[レポート] Lookerセッション:組み込み型分析プロダクトの収益化 – Looker: BEACON Japan 2020 #BeaconJapan

2020.09.23

Looker社によるロードマップ、顧客事例、パートナー企業によるセッションが堪能出来るデジタルイベント『BEACON Japan 2020』が2020年09月03日から2020年09月24日までの毎週木曜日、計4日間に渡り開催されています。

当エントリでは、その中から2020年09月10日に発表された「Lookerセッション:組み込み型分析プロダクトの収益化」のレポートをお届けします。

目次

 

セッション概要

公式ページで紹介されているセッションの概要情報は以下の通りです。

Lookerセッション:組み込み型分析プロダクトの収益化

登壇者:
・西見 麻利子 - Looker 事業本部 カスタマーエンジニア, グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

発表内容:
Looker の特長のひとつである組み込み分析は、ダッシュボードやレポート機能だけではなく、データの価値を向上させ新しい収益を生み出します。本セッションでは、組み込み分析がどのようにビジネス戦略に貢献できるのかご説明します。

 

セッションレポート

ここからは、当日に公開されたセッションの内容についてレポートします。

イベントのセッション動画については下記リンクにてアクセス可能です。

 

収益化戦略

分析の収益化とは?

最初に、全体的な収益化戦略について説明します。

なぜ、私達のお客様がこれらの分析プロダクトを収益化しているのか、幾つかの業界におけるトレンドについて話し、その後これらの収益化に価値をもたらすLookerが持つ機能について掘り下げていきたいと思います。

まずは「分析の収益化とはなにか」についてです。

これは、皆さんが収集しているデータを新しい通貨として考えることです。これは「データには価値がある」という考えに基づいており、皆様の顧客にとってもデータには計り知れない価値がある、とする考え方です。分析プラットフォームを作ることで、提供しているデータの価値を高めることが出来るかも知れません。結果、(Lookerを使って価値を提供する)皆さんにも価値をもたらす事になります。

この「データプロダクト」を効果的に利用する事ができれば、皆さんの収益の原動力となります。またコスト削減も可能にし、最終的な利益に影響を与えることが出来ます。

業界のトレンド

幾つかのお客様に見られるものとしては、とても「エンドユーザードリブン」なものになっています。エンドユーザーはプロダクトとのインタラクティブなやり取りに高い期待を持っており、業界標準になってきています。多くの業界では製品を差別化するツールとして分析が利用されており、エンドユーザーはソフトウェアやツールを選択する際に多くの期待を寄せています。

収益化されるアナリティクスを提供する理由

ではなぜこれらの分析を提供するのか。幾つかの項目を要約したものが以下となります。

  • 追加の収益源を構築し、コストを削減
  • セルフサービス分析の提供を簡素化して拡大させる
  • 分析をビジネスワークフローに組み入れる
  • 製品の採用率と牽引力を高める
  • 長期にわたる顧客ロイヤルティを育成する

データソリューションに何を求めるべきか

実際に分析プロダクトの裏側にあるデータソリューションを探すとき、何を求めるかというのは重要です。フォーカスしたいのは「開発のライフサイクルを加速させる」ものです。

  • 何らかの形でモデル化されたデータを持っておくことで、バージョン管理された信頼出来る唯一の情報源(Single Source of Truth)を持つことでプラットフォーム上で早く・正確な情報をエンドユーザーに届ける事が出来るようになります。

  • 懸念点の分離に関しては、様々なグループに異なる種類の委任責任を与え、それらを隔離しておくことです。ドライバー管理やその他特定のDBインタラクション、キューイング、クエリプーリングや、特定のタスクに対する複数のクエリの調整、タイムゾーン変換など、チームがそれらをエンドユーザーに レポートするにはとてもマニュアルな作業となりがちですが、分析サービスのもとにあるソリューションの一種として、抽象化する事ができます。

  • 簡単にアクセス出来るデータは、例えばユーザーが分析ポータルにログインして質問し、すぐに答えが得られるような高度なインタラクティブな分析を提供することが出来ると、ユーザーの粘着性を高めることに繋がります。

