
【生成AIプロンプト入門】 RAGをシンプルに理解する
こんにちは、リテールアプリ共創部の戸田駿太です。
今回はRAG(検索拡張生成)という技術について紹介します。(今回はプロンプトとは少し違う内容です)
難しい内容で用語が多いので、あまり詳しくない方にもわかりやすく噛み砕いて簡単に説明します。
🤖 RAG(検索拡張生成)とは?
RAG(検索拡張生成:Retrieval-Augmented Generation)は、AIの回答を最適化する技術です。
従来のAIは学習データのみで回答していましたが、RAGでは会社のドキュメントなどの外部の情報を参照して、より正確な回答を生成できます。
⚙️ RAGの基本的な動作プロセス
RAGは主に2つのフェーズで動作します。
- 検索フェーズ
- 外部の情報から関連性の高い情報を探索
- 質問と外部の情報の関連する部分を取得
- 生成フェーズ
- 検索で取得した関連情報と元の質問をAIに渡す
- 外部の情報を活用してAIが回答を生成
📊 RAGの動作イメージ
色々なタイプのRAGがありますが、ここでは最もシンプルなタイプを記載しています。
💡 RAGを利用するメリット
ハルシネーションの低減
AI単体では事実と異なる情報を生成してしまう「ハルシネーション」という問題があります。RAGは信頼できる外部情報源を参照することで、この問題を軽減します。
最新情報の反映
AIの学習データは静的ですが、RAGなら外部の情報を更新するだけで、最新の研究や企業固有の非公開情報をリアルタイムで反映させることができます。
透明性の確保
AIが参照した情報源を明示できるため、回答の根拠を明確にし、情報の信頼性を高めることができます。
🚀 プロジェクトでのRAGの活用事例
プロジェクトの情報や知識をAIと壁打ち
RAGを使用してプロジェクトのデータを読み込ませることで、AIにプロジェクトの情報や知識を質問することができます。
プロジェクトの情報や知識を持った人を擬似的に再現して自由に質問できるような感覚です。
これによりコミュニケーションコストの減少が見込めます。
例えば、依頼元とエンジニアでのコミュニケーションをする際に、依頼元の人が知らない技術的な情報やコードで示している詳細な情報をAIに質問することができます。
完璧に回答までとはいかないですが、ある程度知識を持った上でエンジニアに確認することができ、会話のリレーを減らすことができます。
ドキュメント探索の高速化
大量の文書の中から目的の情報を見つけるために、複数のファイルを開いて検索するなど、時間がかかっているかもしれません。
RAGを導入することで、調べたい内容を自然言語でAIに質問するだけで、関連するドキュメントから必要な情報を検索して回答してくれます。
具体的なメリット:
- 自然言語での検索:「〇〇の設定方法は?」といった曖昧な質問でも理解
- 複数文書を横断検索:関連する複数のドキュメントから情報を統合
- 文脈を理解した回答:単純なキーワード検索ではなく、文脈を踏まえた適切な情報を提供
- 関連情報の提示:質問に直接関係する情報だけでなく、参考になる関連情報も合わせて提示
RAGを使うことで検索精度が向上し、欲しい情報により早くアクセスできるようになります。
📓 NotebookLMでRAGを体験してみる
Googleが提供しているNotebookLMというサービスでRAGを体験することができます。
(他にもサービスはありますが、NotebookLMは無料で使えるのでおすすめです)
このサービスはソースを最優先にし、それに基づいて回答します。
引用も記載するという特徴もあります。
↓こちらからアクセスできます
📝 まとめ
今回はRAGについて紹介しました。
会社のドキュメントなどの外部の情報を参照して、より正確な回答を生成したい方はぜひ参考にしてみてください。
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