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[2026年9月30日号]個人的に気になったModern Data Stack情報まとめ
さがらです。
Modern Data Stack関連のコンサルタントをしている私ですが、Modern Data Stack界隈は日々多くの情報が発信されております。
そんな多くの情報が発信されている中、この2週間ほどの間で私が気になったModern Data Stack関連の情報を本記事でまとめてみます。
※注意事項:記述している製品のすべての最新情報を網羅しているわけではありません。私の独断と偏見で気になった情報のみ記載しております。
全般
分類モデル「Jev」をSQLから利用する動き
DuckDBとMotherDuckのブログで、TypeSafe AIが開発した分類モデル「Jev」 をSQLから利用する方法が紹介されました。
Jevは自由な文章を生成するモデルではなく、入力データと質問に対して、真偽の判定、候補からの選択、段階的なスコアといった構造化された結果を返します。例えばDuckDBのコミュニティ拡張では、WHERE jev(person, 'the name is European')のように、自然言語による判定を既存のSQLに組み込めます。MotherDuckもprompt_jev()を使った大量のテキストデータの分類例を公開しています。
「自然言語からSQL全体を生成する」というより、SQLで処理しにくかった文章の判定を、SQL内の関数として扱うところが面白いですね。一方、DuckDB側の記事では、紹介している拡張機能が行データを外部APIに送信すること、提供初期段階のものがあることにも注意を促しています。機密データで試す前には、この点を確認したいところです。
また、Databricksはオープンウェイトの「SemIf-OpenJev」をDatabricks上で実行する方法を紹介しました。公開されたノートブックを使ってモデルをServerless GPU上にデプロイし、作成したModel ServingエンドポイントをSQLのai_queryから呼び出す構成です。記事では、ホテルのレビューを「良い」「悪い」に分類し、判定結果と各選択肢の確率を取得する例が示されています。
DuckDBのコミュニティ拡張やMotherDuckのprompt_jev()とは異なり、こちらはオープンウェイトのモデルを自分のDatabricks環境にデプロイして利用する方法です。単に「DatabricksにもJev関数が追加された」という発表ではない点は押さえておきたいです。
OmniもJevを使った商品分類の検証結果と機能追加の方針を公開しています。また、SigmaはMotherDuckに接続したワークブックからJevを利用する例を紹介しています。ただし、各社の記事が示しているのはそれぞれ異なる利用・連携方法であり、Jevの機能が同一仕様で各BI製品に一斉提供された、という意味ではありません。
Data Extract/Load
Fivetran
コネクションのcronスケジュールがベータに
Fivetranのコネクション同期を、1つ以上のcron式でスケジュールできる機能がベータになりました。
固定間隔での同期だけでなく、例えば業務時間外に同期時刻を寄せるといった設定がしやすくなります。既存の同期スケジュールを細かく調整したい場合に便利そうです。
Data Warehouse/Data Lakehouse
Snowflake
Streamlit in Snowflakeアプリの外部ページへの埋め込みがGAに
Streamlit in Snowflakeのアプリを、外部ページに<iframe>で埋め込む機能がGAになりました。管理者が埋め込み先のドメインを登録し、バックエンドからREST APIで短時間有効な埋め込みURLを発行する構成です。
Snowflakeアカウントを持たない閲覧者向けと、Snowflake上の権限を持つ閲覧者向けの2つの方式があります。URLの発行にはUSAGEに加えてEMBED権限が必要で、提供対象は商用リージョンです。社外向けポータルへの組み込みなど、利用シーンが広がりそうです。
BigQuery
集約関数の中でWHERE句を指定できる機能がプレビュー
BigQueryで、集約関数の呼び出しの中にWHERE句を書き、その集約に使う行だけを絞り込めるようになりました。2026年9月14日のリリースノートで発表されたプレビュー機能です。
例えば、季節ごとの平均降水量を比較する場合、以下のように集約関数ごとに条件を指定できます。
SELECT
AVG(inches WHERE season IN ('spring', 'summer')) AS warm_seasons_avg,
AVG(inches WHERE season IN ('fall', 'winter')) AS cool_seasons_avg
