生成AIに複雑なタスクに関する指示をするためにソース情報を用意する

生成AIに複雑なタスクに関する指示をするためにソース情報を用意する

この記事では、AIの能力を最大限に引き出すために不可欠なテクニック、ソース情報の用意について、まとめます。
2025.11.09

こんにちは。組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。

生成AIを活用して適切な答えを導きたいとき、一般的な内容なら問いをそのまま投げれば済みます。一方で、自社、事業、部門、チームなど自社特有の情報は生成AIの基盤モデルは持っていません。そのため、外部からソース情報を与える必要があります。このソース情報には、文書化された情報だけでなく、現場の専門家が持つ暗黙知を形式知化したものも含まれます。そして、特定したソース情報を RAG や NotebookLM などのツールに利用しやすいよう、文書の粒度を決め、どのように配置するかを決定します。これにより、自社特有の前提を踏まえたやりとりが可能になり、ハルシネーションの可能性も低減します。

この記事では、AIの能力を最大限に引き出すために不可欠なテクニック、ソース情報の用意について、まとめます。

必要なソース情報を特定する

複雑な問題を生成AIで扱う際、事前にその問題を構造化することで、必要なソース情報が整理できることがあります。

問題の構造化については、以下の記事を参照ください。

生成AIに複雑なタスクに関する指示をするために必要となる問題の構造化 | DevelopersIO

たとえば、先日 生成AIを活用した目標設定支援ツールについて登壇 で発表しましたが、この取り組みでも、ソース情報の用意が重要な鍵の一つとなりました。このように情報を整理することで、必要なソース情報が整理できます。

understanding-goal-settings-souces

そして、必要なソース情報を RAG や NotebookLM などのツールにどのように配置するかを決めます。

deplay-goal-setting-sources

必要なソース情報の所在を確認する

必要なソース情報が特定できたら、社内の情報共有ツールやチャットツールなどから情報を探索します。見つけた情報は、その最新性と正確性をドキュメントのオーナーに確認すべきです。また、ツールによって取扱可能なドキュメントの形式に制約があったり、特定の形式だと連携が有利になる場合があります。ツールとの親和性も踏まえてファイル形式も確認しましょう。

ソース情報を新たに文書化する

ソース情報を探しても見つからず、文書として残っていないことがわかった場合、新たに文書化します。自分で内容の質を判断できない場合は、作成後にその分野の専門家や関係者に内容が適切か確認しましょう。

継続的な活用を見据えた業務プロセスへの組み込み

生成AIを用いた分析が単発か継続的かによって、情報の管理スタンスが変わります。継続的に利用する既存情報や新規情報は、一定間隔で最新にメンテナンスされる必要があります。

ここまで来ると業務プロセスの改善になります。元々やっていない活動だった場合、日々費やすコストが増えることになるので、生成AIでその情報を活用することで得られるメリットと対比して運用への組み込みを判断する必要があります。

運用への組み込みの判断が、生成AIプロジェクトを単なる PoC で終わらせず、継続的なビジネス価値に変えるための最大の分岐点となります。

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