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単発の取り組みと継続的な取り組みを判別し、特性に応じた扱いをする
こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
仕事における取り組みには、単発で終わるものと継続的なものがあります。それぞれ特性が異なり、別々に検討が必要な部分があります。そのため、今自分が担当している取り組みや提案する取り組みがどちらなのかを把握したうえで進める必要があります。
この記事では、単発の取り組みと継続的な取り組みを判別し、特性に応じた扱いをする方法についてまとめます。
単発の取り組み
単発の取り組みは、一度限りのプロジェクトや取り組みであり、明確な開始と終了があります。例として、特定のイベントの開催や一時的な業務改善活動などが該当します。
単発の取り組みでは、即効性が求められる場合が多く、短期的な成果を上げることに焦点が当たります。
継続的な取り組み
継続的な取り組みは、定期的に行われ、長期的な成果を目指す取り組みです。業務プロセスの改善、社員のパフォーマンスマネジメント、定期的なトレーニングプログラムなどが該当します。
長期的な効果を狙い、徐々に組織や個人の成長を促進します。時間はかかりますが、持続的な進化を支える基盤となります。
ROIの違い
単発の取り組みと継続的な取り組みではROIに関する考え方が異なります。
単発の取り組み | 継続的な取り組み | |
---|---|---|
ROIの考え方 | 短期的な成果を測定し、実施直後のインパクトで評価 | 長期的な成長や改善を加味し、中長期的な視点でROIを判断 |
コスト | 一度きりのコスト(導入費用やプロジェクトの人件費など) | 継続的なコスト(人材・運用コスト・改善のための投資など) |
リターン | 即時的な利益や影響(売上向上、業務効率化など) | 徐々に積み上げられる効果(習慣化、組織文化の変化、スキル向上など) |
評価指標 | 成果物の完成・イベントの成功率・短期的な業務効率化 | 定期的な成果の積み上げ・継続的な改善度・従業員のエンゲージメントなど |
判別のポイント
今から行う取り組みが単発の取り組みか、継続的な取り組みかについては以下のような要素で判断します。
- 成果が持続するか?
- 例: 一回限りの研修 → 単発の取り組み
- 例: 定期的なスキルアップ研修の導入 → 継続的な取り組み
- 投入リソースはどの程度か?
- 一度の準備やリソース投入で完結 → 単発
- 定期的な工数やリソースを要する → 継続的
- 影響の範囲と持続性
- 一定期間後に影響が消える → 単発
- 組織や個人の習慣として定着 → 継続的
例えば、採用広報のコンテンツは、内容次第で単発か継続的かが決まります。社員インタビューを通して会社の特定の魅力を伝える場合、伝えたい魅力が変化したり、インタビューの内容が古くなって実態と異なった場合に、新たにインタビューの観点を変更し、最新のインタビューに置き換える必要があります。つまり、継続的な取り組みになります。一方で、1度お試しで実施している採用企画のために発信する採用広報のコンテンツであれば、単発の取り組みになります。
継続的な取り組みの注意点
単発の取り組みとの対比として、継続的な取り組みの場合の注意点として以下のような要素があります。
- 継続メンテナンスの頻度把握
- 定期的に必要なリソースの検討
- 継続的な実施が漏れないためのタスク管理
- 取り組みの終了条件の検討
- 取り組みの継続改善の検討
1. 継続メンテナンスの頻度把握
どのくらいの頻度で見直しやメンテナンスを行うべきかを初期段階で決めておきます。
- 例
- 毎週 / 毎月 : 進捗確認・改善点の洗い出し
- 四半期ごと : 成果の評価・施策の見直し
- 年次 : 継続の是非や抜本的な改善の検討
運用が形骸化しないためのメンテナンス頻度を明確にすることが鍵になります。
2. 定期的に必要なリソースの検討
継続的なメンテナンスにどのくらいのリソースが必要かを把握しておきます。継続的な取り組みを開始するかどうかの判断として、この部分は特に重要で、チームで使えるリソースが定期的に減ることになるため、それでも実施する価値があるかを踏まえて取り組むの有無を考える必要があります。
- 人的リソース : 担当者の確保、必要なスキルセットの洗い出し
- 時間的リソース : どのくらいの工数を継続的に確保できるか
- 金銭的リソース : 運用・改善のための予算(例: システム利用料、外部サポート)
- ツール・インフラ : 必要なシステムやプラットフォーム
最初の設計時だけではなく、定期的にリソース配分の見直しが必要になります。
3. 継続的な実施が漏れないためのタスク管理
継続的なメンテナンスが漏れないようにタスク管理をすることが必要です。
- 担当者が変わっても実施される仕組み : ドキュメント化、標準プロセスの明文化
- タスク管理ツールの活用 : Jira、Backlog、Notion 等を利用したタスク管理
- リマインド・チェック体制の整備 : 定期的なミーティング、ダッシュボードで進捗を可視化
人任せにせず、仕組みとして回る体制を作る必要があります。
4. 取り組みの終了条件の検討
『この取り組みは、どの状態になったら終了できるのか?』をあらかじめ決めておきます。
- 例
- KPIが一定値に達したら終了
- 組織の成熟度が上がり、仕組みが不要になったら終了
- ROIが見合わなくなったら終了
継続することが目的にならないよう、終了条件を定めることが重要です。
5. 取り組みの継続改善の検討
取り組みの継続改善をするのが好ましいでしょう。特に運用初期は、改善点が見つかりやすいはずです。
- 定期的なふりかえりの実施 : KPT, Fun Done Learn 等
- データに基づく評価 : 定量データ+現場の声の取得
- ステークホルダーからのフィードバックの収集
継続が目的とならないよう、定期的に改善や取り組みの再評価を行います。