製造現場のデジタル化における課題とPLC Data to Cloudによる新しいアプローチ

製造現場のデジタル化における課題とPLC Data to Cloudによる新しいアプローチ

製造業のデジタル化が叫ばれて久しいものの、多くの企業がその実現に苦心しているのが現状です。本スライドでは、製造現場が直面している様々な課題と、それを解決するための新しいアプローチである「PLC Data to Cloud」について解説します。
Clock Icon2024.11.08

先日、AWS様主催のセミナーに協力する形で「データ活用による工場のデジタルトランスフォーメーション」というオンラインセミナーを開催しました。

クラスメソッドには、製造ビジネステクノロジー部という、業務カットで主に製造業のお客様に向けたサービスを展開する部署が存在しているのですが、その中のメインプロダクトである、Classmethod PLC Data To Cloudを中心とした、サービスについて紹介したので、その内容を資料と共に共有致します。

製造業のお客様で「工場データの活用にまだ踏み切れない…!!いろいろハードルが高い!人材もいない!!」という葛藤をお持ちの方に是非見ていただきたい資料となっているので、ご一読いただければと思います。

「製造現場のデジタル化における課題とPLC Data to Cloudによる新しいアプローチ」

セミナー資料はこちらにアップロードしています。

製造現場のデジタル化における課題

高額な初期投資の課題

従来型のソリューションでは、サーバーやネットワーク機器の導入、専用ソフトウェアのライセンス費用など、スタート時点で大規模な投資が必要とされてきました。三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の2022年の調査によると、データ収集・利活用にかかる課題として、47.2%の企業がデータ収集にコストがかかると回答(引用元:我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査)しており、この初期投資の大きさが製造業にとって大きな参入障壁となっています。

システム連携の困難さ

既存システムの多くは独自規格で構築されており、他のシステムとの連携が極めて困難です。例えば、生産管理システムと品質管理システムのデータを組み合わせて分析しようとしても、大規模な追加開発が必要になることが一般的です。

データ活用の柔軟性不足

データは取得できても、その活用方法が固定的で、新しいニーズに対応できないという課題があります。特定ベンダーによるロックインにより、システムの拡張や変更に多大なコストと時間が必要となっています。

顧客の声:「データ可視化・分析ソリューションを導入したがデータ分析手法や項目に汎用性がなく、少し角度を変えた分析を実施しようとした場合に、追加コストが掛かることに苦労している」

デジタル人材の確保・育成

本来は現場(OT)主導でIT(情報システム)と連携しながら進めていくことが製造現場の改善に不可欠ですが、意思決定やコミュニケーションが分断されており、双方の視点で物事を意思決定できる人材の育成が難しい状況にあります。

顧客の声:「PLC Data to Cloud導入はお願いしたいが、そのままの導入だけではなく、データや分析手法の拡張など、システム導入だけではなく、その周辺のスキルトランスファーもお願いしたい」

PLC Data to Cloudによる新しいアプローチ

これら課題に対応するため、クラウドネイティブなソリューションとして「PLC Data to Cloud」が登場しました。

特徴

  1. オープンな利用が可能なAWSを利用

    • AWSというオープンな基盤上に構築されており、データ基盤やAI関連サービスなど様々なサービス群を自社の業務に合わせて最適な方法で利用可能です。
  2. 段階的な投資モデル

    • 初期投資を最小限に抑制し、利用料に応じた従量課金モデルを採用
    • 本当に必要なもの、検証のために最低限必要なものからの段階的な導入が可能
  3. アジャイルな開発・改善サイクル

    • お客様のニーズに応じて、迅速な機能追加や改善が可能
    • 実際の利用状況に基づいた継続的な改善を実現
    • システムの変更や機能追加に必要となるスキル獲得を、伴走型開発で継続的に支援

サービス提供範囲

ゲートウェイ、通信、AWSクラウド環境をワンストップで提供します。

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アーキテクチャ

PLC Data to Cloudは、工場の製造設備からデータを収集し、AWSクラウド環境でデータの保存、分析、可視化を行います。主な構成要素は以下の通りです。

  • 工場側:PLCs、Gateway Hardware、通信Hub

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  • クラウド側:AWS IoT Core、データベース、可視化プラットフォーム(Grafana)

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可視化プラットフォームにGrafanaを採用

工場データの可視化プラットフォームにGrafanaを採用しています。GrafanaはオープンソースベースのObservability(可観測性)ソリューションで、多様なデータソースに対応し非常に柔軟で多機能なダッシュボードをノンコーディングで実現できるのが大きな特徴です。

