視覚的にアセット管理ができるPerforce P4 DAMを触ってみた

視覚的にアセット管理ができるPerforce P4 DAMを触ってみた

2026.05.18

こんにちは、ゲームソリューション部のsoraです。
今回は、Perforceのデジタルアセット管理サービスである「P4 DAM」のトライアル環境を触ってみました。

P4 DAMとは

P4 DAM(旧:Helix DAM)は、Perforceが提供するデジタルアセット管理サービスです。
ゲーム・映像・3D制作の現場で扱う大容量バイナリアセット(画像・3Dモデル・動画など)をブラウザ上で管理することを目的としていて、デザイナーやアーティスト向けのビジュアルなUIを提供してくれます。

01_glb_assets-grid

バージョン管理基盤としてP4(旧:Helix Core)と連携する構成になっており、P4のストリーム/デポをバックエンドとして利用しながら、Webブラウザで以下のような操作ができます。

  • 画像・3Dモデル・動画などのアセットをサムネイル付きグリッドで一覧表示
  • 3Dアセットのブラウザ上でのプレビュー(回転・アニメーション再生)
  • バージョン履歴の管理と新旧バージョンの差分比較
  • アセット単位でのレビュー依頼とKanbanボードでの進捗管理
  • 画像へのピン留めコメントによる注釈レビュー
  • AIによる自動タグ付け

3Dフォーマットは対応レベルで以下のように分かれています。

  • ブラウザ上で直接レンダリング(アニメーション再生にも対応)
    • .fbx / .glb / .gltf
  • 3Dビューア上でプレビュー対応(アニメーション再生は不可)
    • .dae / .obj / .usd / .x3d など
  • サムネイル生成のみ(3Dビューアでの表示は不可)
    • .stl / .3ds / .dxf など

なお、3Dモデル以外にも画像(.png / .psd / .tiffなど)、動画、音声、PDF・Office系ドキュメントなど幅広いファイル形式がサポートされています。

構成

P4 DAMはあくまでアセット管理のフロントエンドにあたるサービスで、バックエンドのP4 Serverは別に必要になります。
利用者の役割によってP4へのアクセス手段が分かれるのも特徴です。
デザイナーやアーティストはP4 DAMのブラウザUI経由でP4のアセットを扱い、エンジニアはP4VなどのGUIクライアントやCLI(p4コマンド)からP4 Serverに直接アクセスする、という使い分けが想定されています。
同じP4 Serverを共通のバージョン管理基盤としつつ、職種に合わせたフロントエンドを選べる構成です。

02_conceptual-diagram

今回のようにSaaS型トライアルを使う場合はP4 ServerもPerforce側でホストされたものが付いてきます。
ただし、本番運用でEC2などに自前構築する場合は、P4 ServerとP4 DAMをそれぞれ別サーバとして構築するケースが多くなります。

03_configuration-diagram

今回はPerforceが提供する14日間の無料トライアル環境を利用しました。
申し込み後にSaaS型のサンドボックスが払い出され、P4 ServerとP4 DAMがホスト型で利用できるため、自前でP4を構築する必要はありません。

使ってみる

トライアルへのサインアップ

製品ページの「Try Free」からトライアルを申し込みます。

04_signup_product-page

https://www.perforce.com/products/helix-dam

その後進めていくと、メールが届くのでメール内のリンクからパスワードを設定するとログインできるようになります。

05_af-signup_set-password

ログイン後のホーム画面にはチュートリアル(Articles / Videos)のパネルがあり、初回利用でも一通りの操作を学べる作りになっています。

06_login_home

プロジェクト作成

P4 DAMの管理階層は以下のようになっています。

  • プロジェクト
    • コレクション(P4のストリームに対応する単位)
      • フォルダ
        • アセット(個別ファイル)/ バンドル(関連アセットのグループ)

「New project」からプロジェクトを作成します。
作成ダイアログでプロジェクト名・カラー・プロジェクトタイプを設定します。

プロジェクトタイプは以下の2種類から選択します。

タイプ 用途
Standard project 既存のstream depotまたはlocal depotにリンクする。本番運用向け
Quick start project 新規stream depot + mainline streamを自動作成する。トライアル・デモ向け

今回は機能を確認するだけなので、新規depotを自動で作ってくれるQuick start projectを選びました。

07_project_create-quickstart2

コレクション作成

プロジェクトを作成した後、コレクション作成をします。
コレクションはP4のストリームに対応する単位で、設定項目はコレクション名のみです。

08_project_empty

09_collection_create

作成直後のコレクションはアセットが何もない状態なので、ドラッグ&ドロップでアセットをアップロードします。

10_af-collection_empty-upload-prompt

ちなみに、コレクションの「︙」メニューにはDAMの表示から隠すHide from DAMしか出てきませんでした。
コレクション自体を完全に削除するUIはP4 DAM側には見当たりませんでした(トライアル環境では管理側にアクセスできなかったため未検証)。

アセットのアップロード

アップロード方式は2系統あります。

  • Upload
    • 単一ファイルをアセットとして登録する(PNG 1枚、.glb単体など)
  • Upload and create asset bundle
    • 関連ファイル群を1つのバンドルとして登録する(3Dモデル + テクスチャ + マテリアルなど)

11_upload_dialog-with-bundle-option

今回は3Dビューアを試したかったので、Khronos glTF Sample AssetsからAvocado.glbBoomBox.glbDamagedHelmet.glbDuck.glbFox.glbLantern.glbの6点をアップロードしました。
.glbを上げるとサムネイルが自動生成され、アセット一覧でも3D形状が確認できる状態になります。
※上記はpngファイルのみをアップロードしたキャプチャになっていますが、以下はフォルダでアップロードした後の画面です。