  • 柔軟なアーキテクチャは、クライアントにデータを公開するとき、 クライアントとその製品を利用するとき、クライアントはそれぞれ異なる期待を持っているはずです。そして皆さんは彼等のニーズに追いついておく必要があります。クライアントに公開して収益化したいデータ製品の裏側で、柔軟なアーキテクチャを持つことはクライアントのニーズに応え、それによってクライアントをハッピーな状態に保っておくことに繋がっていきます。

完璧なソリューションのための柔軟な開発者向けツール

分析ソリューションの範囲でLookerが提供するものをご紹介します。

このスライドでは、左側のものが一番簡単にセットアップ出来るもので、右に行くに連れて全体的にカスタマイズが必要となってきます。

一番左の「LookerのOEMソリューション」は、最速で価値を届ける・価値を生む事が出来るもので、最小限のアプリケーションの見た目のカスタマイズを提供します。OEMソリューションのキーはユーザーがLookerそのものにログインする、ということです。OEMソリューションを利用すれば、皆さんの組織の中で、外部公開用ポータルの開発チームをわざわざ持つ必要はありません。

次の項目「iframe embed(+API)」これはもう少しカスタマイズが可能となるものです。クライアントにLookerに直接ログインさせるのでは無く、自社で開発したアプリケーションからログインさせて、自社でビジュアリゼーションやスケジューラを開発する替わりに、そのポータル内にiframeを埋め込む方法です。この方法は、とても迅速に価値を発揮することが出来、事前に作成したダッシュボードやレポートなどのLookerのコンポーネントを既に構築済みのアプリケーションに組み込み、見た目等を更にカスタマイズする事が出来ます。

3つ目の項目「Extension Framework」。このアイデアは、開発者がLookerの中で自分のアプリケーションを構築出来る、というものです。例えば、Lookerアプリケーションを持っていた場合、閲覧/エクスプローラ/開発タブがあり、更にカスタムアプリケーションを使って[アプリケーション]というタブを作りたいとします。「Extension Framework」を使うと、Looker SDKと再利用可能なコンポーネントでこれを実現する事が出来ます。完全にスクラッチで作るよりも、早期に価値を実現する事が出来、Lookerアプリケーション内で多くのカスタマイゼーションを提供します。

最後の項目「フルスタックのデータアプリ(APIドリブン)」。このエリアは、ソリューションの中でiframeを使わないものです。Lookerを、完全に「データベースの上にあるAPIレイヤー」として利用することで、フロントエンドで好きな形でレンダリングすることが出来るようにします。純粋なAPIコールで取得したデータを、好きなビジュアリゼーション(可視化)ライブラリでレンダリングすることが出来るようになります。

OEMを選んだとしても、フルスタックのデータアプリケーションを選んだとしても、ライフサイクルのあらゆる段階で何かしらのソリューションを提供し、そのデータ製品で素早く利用開始出来るようにします。更にカスタマイズやダウンロード等の手段も提供します。

分析を収益化するための一般的なフレームワーク

次に「分析を収益化するための一般的なフレームワーク」についてです。

まずは、ユーザーが好きな、良く利用する価値のある要素を決めて、ユーザーを階層化するところから考えます。価値のある要素を考えるとき、例えばこのサンプルでは顧客に提供する過去のデータの期間と、アプリケーション内で彼等がアクセス出来るデータの粒度の2つがあります。

これら2つの項目で、例えば青いエリアのユーザーはフリーバージョン、赤いエリアのユーザーは安いバージョン、ベストの黄色いエリアのユーザーにはフルプレミアムなオファーをすることを考えます。フリーのユーザーは何らかの集計済みの6〜11ヶ月分の過去データにアクセス出来ますが、もしプラットフォームの料金を払えば12〜23ヶ月の過去データにアクセスができて、行レベルの詳細データにアクセスしてドリルダウンをする事も出来るようになります。更にプレミアムプランを契約すれば、24ヶ月以上過去のデータにアクセス出来、行列レベルの詳細データを探索することが出来るようになります。

これは、ユーザー層がどのようなユーザープリファレンスを持っているか、及びそれらの違いをどのように考えたいか、データ提供について考えはじめるための方法です。それ以外の一般的な要素として、アドホック分析とデータアクションがあります。上記スライドの3行目・4行目の情報です。

