くらめその情シス:macOS VenturaをM1 Macにクリーンインストールしてみた

2022.10.28

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こんにちは

情シス担当、アノテーションの畠山です。

今回は、10/25に公開された、macOS Venturaに関する内容になっています。

当社では、MDMとしてjamfを使用していますが、使用しているMacはほぼ全て、ABM(Apple Business Manager)に登録され、デフォルトのMDMとしてjamfを使用する設定がされているため、Venturaをクリーンインストールするための事前準備がいろいろ必要でしたが、その一連の流れをお伝えします。

はじめに

macOS Venturaは、バージョンで言うと13.0ということになりますが、Monterey(12.0)に続くメジャーバージョンアップになります。

詳しい新機能については、Appleの公式ページを参照していただければと思いますが、今回の目的は、MDMとして使用しているjamfを使用したゼロタッチデプロイ機能が、正常に動作するかを検証するにあたり、Venturaをクリーンインストールした状態のMacが必要となったことが、今回の検証が必要になった理由です。

事前に、MontereyからVenturaにアップデートインストールした場合は、MDM関連にも全く問題なかったことが確認できておりますが、初回起動時のゼロタッチデプロイ機能についても、今後納品されるMacがVenturaの可能性も考慮し、事前に検証を行う必要がありました。

Macの場合、購入時にどのバージョンのOSがインストールされているかが不明のため、いつからVenturaで納品されるかはわからないのです。

流れ

大まかな流れとしては、以下のような流れになります。

  • ABMのMDM設定の解除
  • まっさらなMontereyでインストール
  • Venturaのダウンロード
  • USBメモリにインストーラを作成
  • ABMのMDM設定を再割り当て
  • Venturaをインストール

手順

事前準備

まず、IntelMacの場合は、以下の3つのパターンでリカバリーするOSをショートカットキーで選択することが可能でした。

  • ctrl+⌘+R:そのMacでインストール可能な最新のバージョンのOSでリカバリー
  • shift+ctrl+⌘+R:そのMacが出荷されたときにインストールされていたバージョンもしくは、サポートがあるそれ以降ののOSでリカバリー
  • ⌘+R:現在インストールされているバージョンのOSでリカバリー

しかし、M1 Macでは、リカバリー時にショートカットの使用ができないため、OSを選択することができず、現時点ではMontereyで固定されています。

そのため、外部記録デバイス(USBメモリ等)にVenturaのインストーラを作成し、そこからインストールすることが必要になります。

会社のMDM配下のMacでは、セキュリティポリシーが適用されているため、USB外部記録デバイスの使用ができませんので、まずは、ABMにてデフォルトのMDM設定を解除した上で、まっさらなMontereyでリカバリーします。

Montereyで、Venturaのインストーラをダウンロード

MDM設定のない、MontereyにてVenturaのインストーラをダウンロードします。

通常のソフトウェアアップデートにて、ダウンロードし、完了すると、インストーラが自動的に開始されますが、それを実行せずに終了します。

USBメモリにインストーラを作成する

以下のコマンドをターミナルにて実行することで、USBメモリにブート可能なVenturaのインストーラを作成することができます。 (USBメモリは、16GB以上の容量が必要で、フォーマットしても構わない状態で使用してください)

sudo /Applications/Install\ macOS\ Ventura.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/<USBメモリ名>

<USBメモリ名>のところは、お使いのUSBデバイスの名前を指定してください。

USBメモリへの書き込みには、かなりの時間がかかりますので、気長に待ってください。

ABMのMDM設定を再度割り当て

USBメモリにVenturaのインストーラができましたら、このタイミングで、ABMのMDM設定を再度割り当てておきましょう。

ABMのMDM設定は、Macの初期化後のアクティベーション時に確認されますので、インストールが始まってしまうと、MDM設定は反映されませんので、このタイミングで実施する必要があります。

Venturaのインストール

実際に、Venturaをインストールを実行する前に、現在Montereyがインストールされた状態のMacを初期化する必要があります。

電源ボタンを長押しし、オプションから、復旧メニューを出します。

復旧メニューで、ディスクユーティリティを起動し、「<ボリューム名>ーDATA」のボリュームを「ー」ボタンで、削除します。

削除を選択すると、「Macを消去」の選択肢が出ますので、それを選択し、Macを消去します。

このタイミングで、Macのアクティベーションは、一旦解除され、全てのストレージが初期化されます。

再起動後、Macのアクティベーションが実施され、復旧メニューがでましたら、メニューバーの復旧アシスタントから、システム終了を選択し、シャットダウンします。

やっと、Venturaのインストール開始

USBメモリを、本体に差します。

電源ボタンを長押しして、起動ボリューム選択の中にVenturaのインストーラが表示されますので、それを選択すると、インストールが開始されます。

インストール完了後、初回セットアップが開始

インストールが正常終了すると、再起動がかかり、初回セットアップ時の言語選択画面になります。

ABMの接続確認も行われ、「リモートマネジメント」の画面に遷移できるようになり、通常通り、ゼロタッチデプロイが開始されます。

おわりに

macOSのリカバリーについては、どこかのタイミングで変更になる可能性もありますが、現時点では、M1 Macの場合は、Montereyになってしまうのは必須のようです。

特にMontereyに問題があるわけではありませんが、jamfとIntuneの統合をおこなっている場合は、Microsoftが提供する、connectorエージェントのバージョンによって、Intuneとの接続がうまくいかない場合もあるので、OSおよびSafariのバージョン管理には、特に気を配る必要があると考えています。

jamfは、Appleとの連携も素晴らしく、非常に柔軟性の高いMDMサービスですので、MDMをご検討の際は是非候補にしていただければと思います。

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