新制度になった基本情報技術者試験を受験してきた体験・感想まとめ
2023年4月から、基本情報技術者試験が大幅に変更されました。新制度の試験を受験してきましたので、感想や対策などをレポートします。
どのように変更されたのか
1.通年で受験できるようになった
CBT方式での実施に統一されたため、以前は春期・秋期の年2回しか受験チャンスがなかったのですが、年間を通していつでも受験できるようになりました。(ただし1度受験して次回受験できるのは1か月後)
2.受験科目名が変わった
午前試験・午後試験という名称から、科目A試験・科目B試験に変わりました。
また、以前は午前試験・午後試験を別々の日に受験することが可能でした。また午後試験を先に受験してから別日に午前試験を受験する、ということも可能だったようです。しかし新制度になってからはA試験・B試験同日に受験しなくてはいけませんし、A試験でダメだったからB試験は受験せずに帰る、ということはできません。
3.試験時間が変わった
科目A試験(旧:午前試験)の問題数が80問→60問になり、試験時間が150分→90分に短縮されました。
科目B試験(旧:午後試験)は大問形式から小問形式から、全問必須回答、全20問となり、試験時間が150分→100分に短縮されました。
4.B試験(旧午後試験)出題内容が大きく変わった
アルゴリズム問題と情報セキュリティの2分野のみとなります。また割合としてアルゴリズムが8割、情報セキュリティが2割程度の出題です。
旧午後試験で11問中5問を選択して回答する選択問題(必須回答もあり)の中に、個別のプログラム言語の問題がありましたが、これが廃止され、B試験では疑似言語に統一されました。平成21年の試験制度変更で、利用者側と開発者側両方をカバーする試験とするためにプログラム言語の選択数が2問から1問になり、表計算が追加されました。これにより一旦はプログラミングのウエイトが減りましたが、今回の大幅改変では科目B試験がほぼプログラミング問題になるなど、再度プログラミング能力を重視した試験形式に戻っています。
5.採点方法
新制度ではIRTという採点方法が適用されます。
この採点方法では、問題ごとの明確な配点がなくなり、その代わりに難易度や回答者の状況で点数が調整されます。IRTで採点されることで、難易度の高い問題は高得点に、難易度の低い問題は低い点になることで公平な採点を実施できます。これにより、簡単な年度に当たってラッキーで合格する可能性や、逆に難易度の高い年度に当たって不合格になってしまう可能性が低くなり、これまでより公平に合否が決まります。
実際に受験してみて
1.A試験(旧午前試験)
上記にも書きましたが、旧試験→80問150分、新試験→60問90分になりました。
1問あたりで換算すると、旧試験は1問1.875分あったのに対し、新制度になってからは1問あたり1.5分となり、これまでよりも早く問題を解く必要があります。
・・・ですが、過去問から出るという傾向は今までと変わらず、A試験対策をしっかりしてきた方には特に試験時間が足りなくなる、ということはないと思います。実際私もだいぶ早く終わりました。早く退出することもできましたが、何度も見直しするため、と、B試験のために頭を休めるために時間いっぱい使いました。
2.B試験(旧午後試験)
B試験に関してはA試験のように過去問から出るということはないため、しっかり対策をしていかなくてはいけません。
①アルゴリズム 疑似言語問題
受験した感想としては、サンプル問題に準じた問題が出題されたと感じました。サンプル問題を楽勝で解けた方は、そこまで迷わなかったのではないでしょうか。しかしながら、そもそもの試験時間が短縮されたので、様々なアルゴリズム問題を素早く正確に解く必要があります。
私はIPAが出しているサンプル問題と、かんたん合格 基本情報技術者予想問題集 令和5年度で勉強したのですが、まさに内容や難易度はこの二つによく似た問題が出たと感じました。できればたくさんの問題を早く正確に解く練習をした方が良いと感じましたが、まだ新制度になったばかりなので圧倒的に練習する問題集が少ないのが難点かもしれません。
ちなみにサンプル問題に出てくる1問目はかなり簡単にできていると思います。ここは落としたくないところです。ですが、私が受験した時の1問目は、サンプル問題よりはるかに難しい(※私個人の感想です。数学得意な人にはきっと簡単な問題なんだと思います)問題が出て「あぁ・・・終わった・・・」と動揺しました。・・・が、2問目からはサンプル問題と同等レベルになってくれました。
②情報セキュリティ問題
私の個人的な感想ですが、旧午後問題と毛色が変わった気がしています。
旧午後試験は、A試験I(旧午前試験)で出る情報セキュリティの問題とほぼ同等の理解力があればカバーできる内容の問題が出ていたイメージです(問題文の長さは格段に違いますけどね。)でも、サンプル問題も今回の受験した時も思ったのが、文章の長さは旧午後試験に比べて短くはなりましたが、B試験に変わってから軽くひねくれた問題が出る気がしています。
私はB試験対策、特にアルゴリズムの勉強のために「出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]」を購入したのですが、この書籍の後半に情報セキュリティ対策もあります。解いているときは、「なんかひねくれた変な問題出すなぁ~」と思っていたのですが、実際受験してみると、この本の予想問題に似たような問題が出題されたように思います。難しくなった、というよりは読解力が必要な気がします。
まとめ
旧試験を受験したことがないので、そこの比較ができないの残念ですが、A試験に関しては今までの午前問題の勉強の仕方で問題ないと思います。むしろ、問題数が減ったことで楽に感じました。
やはり要となるのはB試験対策です。圧倒的に練習問題が少ないのでそこをどうカバーするかにかかっていると思います。
これから受験される方々、頑張ってください!最後までお読みいただき、ありがとうございました。