責任を持つとは? 〜RACIチャートの紹介〜

責任を持つとは? 〜RACIチャートの紹介〜

Clock Icon2016.12.07

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こんにちは、最近FF15が気になりつつもFF14をエンジョイしている亀田です。

突然ですが、皆さんは、「責任を持つ」という言葉や「責任者」という人にどんなイメージをお持ちでしょうか。

「責任を持つ」 = ある事柄について、すべてよろしくやってくれる

…なんて思って丸投げをする方はいないと思いますが、今回は、プロジェクト管理で役割/責任を明確にするために利用されるRACIチャートをご紹介しつつ、「責任を持つとは?」、「責任者が役割を果たすために必要なこととは?」について、考えてみたいと思います。

RACIチャートとは?(責任の対象)

ご存知の方も多いかもしれませんが、RACI(レイシー)チャートは、PMBOK、PMP、ITILなど、プロジェクトマネジメントの教科書的なもので紹介されている役割や責任を割り当てるためのツールです。

RACIは、以下4つの頭文字を取ったもので、個人やチームに割り当てられた役割(責任、活動、および職権)を定義するためにマトリクス形式で利用します。

R 実行責任者(Responsible) タスクを実行することに責任を持つ
A 説明責任者(Accountable) 顧客や社内のトップマネジメント(経営陣)など、誰かから聞かれたら、タスクの進捗や状況(結果)がどのようになっているかを説明することに責任を持つ

説明できる=いわゆる管理者的な人と考えてください

C 協議先(Consulted) タスク実行を支援するアドバイスなどを行う
I 報告先(Informed) タスクの進捗や状況(結果)の最新情報を受け取る

※CとIの違いは、以下のとおりです。

タスク実行前、実行中に相談する相手:C

タスク実行後に報告する相手:I

利用例: .NET アプリケーションのパフォーマンスとスケーラビリティの向上 - ファスト トラック - 準備とガイダンスの適用方法

[タスクと実行者]というセクションにRACIチャートが掲載されています。

補足

  • Aは、必ず1人にするという鉄則があります
    • 説明に責任を持つ人がいない、または、複数いるという状況は、誰が正なのかよくわからなくなります
  • 説明責任と実行責任を持つ人が同じ場合は「R/A」というように記載します
  • プロジェクト計画書の体制や業務のプロセスを定義した文書などに掲載し、周知することが多いです
    • プロジェクト開始時に「誰が(どの部署が)何に責任を持つ」を定義することで、プロジェクトの活動(実態)と想定のギャップや重複などを発見しやすくし、改善のきっかけに活用することもあります

責任者が役割を果たすために必要なこととは?

RACIの定義から、「タスクを実行すること」、「タスクの状況について説明すること」、「タスクの実行を支援すること」、「タスクの状況(結果)を把握すること」のそれぞれで「責任を持つ」ところがあるというのは、ご理解いただけたかと思います。

では、「それぞれの責任を持つ人が役割を果たすために必要なこと」とは、なんでしょうか?

私は、以下のように考えています。

役割 役割を果たすために必要なこと
実行責任者(Responsible)
  • 説明責任者へタスクの進捗や懸念点を遅滞なく報告する
  • タスクを計画通り(期限まで)完了できるようにする
    • 必要があれば、期限を確認する
  • 自身に知見がないタスクの場合、協議先へ相談し、疑問点を解消してタスクに取り組む
説明責任者(Accountable)
  • 実行責任者が期日まで作業をできるよう、必要な方針の策定、判断を行う
  •  実行責任者からの報告を待つだけではなく、自ら実行責任者へ状況を確認する
    • 実行責任者から遅滞なく状況報告をもらえる状況なら待っているだけでも良いですが、プロジェクトの初期や実行責任者からの報告が不足している場合は、積極的なヒアリングが必要です
  • 報告先へタスクの進捗や懸念点を遅滞なく報告する
協議先(Consulted)
  • 実行責任者からの相談に対し、アドバイスをする
    • 実行責任者が、アドバイスを基にタスクを問題なく完了し、説明責任者へ報告できることがゴールです
    • 「手順」、「手順を実行した結果、想定される影響」など、実行責任者が説明責任者へ状況を報告するために必要な情報を提供することが重要です
    • プロジェクトの初期や実行責任者からの相談が少ない場合、積極的に支援し、実行責任者が独力でタスクを進行できるのかの確認も必要です
報告先(Informed)
  • 実行責任者から報告を受け取り、最新の状況を把握し、次の後続タスクを実行するなどの対応を行う
  • 報告に対し意見があれば、説明責任者へ伝える(原則は、聞くだけの単一コミュニケーション)

 

まとめ

文字だけだとわかりにくいかもしれませんが、一言で表現するなら

「あるタスクの関係者は、適切な情報共有をするために相互で連携するべきだよね」

ってことかなと考えています。(後で図を追加するかも)

私自身、普段ついつい、「○○やるよー」と、どんな作業を実行するかは報告しても、それをやることで「どんな影響があるか」や「懸念点」の説明を相手が知っているだろうと思い込んで端折ってしまったり、自身に知見がないのに、協議先と詳細を確認しきれていなかったり…ということがあります。

もし、皆さんが日々の業務などで、「これは誰がボールを持っているんだろう?」、「○○さんがやってくれるはずでは?」などと思う場面があったら、RACIチャートを使って意識合わせをすると解決のヒントになるかもしれません。

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