仕事の理解範囲が広がると感謝の範囲が広がる

2023.09.11
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
クラスメソッドではCLPとして社員の行動指針や価値観が示されています。
その中に「感謝」という項目があります。
相手を尊敬し・信頼し・感謝する発言や行動をします。すべての仕事は信頼関係の上で成り立っています。まず先に相手に見返りを求めるのではなく、自ら進んで周囲に良い影響を与えられるように努力します。
この感謝ですが、個人のマインドによる影響はありますが、その他に影響を与える要素の一つとして「仕事の理解範囲」があります。今回は、仕事の理解範囲と感謝の関係についてまとめます。

仕事の理解範囲と感謝の関係

多くの仕事は、1人の個人や1つの役割で完結しているわけではなく、多くの人や多くの役割で連携しあって成り立っています。
例えば、The Model形式で顧客価値の提供に直接関わる業務としては以下のようなものがあります。
  • マーケティング
  • インサイドセールス
  • 営業
  • カスタマーサクセス
各役割が連携し、認知を高め、意向を上げ、受注につなげ、顧客を成功に導きます。どこか一部だけでは仕事は成立せず、全てがうまくいくことで全体がうまくいきます。全体がうまくいくことで売上が上がり、利益が増え、その結果の報酬が社員全体に還元されます。
例えば、顧客価値の提供に間接的に関わる業務としては以下のようなものがあります。
  • 経理
  • 財務
  • 法務
  • 総務
  • 情報システム管理
  • 危機管理
  • 労務
  • 採用
  • 人材開発・組織開発
顧客とのやりとりや、企業活動を継続する上でこれらの間接部門の役割も欠かせません。
これらの直接・間接の業務が企業全体で生み出す価値や効率に影響を及ぼします。
自分だけでは成し得ない他者との協力関係で会社内の活動は成り立っているのです。
  • 社内にはどのような業務があるのか?
  • それらの業務はどのような制約の中で取り組んでいるのか?
  • 各業務にはどのような難しさがあるのか?
こういったことに想像が及ぶと、ちょっとした出来事が感謝の対象に変化してきます。
※DevelopersIOの読者は開発者が多いことから、あえてみなさんが一番良く知る開発の話は除外しました

仕事の理解範囲を広げる方法

仕事の理解範囲を広げる方法は大きく分けて2つあります

自社の仕事の全体像を理解する

自社の仕事の全体像を理解するため、自社について以下のような情報を知ることが必要です。
  • 自社の各部門の役割
  • 自分が関与している製品、サービスに関するビジネスプロセスの全体像
  • 自分が関与していない製品、サービスに関するビジネスプロセスの全体像
  • 直接的なビジネスプロセス以外の間接部門が関わる業務プロセスの全体像
  • 各プロセスの中にどのような役割が存在し、どのような責務をになっているか?

 生の情報として現場の声を聞く

単なる知識としてのプロセスや役割の理解以外に、実際に各役割を担っている人とコミュニケーションを取ることで、各業務を担当する人目線の生の声が聞けます。また、社内の資料にまとめた大枠の業務内容の情報では知ることのできない細かな苦労や喜びの瞬間を聞くことができます。これにより血の通った業務理解につながっていきます。
また、こういったやりとりの中で明確な役割が存在しない境界に存在するこぼれ球を積極的に拾ってくれている人たちの存在も明らかになります。
単に知識だけなら資料で大枠は補えるかもしれませんが、生の情報として知るためには実際に関連する役割を担う人たちとのコミュニケーションが一番です。

まとめ

「仕事の理解範囲」と感謝の関係についてまとめました。
周りで様々な役割を担ってくれている人たちがどのような業務を受け持ってくれているのか?
彼らはどのような悩み、課題、難問、制約を抱えているのか?
これらを理解することで、感謝の対象に気づきやすくなります。
自分が仕事をしているとき、自分の見える範囲にいる人だけが関わっているわけではなく、様々な役割の人が様々な業務を担当してくれています。最近、私はストリーマーがあつまるストリーマーサーバー関連の動画を見ることがあります。ある配信者Aさんの目線で起こった出来事の中にBさんやCさんが関係していたとします。Aさんの配信に現れたBさん、Cさんがどのような経緯でそこに現れていたか、別途あとからBさん目線、Cさん目線で確認することができます。他者の業務を知ることはこれに近い感覚があります。あの出来事の裏ではこんなことが起こっていた。こんな理由があった。表面的に見えたあの出来事の裏にはより壮大な背景があった。他者の仕事を知ることで、そんな発見をすることができます。
感謝と尊敬が相互に生まれると信頼関係が構築しやすくなります。結果として、部門内外の不健全な衝突は減り、逆に健全な意見の交換としての衝突は増え、協力的に振りまいやすくなり、問題を解決しやすくなります。
感謝の感度を高めるために、他者の仕事に関心を持ち、交流を広げてみるとよいでしょう。

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