各AWSリージョンとのネットワーク遅延を計測したい

AWSリージョンとのネットワーク遅延を計測するツールのご紹介です。
2022.02.11

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AWSは世界各地にデータセンターを集積したリージョンが存在します。

日本国内であれば、東京と大阪の2リージョン、北米であれば米国東部 (バージニア北部)を含む7リージョンなど、世界で26のリージョンが存在します。

https://aws.amazon.com/about-aws/global-infrastructure/ から

これだけ多くのリージョンが存在すると、インフラを構築するリージョンによって、レイテンシーがどう変わるのか気になりますね。

そこで

  • クライアントとリージョンとの通信の遅延
  • リージョン同士の通信の遅延

を計測するツール・サービスを紹介します。

クライアントとリージョンとの通信の遅延

ウェブサイトに接続し、クライアントとAWSリージョン間の遅延を計測します。

AWS Global Accelerator Speed Comparison tool

1つ目は、AWS公式の AWS Global Accelerator Speed Comparison tool です。

https://speedtest.globalaccelerator.aws/#/

※ ドイツから計測

本ツールは、本来はネットワークの可用性とパフォーマンスを向上させる AWS Global Accelerator の効果をシミュレートするツールです。

サイトにアクセスし、「Start」ボタンを押すだけで、各リージョンへの

  • 素の通信時間(Direct over internet)
  • Global Acceleratorを利用した通信時間

を計測できます。

参考 : AWS Global Accelerator を導入するとざっくりどのくらい速くなるの?手軽にシミュレーションできるWebツールができた | DevelopersIO

AWS Ping Test

2つ目は AWS Ping Test (Latency) です。

https://cloudpingtest.com/aws

※ ドイツから計測

サイトにアクセスすると計測が始まり、各リージョンに対して順に ping を実行し、最小、最長、平均、中央、個別の ping 時間を計測できます。

AWS Cloud Ping Speed Test

3つ目は AWS Cloud Ping Speed Test です。

https://www.cloudping.cloud/aws

※ ドイツから計測

サイトにアクセスし、「HTTP Ping」ボタンを押すだけです。

各リージョンのEC2との通信をもとに、ネットワーク遅延を計測します。

リージョン同士の通信の遅延

AWS Latency Monitoring

リージョン間通信の遅延を計測したい場合のツールが AWS Latency Monitoring です。

https://www.cloudping.co/grid

ping のラウンドトリップ時間を定期的に計測しており、直近の期間をもとにした Percentile の値を表示します。

2022年2月10日の過去1日の50thパーセンタイルの場合、以下の通りです。

  • 東京 - 東京 : 3.71 ms
  • 東京 - 大阪 : 9.27 ms
  • 東京 - オレゴン(アメリカ西海岸) : 101.19 ms
  • 東京 - バージニア北部(アメリカ東海岸) : 146.81 ms
  • 東京 - フランクフルト(ヨーロッパ大陸) : 224.98 ms

直感通りですね。

注意

今回紹介したツールはあくまでも簡易的に遅延を把握するためのものです。

より精緻に把握したい場合は、各リージョンにインフラを構築した上で、実際の通信プロトコルで計測ください。

それでは。