Grafanaの概要は、こちらの登壇資料を御覧ください。

https://speakerdeck.com/hamadakoji/ke-shi-hua-puratutohuomugrafananoji-ben-tohuo-yong-fang-fa-noquan-te

製造業アジャイル支援

デジタル化を成功させるには、技術導入だけでなく、組織の変革も重要です。クラスメソッドでは、製造業向けのアジャイル支援サービスを提供しています。

アジャイルで実現するビジネス価値の最大化

急速に変化するビジネス環境において、市場変化への迅速な対応力と継続的なフィードバックループを通じたビジネス価値の最大化が求められています。従来の固定的な設備投資中心のアプローチから、変化に強い組織づくりへの転換を支援します。

実践的なスクラム支援

クラスメソッドは多数のスクラム案件を手がけた実績を持ち、その経験に基づいた実践的なスクラム支援を提供しています。単なる座学の研修で終わるのではなく、実際にスクラムを活用してプロダクトを開発しているエンジニアとともに、実践的な開発体験を積むことができます。

提供研修プログラム

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  1. アジャイル超入門 (2時間)

    • アジャイルの基本と現代のビジネスにおける必要性の理解
    • アジャイルの歴史や具体例を通じた効果と活用方法の学習
  2. スクラム基礎研修 (1〜2日間)

    • スクラムの基礎知識から役割とプロセスの詳細学習
    • 経験主義的アプローチの思考とスクラムの本質的な理解
  3. プロダクトバックログ研修 (1日間)

    • プロダクトバックログの適切な整理と優先順位付けの手法
    • ビジネスモデルキャンバスを用いた価値定義
    • ユーザーストーリーマッピングによるMVP整理
  4. スクラム実践研修 (3〜4日間)

    • 実際のスクラムでの開発体験を通じた実践的スキルの習得
    • チームでの開発体験実習によるプロセスの体感

顧客事例

https://classmethod.jp/cases/hitachi-gls/

https://classmethod.jp/cases/lion/

伴走型開発(内製化支援)

デジタル化を真に成功させるには、外部への依存ではなく、自社による開発・運用能力の獲得が重要です。クラスメソッドの伴走型開発は、お客様とともに成長するチーム開発を実現します。

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特徴と進め方

  1. 協働体制の構築

    • プロダクトオーナーはお客様側が担当
    • クラスメソッドからはスクラムマスターが参画
    • 両社のエンジニアが一つのチームとして協働
  2. 段階的なスキル移転

    • 実際のプロジェクトを通じた技術・ノウハウの移転
    • アジャイル開発プロセスの実践的な習得
    • 継続的な改善文化の定着
  3. 自律的な開発体制の確立

    • 内製化を見据えた開発プロセスの確立
    • 技術選定からリリースまでの一連の流れの習得
    • 持続可能な開発体制の構築

この伴走型開発アプローチにより、単なる技術導入を超えて、組織全体のデジタル成熟度を高めることが可能となります。

顧客事例

https://classmethod.jp/cases/kyocera/

https://dev.classmethod.jp/articles/aws-summit-japan-2024-kyocera-robotic-services/

今後の展望:Generative AIを活用した高度な分析

クラウドにデータを蓄積した後の活用方法として、PLC Data to Cloudでは、AIを活用した分析にも取組んでいます。以下は、その一例です。

  1. デジタル化が困難なデータの可視化

    • アナログメーターの自動読み取り
    • 設備音による異常検知
  2. 高度なデータ分析

    • 自然言語による分析指示
    • データの相関関係の自動検出
  3. 予防保全への活用

    • 過去データの分析による故障予測
    • 最適なメンテナンスタイミングの提案

まとめ

PLC Data to Cloudは、単なるデータ可視化ツールではありません。製造業のデジタル変革を支える、進化し続けるプラットフォームであり、いつでも相談できるパートナーでもあります。

製造現場のデータ可視化や活用について、少しでもお悩みがある方はいつでもお気軽にお問い合わせください。

製造ビジネステクノロジー部では、定期的に製造業における情報発信も進めています。こちらも併せてご覧いただければ幸いです。

https://dev.classmethod.jp/referencecat/manufacturing/

それでは、今日はこのへんで。濱田孝治(ハマコー)(@hamako9999)でした。

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