認識齟齬の作り方〜解釈の違い編

2022.01.11

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こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。

仕事には報告、連絡、相談、依頼、質問、確認などコミュニケーションが欠かせません。話し手の意図が聞き手に意図通りに伝わればよいのですが、意図通りに伝わらないいわゆる「ミスコミュニケーション」が発生しがちです。この記事ではミスコミュニケーションの原因の一つである、解釈の違いについて説明します。

物事が伝わるまでのステップ

物事が伝わるまでには以下のようなステップがあります。

解釈の違いによるミスコミュニケーション

解釈の違いによるミスコミュニケーションは発言を聞きとってから理解するまでの間で発生します。

話し手が別々の人に「同じ事実」を「同じ伝え方」で伝えたとします。しかし、聞き手が異なれば解釈がズレる可能性があります。

例えば、ある部下が性善説の上司、性悪説の上司のそれぞれに対して「今日は眠くて仕方がない」と話したとします。 性善説の上司は、マイナスの推測を込めずに「昨日遅くまで勉強していたのかな?」等の返事をします。 逆に性悪説の上司は、「どうせ夜ふかししてたんだろう?社会人としてなってない」等の返事をします。

更に、例えば性善説の上司による「昨日遅くまで勉強していたのかな?」という発言を「勉強家だと思ってもらえていて嬉しい」と捉える部下もいれば、「業務外でも勉強しろと圧をかけられた」と捉える部下もいます。

認識齟齬の防ぎ方

解釈の違いによる認識齟齬の防ぎ方には様々な方法があります。今回は3例を挙げます。

1. 背景に関わる情報を増やす

背景に関わる情報を増やす方法があります。

先程の例でいうと、伝え手である部下は「昨日は、業務に関する勉強に熱が入りすぎてついつい寝るのが遅くなってしまい、眠くて仕方がないです」と伝えることで、的はずれな推測をされる可能性を下げることができます。 逆に聞き手は背景を確認する質問をすることで、推測で決めつける前に事実を確認することができます。

仕事において背景に関わる情報を伝えることは、ミスコミュニケーションを減らす以外に Why を踏まえたやりとりができるという意味で二重に役立ちます。

2. 関係性を良好に保つ

お互いの関係性を良好にしておくと、マイナス方向への推測の飛躍を防ぎやすくなります。 「あの人がこんなことをいっている。やっぱり油断できない人だ・・・」となるか「あの人がこんなことをいっている。あの人なら理由があるはずだ。まずは理由を確認しよう」となるかの違いです。

印象の悪い相手に関する推測はどうしてもマイナスに傾きやすいものです。相手が誰でもフラットに考えることができる人もいますが、そういう人ばかりではありません。過度に攻撃的な態度をとったり、悪気がなくてもあまりにそっけない態度を取り続けるとこのあたりの悪影響を受ける可能性があります。

3. 事実と推測を分ける

話し手の発言を聞き、解釈をする過程で推測を事実のように扱ってしまっていないかを整理することで、本当かどうかわからない推測をもとにした解釈をしてしまっている可能性に気づきやすくなります。先程の例でいえば、眠いと伝えた部下はその理由をまだ話していません。推測で理由を決めつけないことで、誤認識を防ぐことができます。

おまけ - 映像に関する人の認識の違い

人が物事を認識する過程には価値観、前提、関係性など様々な要因が影響します。 映像の認識に関して私が変わった特性を持っているのでご紹介します。

私はアファンタジアという特性を持っています。目をつぶって心のなかで映像をイメージすることができません。 例えば、頭の中でりんごを思い浮かべてと言われても何も思い浮かびません。そこにあるのは暗闇のみです。 寝るときに「羊が1匹、羊が2匹・・・」と柵を飛び越える羊を思い浮かべることはできませんし、両親や妻子の顔を思い浮かべることもできません。

こういった特性があるので、人の顔を覚えることや物の大きさの差を把握することが苦手です。しかし、アファンタジアの存在を知らない人からみて「人の顔をなかなか覚えない失礼な人だ。人への関心がないに違いない」といった解釈が発生するかもしれません。

最近アファンタジアの本が発売されたので関心のある方はこちらをどうぞ。人口の数%程度はいるようなので周りに自覚のないアファンタジアの友人・知人がいるかもしれません。

アファンタジア: イメージのない世界で生きる / Amazon

なお、この特性は病気ではないですし、人の特性の一つでしかないという認識なので特に悲観したりネガティブに捉えていません。

まとめ

コミュニケーションは組織活動における血管であり、スムーズに流れてこそ業務がうまく回ります。自分の伝えたいことが本当に伝わっているか、確かめてみましょう。

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