責任を持つとは? 〜RACIチャートの紹介〜
こんにちは、最近FF15が気になりつつもFF14をエンジョイしている亀田です。
突然ですが、皆さんは、「責任を持つ」という言葉や「責任者」という人にどんなイメージをお持ちでしょうか。
「責任を持つ」 = ある事柄について、すべてよろしくやってくれる
…なんて思って丸投げをする方はいないと思いますが、今回は、プロジェクト管理で役割/責任を明確にするために利用されるRACIチャートをご紹介しつつ、「責任を持つとは?」、「責任者が役割を果たすために必要なこととは?」について、考えてみたいと思います。
RACIチャートとは?(責任の対象)
ご存知の方も多いかもしれませんが、RACI(レイシー)チャートは、PMBOK、PMP、ITILなど、プロジェクトマネジメントの教科書的なもので紹介されている役割や責任を割り当てるためのツールです。
RACIは、以下4つの頭文字を取ったもので、個人やチームに割り当てられた役割(責任、活動、および職権)を定義するためにマトリクス形式で利用します。
R | 実行責任者(Responsible) | タスクを実行することに責任を持つ |
A | 説明責任者(Accountable) | 顧客や社内のトップマネジメント(経営陣)など、誰かから聞かれたら、タスクの進捗や状況(結果)がどのようになっているかを説明することに責任を持つ
説明できる=いわゆる管理者的な人と考えてください |
C | 協議先(Consulted) | タスク実行を支援するアドバイスなどを行う |
I | 報告先(Informed) | タスクの進捗や状況(結果)の最新情報を受け取る
※CとIの違いは、以下のとおりです。 タスク実行前、実行中に相談する相手:C タスク実行後に報告する相手:I |
利用例: .NET アプリケーションのパフォーマンスとスケーラビリティの向上 - ファスト トラック - 準備とガイダンスの適用方法
[タスクと実行者]というセクションにRACIチャートが掲載されています。
補足
- Aは、必ず1人にするという鉄則があります
- 説明に責任を持つ人がいない、または、複数いるという状況は、誰が正なのかよくわからなくなります
- 説明責任と実行責任を持つ人が同じ場合は「R/A」というように記載します
- プロジェクト計画書の体制や業務のプロセスを定義した文書などに掲載し、周知することが多いです
- プロジェクト開始時に「誰が(どの部署が)何に責任を持つ」を定義することで、プロジェクトの活動(実態)と想定のギャップや重複などを発見しやすくし、改善のきっかけに活用することもあります
責任者が役割を果たすために必要なこととは?
RACIの定義から、「タスクを実行すること」、「タスクの状況について説明すること」、「タスクの実行を支援すること」、「タスクの状況(結果)を把握すること」のそれぞれで「責任を持つ」ところがあるというのは、ご理解いただけたかと思います。
では、「それぞれの責任を持つ人が役割を果たすために必要なこと」とは、なんでしょうか?
私は、以下のように考えています。
役割 | 役割を果たすために必要なこと |
実行責任者(Responsible) |
|
説明責任者(Accountable) |
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協議先(Consulted) |
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報告先(Informed) |
|
まとめ
文字だけだとわかりにくいかもしれませんが、一言で表現するなら
「あるタスクの関係者は、適切な情報共有をするために相互で連携するべきだよね」
ってことかなと考えています。(後で図を追加するかも)
私自身、普段ついつい、「○○やるよー」と、どんな作業を実行するかは報告しても、それをやることで「どんな影響があるか」や「懸念点」の説明を相手が知っているだろうと思い込んで端折ってしまったり、自身に知見がないのに、協議先と詳細を確認しきれていなかったり…ということがあります。
もし、皆さんが日々の業務などで、「これは誰がボールを持っているんだろう?」、「○○さんがやってくれるはずでは?」などと思う場面があったら、RACIチャートを使って意識合わせをすると解決のヒントになるかもしれません。