniProt | ok | 1043ms | - |
| PMC OA | error | 299ms (HTTP 404) | article fulltext resolution |
| PharmGKB | error | 231ms (connect) | pgx recommendations and annotations |
| NCI CTS | excluded (set NCI_API_KEY) | n/a | trial --source nci |
| Semantic Scholar | unavailable (set S2_API_KEY for reliable access) | 406ms | - |
影響する範囲は Affects 列のとおりで、PMC OA は論文全文の取得、PharmGKB は薬理ゲノミクスの推奨情報とアノテーションです。NCI CTS のように API キーが要るソースは、設定すべき環境変数名とともに excluded と表示されていました。
CLI から文献を検索する
CLI がデータを引けるかをキーワード検索で確かめます。今回はてんかんの発作予測を扱う論文を 3 件取得しました。
biomcp search all --keyword "epilepsy seizure prediction EEG" --limit 3
PMID、タイトル、掲載日が表形式で返ります。
# Search All: keyword=epilepsy seizure prediction EEG
## Articles (3)
|PMID|Title|Date|
|---|---|---|
|34093143|Minireview of Epilepsy Detection Techniques Based on Electroencephalogram Signal…|2021-05-20|
|42600438|Epi-Spec2State: Convolutional state space model via spectrogram image sequences…|2026-08-07|
|42669252|Neurosurgical management of childhood-onset epilepsy in periventricular nodular…|2026-08-25|
Kiro に MCP サーバーとして登録する
BioMCP には MCP クライアント向けの設定を出力する mcp-config があります。手で書くより確実なので、これを使いました。--client に指定できるのは codex、claude-desktop、claude-code、cursor、cline、vscode、json の 7 つです。Kiro 専用の出力は用意されていませんでした。汎用の json を選びます。
biomcp mcp-config --client json --absolute-path
command に biomcp の絶対パスが入っている点を確認します。
{
"mcpServers": {
"biomcp": {
"command": "/Users/ohmura.yasutaka/.local/bin/biomcp",
"args": [
"serve"
]
}
}
}
この内容に Kiro の設定項目を足して、ワークスペースの .kiro/settings/mcp.json に登録します。command のパスは各自の環境のものに読み替えてください。
{
"mcpServers": {
"biomcp": {
"command": "/Users/ohmura.yasutaka/.local/bin/biomcp",
"args": ["serve"],
"disabled": false,
"autoApprove": []
}
}
}
保存すると Kiro が設定を読み込み、MCP サーバーへ接続します。MCP SERVERS のパネルで biomcp が Connected (3 tools) になれば接続できています。

mcp.json の置き場所や書き方そのものは、DevelopersIO の既存記事が詳しいです。
Kiro から使えることの確認
MCP 経由では 3 つのツールに集約される
接続できているかを確かめるため、使える MCP サーバーをチャットで尋ねました。
MCP何が使えますか?
AWS Documentation の MCP サーバーと並んで BioMCP が表示され、ツールは 3 つでした。回答では BioMCP のことを、生物医学系の公開データベースを横断検索する読み取り専用のツールだと説明していました。

3 つの内訳は、検索用の mcp_biomcp_search、ID を指定して 1 件を取得する mcp_biomcp_get、残りの操作をまとめた mcp_biomcp_biomcp です。3 つ目からは薬物相互作用の照会や表現型検索を呼び出せます。接頭辞の mcp_biomcp_ は Kiro 側の命名で、サーバーが公開している名前は search、get、biomcp です。CLI では複数のサブコマンドに分かれている操作が、MCP 経由では 3 つに集約されていました。
検索結果は PMID と出典付きで返る
続けて CLI で試したのと同じキーワードで論文検索を依頼しました。
BioMCPを使って "epilepsy seizure prediction EEG" に関する論文を検索して
10 件がヒットし、PMID、タイトル、出典、掲載日、被引用の列を持つ表で返りました。1 回目の呼び出しの後に Kiro がクエリの渡し方を調整して再実行していました。

出典は PubMed、Europe PMC、PubTator3 で、撤回された論文は除外したと注記されていました。並び順は関連度スコア順です。被引用が数十件ある 2021 年から 2024 年の論文と、被引用がまだ付いていない 2026 年 8 月掲載の新着が同じ表に並びます。なおタイトルは末尾が省略されていました。CLI の health で unavailable だった Semantic Scholar は、この回答でも利用不可と示されていました。
まとめ
uv tool install biomcp-cli で CLI を入れ、mcp-config が出力した設定を .kiro/settings/mcp.json に登録しました。これで Kiro のチャットから BioMCP を使えるようになりました。
おわりに
当方 BioKiro を生み出すことを目的としているのですが、ステアリングファイルが煮詰まれば完成するかもしれないです。









