全社共通の理想だけでは語れない。EVP を階層化する

2022.01.12

こんにちわ。従業員体験( EX )  の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。

企業が従業員に提供する価値である EVP ( Employee Value Proposition )ですが、その魅力は組織レイヤーにあることもあれば、現場レイヤーにあることもあります。外部からみると「その企業が提供する従業員価値」ではありますが、実際に入社後に体験するのはむしろ自身に近い範囲特有の内容が色濃くなります。そこで EVP を階層ごとに分類します。

階層化 EVP

Organization EVP

集合している人たちのイラスト(会社員)

組織レイヤーにある EVP です。

例えば、

  • 全社カルチャー
    • 経営理念
    • Mission / Vision / Value
  • 全社としての事業内容
    • 複数の事業全体でみたときの特徴、ビジネススキームなど
  • 全社としての労働環境
  • 報酬
    • 給与
    • 賞与
    • 評価による昇給条件
  • 福利構成

などです。

Team EVP

チームでプログラミングをしているイラスト

チームレイヤーにある EVP です。 便宜上チームと記載しましたが、実際は様々な主体があるでしょうし、1つの組織内に「事業部・部門・グループ」など複数のチーム階層があるでしょう。事業部、部門等の配属単位のチームもあれば、プロジェクト、タスクフォース等の目的軸のチームもあります。

例えば、

  • チームミッション
  • チームカルチャー
  • チームが受け持つ事業内容
  • チームとしての労働環境
  • マネージャーによる支援

などです。

チームカルチャーには2種類あります。

1つ目は、全社で掲げているカルチャーの実現度に応じた状態です。全社で掲げたカルチャーを100点満点で実現している部門もあれば、20点の部門もあるでしょう。また、カルチャーの要素は1つではないため、それぞれの要素に対して各チームごとに実現度は異なるでしょう。

2つ目は、全社カルチャーに加えて存在するチーム独自のカルチャーです。例えば、大きな組織ですでにマーケットフィットして安定している事業を持っている部門と、新規事業を持っている部門では必要となるカルチャーの特性が異なります。

この分類において特に重要なのがマネージャーによる支援の部分です。直属のマネージャーとの仕事体験は大抵の従業員にとって重要な要素です。

Job EVP

プログラマーのイラスト

個別の職種レイヤーにある EVP です。

例えば、

  • キャリア機会
    • どのような知識、スキルを得られるか?
    • どのような業務を経験できるか?
    • ステップアップの機会が十分にあるか?
  • スキル獲得支援
    • ソフトスキル獲得支援
    • ハードスキル獲得支援
  • 同僚から得られるもの
    • 考え方
    • つながり
    • 専門的な知識、スキル
    • フィードバック

などがあります。自身の職種における力量を伸ばしていく上でどれだけ好ましい場であるか、を表す内容になります。Job EVP は大きな目的を持ち、目指すところのある従業員や、専門領域をとことん追従したい従業員にとって重要な要素になります。

まとめ

EVP を階層化してみました。一般的には1メンバーのポジションにおいては Team / Job EVP が重要になりやすく、マネージャーになると Organization EVP の重要度が上がってくるでしょう。職種によっては1メンバーでも Organization EVP が重要になります。例えば事業企画の担当や、人事などです。もちろん担当領域に関わらず、個人の好みによる差もありますが。

組織が置かれている状況によって各階層のバランスは変化します。例えば、全社としてカルチャー強化の方針を生み出して、少しずつカルチャーが浸透している状態においては

  • 全社カルチャーの理想 > チームAカルチャー
  • 全社カルチャーの理想 > チームBカルチャー
  • 全社カルチャーの理想 > チームCカルチャー

になります。一方で、全社のカルチャー浸透施策を待っていたのでは遅い、という意識から各チームが固有の文化を作り強化していた場合

  • 全社カルチャーの理想 < チームAカルチャー
  • 全社カルチャーの理想 > チームBカルチャー
  • 全社カルチャーの理想 < チームCカルチャー

という状況もありえるでしょう。ただ、この場合はもしチームA/Cの人が自分の意思以外でチームBに人事異動になった場合、 EVP の水準が一気に落ちる可能性があります。

候補者さん目線でみると、 Organization EVP や Job EVP のうち全社施策として用意されているものは採用サイトや採用ピッチを通して確認しやすいですが、 Team EVP と Job EVP のうちチームで提供されている内容については外部から確認しにくいケースが多いでしょう。面談、面接を通して確認したり、リファラルの場合に誘ってくれた知人に確認するなどが有効な確認方法でしょう。

逆に、求人企業目線でいうと Team EVP と Job EVP のうちチームで提供されている内容の発信が不足しがちなので、できるだけ表から見えるようにしたり、面談・面接の FAQ を少しずつ整備していくとよいでしょう。

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