
オーナーシップを少しずつ育てる
こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
仕事において、より大きな課題を主体的に扱うにはオーナーシップが必要です。
オーナーシップは一足飛びには身につかず、少しずつ身につける必要があります。逆にいうと、オーナーシップは先天的なものではなく、誰でも少しずつ身につけることができます。
この記事では、オーナーシップを少しずつ育てる方法についてまとめます。
ターゲット
- オーナーシップを伸ばしたいと思っている本人
- メンバーのオーナーシップを伸ばしたいと思っているマネージャー、メンター、人事
記事の内容はどちらにも寄せずに記載しているので、自分の目線に合わせて読み取ってください。
オーナーシップを育てるプロセス
- 与えられた仕事を確実にやり遂げる
- 担当範囲を徐々に広げる
- イレギュラーな機会に応じる
- 単独で課題解決を推進する
- 周囲を巻き込んで課題解決を推進する
- 課題解決の範囲を広げる
1. 与えられた仕事を確実にやり遂げる
ジュニア〜並の担当者として仕事をしているうちは担当する業務を一つずつ着実にやり遂げることが主務になります。
ここで経験を積むことで少しずつ大きな課題を発見し、主体的に解決していくための実力が身につき、より大きな課題を任されるための信頼の基盤が整っていきます。
逆に、基礎的な業務を十分に対応できていない状況や業務の実績を通した信頼を得ていない状態で課題の解決を担う推進者を任されることはありません。
2. 担当範囲を徐々に広げる
基礎的な業務について安定した質と効率で担当できるようになると、少しずつ広い範囲を担当するようになっていきます。
結果として、より大きな範囲について判断し、対応する経験を積み、成功体験を積み重ねることになります。
担当業務の範囲がどのように広がっていくかについては、自分の実力の伸び具合とマネージャーの力量によります。マネージャーがメンバーの成長を支援したり、裁量を段階的に広げるのが苦手な場合、待ちの姿勢だと状況が膠着するため自発的に能力を伸ばしたり、能動的に広い範囲への関与を獲得しにいく必要があります。
自分の現状を把握し、必要に応じて積極的に行動できるようにしましょう。その場合、現時点でよい相談相手がいない場合は、相談相手を得るために関わりを広げる必要があります。
3. イレギュラーな機会に応じる
プロジェクトや組織のトラブルがあり、誰かが課題を解決する必要がある場合、裁量を持つ人から指名されるか、自ら手を上げることによって小さくオーナーシップを発揮する機会が発生します。ここで指名に応じることができるか、自ら手を上げることができるかでオーナーシップの経験値に差がでてきます。
経験則としては、普段から主務を着実にやりきっていて、上司やプロジェクトのマネージャー・リーダーが困っているときの協力者として動いていれば、自然と協力を依頼される可能性が高くなります。逆にいうと、特に相談相手としてお声がかからない場合、自分の担当業務に閉じすぎていたり、チームの課題に無頓着になっている可能性があります。
もしかすると、課題の解決に協力しても評価されるわけでもないし、余計なことに手を出さない方が無難という経験が積み重なっている場合もあるかもしれません。確かに、課題の解決によってすぐに相応の評価をされるとは限りません。一方で、課題の解決を通した経験は確実に積み重なり、実力や信頼の向上につながるため、長期的には評価されるタイミングは訪れます。実際に課題の解決の踏み出す人を見ていると、顧客やチームのために本当にその課題を解決したいという動機から動いていて、結果的に評価されるという関係性であるように感じています。
4. 単独で課題解決を推進する
担当業務の拡大やイレギュラーなトラブル対応の経験を通して成功体験を重ね、課題発見力と周囲からの信頼を高めたら、次は自発的に発見した課題の解決を提案し、自ら解決を推進し、実際にやりきります。まずは概ね自分ひとりでやりきることができる小さなお題を扱います。
5. 周囲を巻き込んで課題解決を推進する
単独で課題解決を推進できるようになったら、次は周囲を巻き込んでの課題解決です。課題を発見したら、周囲の関係者を巻き込み、課題の存在や解決する必要があるという認識を揃えます。その上で関係者の承認が必要ならステークホルダーからの承認を得て、解決に必要なメンバーを巻き込み、解決の推進者として起案から解決までの全体を推進します。
規模が大きくなると、課題解決の提案が即決される場合ばかりとは限らず、少しずつ状況を変化させ、段階的に進めることもあります。逆に、無理やり進めようとしてステークホルダーと衝突すると、取り組みは頓挫してしまいます。
6. 課題解決の範囲を広げる
一部のタスクに関わる小さな課題に始まり、チーム単位、部門単位、部門横断、全社単位など取り扱う課題の範囲を広げていきます。範囲が拡大するについてより広い目線、横断的な人の関わりや信頼、より長い期間での業務のマネジメントスキルが必要になります。
オーナーシップを育てるためのポイント
オーナーシップを育てるためのポイントを以下にまとめます。
ポイント | 内容 |
---|---|
問題発見のための経験と知識を積み上げる | 経験と学習を通じて、問題に気づける解像度を高める |
課題解決に必要なスキルと引き出しを持つ | 技術・スキル・フレームワークなど、問題を解決できる実力を蓄える |
小さな成功体験で自己効力感を育てる | 失敗を恐れず行動し、成功体験を積み重ねて『やればできる』という感覚を育む |
信頼を得るために、基礎となる仕事の品質を保つ | 期待された成果を安定して出す |
周囲を巻き込むリーダーシップを意識する | 独りよがりにならず、周囲と対話しながら進める |
主要業務を大事にし、バランス感覚を持つ | 自主的な取り組みと、主要業務のバランスをとり主要業務が手薄にならないようにする |
関係構築 | 協力者を得るために、前向きな関係構築をする |
マネジメント力を身につける | より大きな課題を解決するためには、プロジェクトマネジメントの知識・スキルが必要になります。仮に普段の業務はプレイヤーであってもオーナーシップを持つ領域が拡大するとマネジメントスキルが必要です |