強くてニューゲームなふりかえりの方法
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
以前、個人のふりかえりについて扱いました。
このとき紹介したのとは別のアプローチの個人のふりかえりとして「強くてニューゲームなふりかえり」を紹介します。
強くてニューゲームなふりかえりとは?
「強くてニューゲームなふりかえり」とは、現在の経験と知識を元に過去をふりかえる手法です。
現在の強い状態で過去の出来事にさかのぼって考えるから「強くてニューゲームなふりかえり」です。
ここでの過去とは、直近の過去ではなく、一定上放れた過去です。
例えば、通常のふりかえりだと
- 週末に行う週次のふりかえりなら今週頭から今週末
- 月次のふりかえりなら今月頭から今月末
- プロジェクト完了後のふりかえりならプロジェクトの開始から終了
が対象です。しかし、「強くてニューゲームなふりかえり」では
- 過去の任意の時期のできごと
が対象です。
強くてニューゲームなふりかえりの方法
- 思考を深めたい領域を選定する
- 前提として、体験した時期よりも対象領域に対する知識を多く持っていること
- 対象領域に関する過去の出来事を思い返す
- 対象の出来事に対して思考を深めたい部分について分析をする
- 対象の出来事に対して思考を深めたい部分について、もし今ならどうすることができたかシミュレーションする
強くてニューゲームなふりかえりの利点
体験した時点では見えなかった目線、知識を元に過去をふりかえることで、過去の経験に新たな意味を与えることができます。
- あのとき問題が発生したのは、あれが原因だったのだろう。今ならばわかる
- 今なら、あの場面でこうすることで解決できただろう。今なら予想がつく
という具合です。
人は単に座学で得た知識よりも、経験に紐付いた「経験知」のほうが身につきやすく、記憶に定着しやすいと考えています。
また、物事によっては経験機会自体が多いとは限らないことや、即試せるとは限らないことがあります。例えば、組織のトラブルなどは意図的に経験することができません。
その場合、過去の出来事から知見を得るのは有効な選択肢です。また、人の脳は参照時に参照するだけではなく更新されます。そのため過去の出来事に新たな意味付けをすれば、その意味付けとともに更新されることになります。
例
私は場合、ウェブエンジニアの領域から人事領域に転身しました。
転身から3年経ち、毎日実務と業務外の学習で知識を身につけた今、改めて過去関わった組織課題をふりかえると当時見えなかった原因と結果の関連が見えてきます。その結果、物事の原因と結果に対する経験知のバリエーションを増やすことができます。
まとめ
「強くてニューゲームなふりかえり」についてまとめました。
新しい知識を得たとき。新しい観点を得たとき。
過去をふりかえると新たな発見があるかもしれません。
おまけ
この発想は、ゲームで任意の事象を発見したとき、それを横展開して他の様々なケースに対して可能性を検討することで、新たな発見をするという経験を思い出してのものでした。ゲーム文脈での発想ということで、命名もゲーム文脈のものにしたのです。
そのゲームをやっていない人にはさっぱりわからないと思いますが、例えば
- 連続技を叩きつけ属性の技で〆たあと、相手が受け身を取ると投げられ判定がでたままになるタイミングがあり、通常は投げることができないタイミングで攻撃側が一方的に相手を投げることが可能になる
という事象を発見したことがありました。
検証した結果、低空で叩きつけ属性の技で〆た後のみ、この事象が再現することがわかりました。
あとは、この現象が活かせる場面を虱潰しに調査すると、現象を有効活用できる場面が複数見つかりました。
今まで観点を持っていなかった状態では見つけられなかった物を見つけることができるようになっているわけです。
この発想を抽象的に捉えて、ふりかえり領域に横展開したのが今回の「強くてニューゲームなふりかえり」になります。