OpenAI APIを全部比較してみた — Responses API・Chat Completions・Agents SDK・AgentKit、結局どれを使えばいい?

OpenAI APIを全部比較してみた — Responses API・Chat Completions・Agents SDK・AgentKit、結局どれを使えばいい?

Responses API、Chat Completions、Assistants API、Agents SDK、AgentKit — OpenAI の API が増えすぎて迷う。2026年6月時点の各 API のステータスと使い分けを整理し、新規プロジェクトでの判断基準をまとめる。
2026.07.13

はじめに

OpenAIのAPIって、気づけばかなり増えていませんか?

「Web検索やCode Interpreterを使うエージェントを作りたい」と思って調べ始めたら、Responses API、Chat Completions API、Assistants API、Agents SDK、AgentKit……と選択肢が多すぎて、どれを使えばいいのか迷ってしまいました。

この記事では、2026年6月時点でのOpenAI APIの全体像を整理し、「結局どれを選べばいいのか」の判断基準をまとめます。

OpenAIのAPI、全部並べてみる

まず全体像を把握するために、2026年6月時点で提供されている主要なAPIを一覧にしました。

openai-api-responses-agents-sdk-agentkit-comparison-2026-hierarchy

API ステータス 主な用途
Responses API 推奨(デフォルト) 組み込みツール(Web検索、Code Interpreter、ファイル検索)、エージェントループ、MCP、Deep Research、Computer Use
Chat Completions API サポート中 シンプルなリクエスト/レスポンス。組み込みツールなし、会話状態は自前管理
Assistants API 非推奨(2026/8/26 シャットダウン) ステートフルアシスタント — Responses APIに置き換え
Realtime API アクティブ 低レイテンシ音声エージェント(speech-to-speech)、SIP電話、画像入力
Batch API アクティブ 非同期の大量処理、50%コスト削減、Webhook駆動
Legacy Completions API 終了 /v1/completions エンドポイント

そしてAPI上に構築されるフレームワーク/ツールキットとして:

ツール ステータス 位置づけ
Agents SDK アクティブ(オープンソース) Python/TSライブラリ。エージェントのオーケストレーション
AgentKit 一部サンセット予定 ビジュアルツールキット(Agent Builder + ChatKit + Connector Registry)

意外だったのは、APIだけで6種類、さらにフレームワーク層が2つあること。ただ実際には「新規プロジェクトでまず検討すべきか」で絞ると、かなりシンプルになります。

Responses API vs Chat Completions API — 何が違う?

最も多くの開発者が迷うのがこの2つの比較です。調べてみると、差は想像以上に大きいことがわかりました。

観点 Responses API Chat Completions API
状態管理 サーバー側で管理可能 自前で会話履歴を送信
組み込みツール Web検索、Code Interpreter、ファイル検索 なし
MCP対応 あり なし
Deep Research あり なし
Computer Use あり なし
コスト キャッシュ効率40-80%改善 ベースライン
推論モデル性能 SWE-benchで+3%(GPT-5使用時) ベースライン

特に注目すべきはコスト差です。Responses APIはサーバー側で会話状態を保持できるため、キャッシュヒット率が大幅に向上します。内部テストで40〜80%のキャッシュ効率改善が報告されています。

いつChat Completions APIを使うか

Chat Completions APIが適しているケースもあります:

  • シンプルな1回限りのリクエスト/レスポンス
  • 既存のChat Completions統合をすぐに移行する必要がない場合
  • サードパーティのLLMプロバイダーとの互換性を重視する場合(Chat Completions形式は業界標準に近い)

ただし、OpenAIとMicrosoftの両社とも、新規プロジェクトにはResponses APIをデフォルトで推奨しています。

Assistants APIはなぜ消えるのか

Assistants APIは2024年に登場し、ステートフルなアシスタントを構築するためのAPIとして期待されました。しかし、Responses APIがその機能を上位互換で吸収したため、2026年8月26日をもってシャットダウンされます。

移行のポイント:

  • Assistants APIの「Threads」による会話管理 → Responses APIの previous_response_id パラメータで同等の機能
  • Assistants APIの「Tools」 → Responses APIの組み込みツールに統合
  • Assistants APIの「Files」 → Responses APIのファイル検索ツールに統合

既にAssistants APIを使っているプロジェクトは、OpenAI公式の移行ガイドを参照して計画的に移行することを推奨します。

Agents SDK vs AgentKit — コード派 vs ローコード派

エージェントを構築する際、もう一つ迷うのがAgents SDKとAgentKitの選択です。

観点 Agents SDK AgentKit
アプローチ コードファースト ローコード / ドラッグ&ドロップ
主要コンポーネント Agents, Handoffs, Guardrails, Tools, Sessions Visual Canvas, Connector Registry, ChatKit, Evals
マルチエージェント Handoffsでコード内委譲 ビジュアルノード構成
外部連携 ツール/MCP経由で自前実装 Connector Registry(Slack, Google Drive等)組み込み
UIコンポーネント 自前構築 ChatKit提供
プロバイダーロックイン なし(他モデルも使用可) OpenAIエコシステムのみ
将来性 アクティブに開発中 Agent Builder & Evals 2026/11/30 サンセット

重要な注意点:AgentKitの一部サンセット

2026年6月3日、OpenAIはAgent BuilderとEvalsプロダクトの終了を発表しました。2026年11月30日以降、OpenAIプラットフォーム上で利用できなくなります。

これは大きな判断材料です。AgentKitのビジュアルビルダーに依存したワークフローは、半年以内に別の手段への移行が必要になります。

判断基準

Agents SDKを選ぶべきケース:

  • エージェントロジックをコードで制御したい
  • マルチエージェントのHandoffs、型付きツール、スキーマ検証が必要
  • OpenAI以外のモデルも使いたい(プロバイダー非依存)
  • Sessionsによる長期タスクを扱いたい
  • 本番システムで「ワークフロー = コード」として管理したい

AgentKitを選ぶべきケース:

  • クイックプロトタイピング
  • 非エンジニアチームがシンプルなエージェントを構築したい
  • ChatKitで組み込みチャットUIを素早く実装したい
  • 既存SaaSとの連携をConnector Registryで簡単に設定したい

正直なところ、AgentKit一部サンセットの発表を考えると、長期的にはAgents SDKが安全な選択です。AgentKitはプロトタイピングや短期プロジェクトには便利ですが、本番で依存するにはリスクがあります。

まとめ:2026年6月時点の選択ガイド

調べてみた結果、判断はシンプルにまとめられます:

やりたいこと 選ぶべきAPI/ツール
新規プロジェクト全般 Responses API
シンプルな1回リクエスト Chat Completions API(でも新規ならResponses推奨)
音声エージェント Realtime API
大量バッチ処理 Batch API
エージェント構築(コード) Agents SDK
エージェント構築(ローコード) AgentKit(サンセット注意)
既存Assistants API 2026/8/26までにResponses APIへ移行

OpenAIのAPI戦略は「Responses API中心」に収束しつつあります。Chat Completions APIも引き続きサポートされますが、組み込みツール、MCP、状態管理などの新機能はResponses APIでのみ提供されます。

新規プロジェクトではResponses API + Agents SDK の組み合わせが、現時点で最も将来性のある選択と言えるでしょう。

参考リンク


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