01_glb_assets-grid

3Dビューア

P4 DAMの目玉機能の1つが、ブラウザだけで完結する3Dビューアです。
.glbをアップロードしてアセットを開くだけで、ドラッグでの視点回転やアニメーションの再生プレビューができました。

12_glb_viewer-damagedhelmet

アニメーション付きのアセット(Fox.glb)を開くと、再生バー・コマ送り・カウンタが表示され、ブラウザ上でそのままアニメーションを再生できます。

13_glb_viewer-fox-animation-1

14_glb_viewer-fox-animation-2

3Dファイルを確認するために専用ソフトを立ち上げる必要がなく、ブラウザだけで触れるのは便利だと感じました。
レビュアー側が3D制作ツールを持っていなくても、アセットの確認ができる体験になっています。

バージョン管理

同名ファイルを再アップロードすると、v.2が新しいバージョンとして積まれます。
旧バージョン(v.1)も履歴として保持されるため、過去版に戻すこともできます。

15_af-version_upload-v2

バージョンの「︙」メニューからは、共有・リネーム・プレビュー画像の再生成・レビュー履歴表示・削除などの操作が可能です。

16_af-version_context-menu

バージョン比較の3モード

ビューア左下に3つの比較モード切り替えボタンがあり、v.2とv.1を直接比較できます。

Side-by-side(並べ表示)

左右に新旧バージョンを並べて表示します。
全体感を確認したいときに使うモードです。

17_compare_side-by-side

Difference(差分ハイライト)

変更箇所が赤くハイライトされます。
ピクセル単位で差分を見たいときに便利です。

18_compare_difference

Overlay slider(オーバーレイ + スライダー)

1枚絵の中央にスライダーが配置され、左右にドラッグすることでv.2とv.1の表示比率を変えられます。
「Before / After」を直感的に切り替えられるので、デザインのレビューでよく使うパターンに合っている見せ方です。

19_compare_overlay-slider

レビューとKanban連動

アセットの個別画面の「Create review」からレビューを作成できます。
レビューのステータスは以下の4段階です。

ステータス 意味
Open レビュー開始(初期ステータス)
In Review レビュー実施中
Blocked 修正待ちなどでブロック中
Released レビュー完了

20_af-review_status-dropdown

各プロジェクトにはKanbanボードが用意されていて、レビューステータスがKanbanの列と完全に連動しています。
カードをOpen列からIn Review列にドラッグすると、実際にアセットのレビューステータスも変わります。

21_kanban_open

22_kanban_in-review

レビュー履歴のモーダルを開くと、状態遷移(Created → Open → Blocked → In Review など)が時系列のログとして残ります。

23_af-review_history

アセットの制作進捗管理を、別のタスク管理ツールに持ち出さずに1画面で完結できるのは便利だと感じました。

サイドパネルとアセット詳細

アセットを開くと右側に4タブのサイドパネルが表示されます。

タブ 主な内容
Comments バージョンコメントとピン留め注釈
Links 外部アプリ・リソースへのリンク(統合連携用)
Asset Details タグ・AI tags・Depot path・Change/Revision・Technical specifications
Review Details レビューのDescription・Author・Reviewers

24_af-panel_asset-details

Asset Detailsには手動タグとAI tagsが分けて表示され、Depot pathやChange/Revision番号といったP4のメタデータも確認できます。

AI自動タグ付け

P4 DAMにはアップロード画像を解析してタグを自動付与する機能があります。
試しにDuck.glbをアップロードしたところ、以下のタグが自動で付与されました。

  • bird
  • duck
  • rubber ducky
  • toy

25_panel_ai-tags-dialog

チーム管理

プロジェクトのTeamタブからメンバー管理と招待ができます。

26_af-team_members

27_af-team_invite-users

Webhook

プロジェクト設定からWebhookを登録すると、外部サービスへイベント通知を送ることができます。

28_webhook_add-step1

29_webhook_add-step2

ファイルロックの扱い

今回のトライアルではP4V側との連携まで試せなかったので動作確認はできていませんが、下記の公式ドキュメントを見ると、P4 DAMにおけるファイルロックの扱いは以下のようになっています。
https://help.perforce.com/helix-core/helix-dam/current/Content/HelixDAM-User/locked-assets.html

操作 P4 DAM上で可能か
ロックをかける 不可(P4VなどP4 Server側のクライアントから操作する)
ロック状態の表示 可能(アセット名の横にロックアイコンが表示される)
ロックしたユーザーの確認 可能(ロックアイコンにポインターを合わせて確認)
ロックを解除する 不可(ロックに使用した同じP4クライアントから解除する)

P4 DAMはロックの可視化(visibility)はできるものの、ロック・アンロックそのものはP4V/CLIなどのP4 Serverクライアント側から行う設計のようです。
エンジニアがP4Vでロックしたファイルを、デザイナーがP4 DAM上で「誰が編集中か」を把握する、というワークフローが想定されているようです。

最後に

今回は、Perforce P4 DAMのトライアル環境で、3Dビューア・バージョン比較・レビューとKanban連動・AI自動タグなどのデジタルアセット管理機能を触ってみました。
ブラウザだけで3Dアセットのプレビューから差分比較・レビューまで完結できる体験は、ゲーム・3D制作の現場で扱いやすそうだと感じました。

この記事がどなたかの参考になれば幸いです。


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