アドホック分析では、フリーユーザーには静的レポートを提供し、2番目と3番目のユーザーにはセルフサービスレポートや完全なレポート作成機能を提供します。またはスケジューラやデータを保存したり、任意のポイントにデータを送信するためのアクションの機能を提供します。カスタムデータをSlackに送信したり、Twilioによってカスタマイズしたテキストメッセージを送信出来るようにすることも出来ます。

収益化と利用状況に関する洞察

これらのフレームワークによって、分析プロダクトを公開すると、ユーザーがどのように分析プロダクトを利用しているのかを把握する必要が出てきます。 Lookerは、「Looker on Looker」といってLookerの上にLookerが搭載されているので、ダッシュボードと探索のための「エクスプローラ」がシステムアクティビティとして利用出来るようになっています。ここではユーザーアクティビティ、コンテンツアクティビティ、パフォーマンス監査について説明していきます。

ユーザーアクティビティでは、簡単に「何人のユーザーがLookerプラットフォームにログインしているか」「彼等が良く見ているのはどのダッシュボード・Lookなのか」「彼等はデータをドリルダウンしているのか、データ探索しているのか」「どの様にデータをインタラクションしているのか」といったことを把握することが出来ます。また、これらのユーザーをどのように階層化するか、という収益化のフレームワークを組み立てる情報として役に立てることが出来ます。

同じ様に、コンテンツアクティビティでは、ユーザーが自分のレポートを使うためにどのエクスプローラを最も多く利用しているのか、どのダッシュボードをスケジューリングしているのか、ということが分かります。

Looker on Lookerでは、これらの機能がどの様にデプロイされているのか、収益化のためにもっと機能を追加するべきか、機能を取り払った方が良いのか、ということをより理解するために活用する事が出来ます。

 

収益化のための機能

次のセクションでは、収益化のための幾つかの機能についてご紹介します。

データのエクスポートとダウンロード

まず最初は「データのエクスポートとダウンロード」の機能です。

Lookerにログインすると、管理者は沢山のリッチな機能にアクセス出来ます。これらの個々の機能を見たとき、これらをどの様に階層化したら良いのかを考えると思います。1つの価値の高いユースケースとして、「データエクスポートとダウンロード」があります。例えば、プレミアムの階層として作成したユーザーには、LookerダッシュボードでPDFやCSV等のデータをダウンロードする機能を与えます。これにより、事前に集計済のデータを個別に利用出来るような様々な柔軟性を提供します。

スケジューリングとアラート

次に「スケジューリングとアラート」です。

スケジューリングとアラートは、特にiflame組み込み分析を用いる時に大きな付加価値となります。Lookerスケジューラを利用すると、ソリューション内でスケジューラやデータ配信サービスを開発する必要が無くなります。皆さんのデータプロダクトにLookerダッシュボードまたはLookを組み込んで、ユーザーがデータ送信やスケジューラを選ぶと、以下の様なスケジューラが立ち上がります。このデータの送信先にはカスタムエンドポイントを追加できるので、もしかすると特定のクライアント向けにカスタムアクションを開発して提供し、且つそれを収益化出来るかも知れません。顧客がこれらの機能にアクセス出来るようにすることで収益化し、更に体験をリッチにすることで、顧客のサービスへの吸着力を高めることが出来かも知れません。更にプロダクトのアプリケーションチームが1からスケジューラを開発して提供するワークフローを取り払うことが出来ます。

データの探索

次は「データの探索」です。これはLookerのエクスプローラはLookerの中心となる機能です。

エクスプローラは、ユーザーがログインして統制された指標を選択することでレポートを作成することが出来る機能を提供します。例えば最初にダッシュボードやレポートを提供し、プレミアムユーザーにはこのエクスプローラを公開することで独自のレポートを作成・保存することが出来るようにし、スケジューラを利用すれば別のエンドポイントにレポートを送信する事も出来るようになります。

