組織課題の解決シリーズ – 問題を『なぜ』で分析しない
こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
組織に関わる定番の問題、その解決策をまとめる組織課題の解決シリーズです。
- 前提知識 - このお題を説明する上で必要な前提知識
- 組織の臭い - 解決が必要な対象の症状、問題点
- プログラムにおける「コードの臭い」を想定しているものです
- 組織課題の解決テクニック / 臭いの解決方法
の構成でまとめます。
今回のお題は「問題を『なぜ』で分析しない」です。
前提知識
なし
組織の臭い - 問題を『なぜ』で分析する
問題の原因を掘り下げる際に、『なぜ』を繰り返す手法はなぜなぜ分析として有名です。
一方で、『なぜ』は事実よりも解釈を引き出しやすい質問という特徴があります。
個人の解釈はバイアスの影響など、事実とは異なった飛躍をしやすくなります。このように解釈を引き出す質問を解釈質問と呼びます。
『なぜ』の弊害は解釈が曲がりやすいという点だけではなく、人に対して『なぜ』で質問していくと、どうしても詰問しているように感じやすい面があり、真実を言いにくくなる側面があります。体験としてもストレスが溜まりやすいものになります。
例 - バグの原因を『なぜ』で掘り下げる
リリース間際にバグが発生しました。バグ修正は完了しましたが、根本原因の解消のためになぜなぜ分析を実施しました。
- リーダー「なぜ A さんのプログラムはバグがでたの?」
- A さん「なぜと言われましても・・・。たぶん、集中力が切れていたのだと思います」
- リーダー「では、なぜ集中力が切れていたの?」
- A さん「リリース間際で残業が続いていたからだと思います」
- リーダー「なるほど。では、次から残業しないで済むように手早く集中して仕事できるようにして、絶対にバグを出さないようにしてください」
- A さん「はぁ・・・(それなら仕事量を減らしてよ・・・)」
このケースにおいては、バグが発生した原因の本質的な究明はなく、集中力が切れたから、残業が多いからという解釈を原因として捉えてしまっています。
組織課題の解決テクニック
問題を掘り下げる際に、『なぜ』ではなく、『何を』『いつ』『誰が』『どこで』『どのように』など事実を掘り下げる質問を用います。このような質問を事実質問と呼びます。
問題に関わる具体的な事実を整理していくことで、原因にたどり着きやすくなります。
例えば、「忙しくてこれ以上は対応できない」という問題があった場合に、『なぜ』忙しいのか?
ではなく、
- 忙しさの具体的な状態は?
- 残業時間の問題か?その場合何時間か?
- 時間内に担当業務を消化しきれない問題か?その場合、どのくらい消化しきれていないか?
- 誰が忙しいのか?
- 部門の全員か?
- 特定の職種のメンバーか?
- 特定の個人か?
- いつ忙しいのか?
- 常に忙しいのか?
- 納期次第なのか?
- どの業務でどのくらい忙しいのか?
などで具体的に掘り下げていくような形です。