FROM precipitation;
通常のWHERE句がクエリ全体の入力行を絞り込むのに対し、この書き方では同じ行集合から、条件の異なる複数の集計値を取得できます。条件付き集計を記述する際の選択肢が増える、SQLとして使い勝手のよいアップデートだと思います
Databricks
Lakebase SearchがGAに
Databricksが、Lakebase Postgres向けの検索機能「Lakebase Search」をGAとして発表しました。lakebase_vectorによるベクトル検索と、lakebase_textによるBM25の全文検索を提供し、両者を組み合わせたハイブリッド検索にも対応します。
業務データを扱うPostgres上で検索まで完結させ、検索用の別システムへのデータ複製を減らせる点が特徴です。発表時点のGA対象として、AWSとAzureが挙げられています。
Row Zeroを買収
Databricksが9月24日、DWHのデータをスプレッドシート的に利用できるソフトウェアを開発するRow Zeroの買収を発表しました。
DatabricksのAI coworkerであるGenieに、スプレッドシート形式でデータを探索・モデリング・共同作業できる体験を取り込む方針です。発表では、Genie Ontology、Unity Catalog、Unity Gatewayを基盤とする、監査可能でガバナンスの効いた利用を打ち出しています。
Data Transform
dbt
dbt Summitで製品アップデートを発表
dbt Summitが2026/9/15~2026/9/18に開催されました。
このイベント開催に伴い、以下の新機能が発表されました。
- dbt State(GA):ウェアハウスのメタデータとモデルの変更を確認し、ビルドの実行・スキップ・再利用などを判断する機能。dbt Labsはウェアハウスのコンピュート利用について、平均15〜30%以上の削減効果を説明しています
- Lake Compute(プライベートベータ):DuckDBベースのSQLエンジンでApache Icebergテーブルを処理。モデル単位で利用する計算エンジンを選べます
- dbt Wizard(パブリックプレビュー):dbtプロジェクトを踏まえて作業するAIエージェント。CLIはパブリックベータ、Desktopはプライベートベータとして紹介されています
- dbt Charts(パブリックベータ):コードで管理することを前提としたチャート・ダッシュボード機能
- Fivetran Context Layer(プライベートベータ):構造化・非構造化データを、AIツールが利用するコンテキストにつなぐ構想
Rustベースのdbt v2がGAに
9月16日、旧「dbt Fusion engine」を基盤とするdbt v2がGAになりました。
Rustベースの新しいエンジンでは、生成したSQLをローカルで理解し、ウェアハウスで実行する前にコード上の問題を検出できるようになります。また、プロジェクト情報をParquetファイルで扱う「dbt Information Schema」なども追加されています。従来のdbt v1から、開発時の検証方法や内部構成が大きく変わるリリースです。
「dbt」と「dbt OSS」の違いについて
v2のGAに伴い、旧dbt Fusion engineは「dbt」、旧dbt Core v2は「dbt OSS」と呼ばれるようになりました。
両者は基盤を共有しますが、配布形態とライセンス、利用できる機能に違いがあります。dbt Labsは、多くの利用者には無料でローカル導入できる通常の「dbt」を推奨する一方、Apache 2.0ライセンスのOSS実装が必要な場合には「dbt OSS」を選ぶよう案内しています。
Business Intelligence
Tableau
Dreamforce 2026が開催されました。
このイベントのTableau Keynoteについて、Tableau Ambassadorの方による詳細な感想記事が公開されていました。記事では、次の4つの機能を軸に、発表された方向性が整理されています。
- Tableau Studio:AIとの対話と従来の可視化操作を組み合わせる分析環境
- Tableau Data Apps:分析結果をアプリとして作成・共有する方向性
- Proactive Intelligence:変化や重要な情報を、利用者から質問される前に届ける方向性
- Tableau Knowledge:組織の指標や業務上の文脈を、信頼できる知識として扱うための基盤
Lightdash
検証済みコンテンツの承認・所有者管理を強化
個人スペースにあるチャートやダッシュボードをレビューに出し、承認後に共有スペースの検証済みコンテンツへ昇格できるようになりました。重複候補の表示やダッシュボードの所有者設定、検証済みコンテンツの検索・編集権限制御も追加されています。