カスタムビジュアリゼーション

次は「カスタムビジュアリゼーション」です。

一つ前の「エクスプローラ」セクションでは、ユーザが独自のクエリを走らせて、自分でビジュアリゼーションを選ぶことが出来ましたが、Lookerでは独自の「カスタムビジュアリゼーション」を追加することが出来ます。これらはJavascriptのビジュアリゼーションでプレミアムの機能として提供することも出来ます。ユーザーが「サンキーダイアグラム」や「カスタマイズされたヒートマップ」を利用したいといったらこれらのビジュアリゼーションを皆さんで開発することが出来、プレミアム階層機能としてLookerアプリケーション内で提供することが出来ます。Lookerではこれらをd3.js等で動くビジュアリゼーションライブラリとしてカスタムビジュアリゼーションを開発し、Lookerアプリケーションの中にこれを組み込むことが出来ます。

アクション

次は「データアクション」です。

ここでは、Looker内にホストしているオープンソースのAction Hub APIで作られた「マーケティングの自動化とメッセージング」から「アプリケーションプロセスの自動化」までのアクションの一覧が確認出来ます。

  • 「マーケティングの自動化」では、ユーザーのセグメントとコホートが作成出来、これらのセグメントに対するメールやマーケティングキャンペーンを自動化することが出来ます。Lookerインスタンスを有効化すれば利用することが出来、収益化の仕組みを顧客に公開することが出来ます。
  • 「IT、データストレージ、管理」では、例えばデータセットをAWSやGoogle Storageに送信することが出来ます。またインスタンスを起動・停止する事も出来ます。
  • 「データサイエンスと機械学習」では、Lookerを"迅速に情報を集計するデータプラットフォーム」として利用出来、これらの集計結果のデータを機械学習モデルやカスタムアクション環境に送信する事が出来ます。
  • 「プロダクト管理とコミュニケーション」では、例えばJIRAに課題を作成し、バグを報告したり、オープンチケットを更新して、Slackのようなチャットルームにデータを送信することが出来ます。
  • 「アプリケーションプロセスの自動化」では、trayやzapier等にWeb Hookでペイロードを送信することで別のカスタムアプリケーションのデータフローを動かすことが出来ます。

新しいオファリングをすばやく作成する

新しいオファリングの作成についてです。これは、Looker Blocksとしてお馴染みかと思います。データプラットフォームとしてのLookerのコアとなる差別化要因は、データ定義レイヤーであるLookMLレイヤーです。これらのLookMLレイヤーはLookerが接続しているデータソースによって事前にテンプレート化することが出来ます。

まず、分析ブロックスのテンプレートがあります。

また、SalesforceやZendesk等から来るデータに対しては「ソースブロックス」があります。 コホーティング、アトリビューション等の特定のタイプの分析を行う「データツールブロックス」やカスタムビジュアリゼーションの「ビジュアリゼーションブロックス」、また、カスタムアプリケーションに埋め込むための「埋め込みブロックス」があります。

ブロックスを利用する事によって、分析プロダクトの開発をする時にクライアントが異なる分析パターンを要求してきたり、別のソースが必要となった時に開発チームの手をあまり掛けずに迅速にクライアントに対して価値を提供することが出来ます。

再利用可能なこれらのブロックスは、分析プロダクトをユーザーに提供するにあたり、非常に重要なものになります。

REST API

最後はRESTful APIです。

アプリケーションとしてのLookerは、データベース上に位置する非常に強固なAPIレイヤーを持っており、ダッシュボードやクエリを呼び出すための全てのAPIを公開しており、どの様な管理タスクにも対応しています。一般的なユースケースとしては、スライドの下の方にありますが、例えばデータベース接続の管理、保存されたLookやクエリ等のコンテンツに関するメタデータの取得、前のスライドでも説明したWebポータルやアプリケーションのカスタマイズを行う事も出来ます。

このRESTful APIレイヤーがもたらす価値は、インスタンス上の様々なことを自動化、プログラム化出来ることです。このプログラムによって、プロジェクトやモデルを管理出来たり、様々なデータサイエンスとのインテグレーションを簡単に行うことが出来ます。まあ、Webポータルサイト内でiframe以外で開発者が事由にデータを表現する事も出来るようになります。

 

まとめ

という訳で、Looker:BEACON JAPANの『組み込み型分析プロダクトの収益化』セッションに関するレポートの紹介でした。

このセッションでも分かる通り、Lookerでは様々な「収益化のための仕組み」が提供されています。最大限活用していきたいところですね。