RaycastからAIを呼び出せる!Raycast AI Betaを試してみた!

Open AIの生成系AIを気軽にRaycastというランチャーツールで利用できるRaycast AI Betaを試してみました!現在はWaitlistに登録した人の一部が利用できる状態ですので、興味のある方はぜひWaitlistに登録してみてください!AI機能がなくてもRaycast自体が便利なので、未利用の方はご検討ください!
2023.05.05

こんにちは。AWS事業本部コンサルティング部に所属している今泉(@bun76235104)です。

最近の生成系AIの進歩の早さや使い勝手の良さに驚くばかりです。

最近RaycastというMac用のランチャーツールを愛用しており、自作の拡張機能をStoreに公開したりしています。

Raycastをご存じない方は以下の記事がわかりやすかったのでご参照ください。

1月前くらいにRaycastから手軽にAI機能を利用できる機能のWaitlistに登録していたのですが、以下のようなメールとともに機能を利用できるようになっていました!(Beta版)

# メールの冒頭
Good news!
You filled the Raycast AI waitlist form and now you've been selected for the Raycast AI Beta!

Raycast AI Betaについては以下ページをご参照ください。

今回の記事では現時点でも利用できる機能のうち以下の3つを試してみたので、使い勝手とともに紹介します!

  • Quick AI
  • AI Chat
  • AI Commands

なお、以下の点について前提条件としてご認識をお願いします。

  • Raycast AI Betaは現在もWaitlistに登録していた一部のユーザーのみ利用できる状況です
  • 私の利用している環境について
    • OS: macOS Meonterey
    • Raycast: Version 1.50.3
  • 今回一部プログラムのソースコードをAIに提示していますが業務コードや機密情報を含んだコードではありません
    • 私が個人的に製作を始めたOSSのコードを提供しています
    • また、Raycast AI自体でデータの収集や学習への利用を否定しています
      • We value privacy and never collect any sensitive information. None of your inputs are recorded or used to train models. All Raycast AI features are powered by OpenAI's APIs.
      • 参考: https://www.raycast.com/ai
  • コミュニティのチャットにおいて、記事の執筆に問題がないことを確認しています
  • 2023年5月5日現在の機能をベースに記事を執筆しています

※ 2023年5月5日 23:54追記。公式のTwitterで以下のようにアナウンスされているので、条件を満たせば割とすぐにRaycast AI Betaを利用できそうです。

先にまとめ

機能を触ってみた所感や重要そうなポイントをまとめておきます。

  • 現在はGPT-3.5モデルのみ利用できる
    • 少し前までGPT-4モデルを利用できたようですが、現在はいくつかの問題があって利用できないようです
    • GPT-4が再び利用できるようになるまでもう少し時間がかかる模様(コミュニティのチャットルームにて確認)
  • Quick AIと呼ばれる「とにかく手軽にAIに質問したい」時に便利な機能がバージョン1.50.0より利用できる
  • レスポンスはとても早く、ストレスを感じないレベルです
  • AI Commands と呼ばれる機能で手軽にAIを利用した自家製コマンドを作成できるようです
    • ※ まだ細かく検証できていません

機能については以下の動画によくまとまっていますので、興味のある方はご参照ください。

Quick AI

Raycastを開いてtabキーを押すことで、すばやくAIの機能を呼び出すことができます。

  • まずRaycastを開きます

20230505_raycast_ai_bata_quick_ai1

  • tabキーを押下します
  • すると以下のようにAIに訪ねたいことを入力できる画面に遷移します

20230505_raycast_ai_bata_quick_ai2

  • お願いしたいことを入力してEnterを押下すると解答をくれます。

20230505_raycast_ai_bata_quick_ai3

一連の動作を試してみたのですが、レスポンスは非常に高速です。(むしろ私の誤字も汲み取ってくれてありがたい)

20230505_raycast_ai_beta_quick_ai

以下のような場面で重宝しそうです。

  • とにかくさっとAIに聞きたいことがある
    • さっと翻訳機能を使いたい場合
    • 意味はわかっているけど言葉や答えが出てこない場合
    • など

また、cmd+jを押すことで後述するAI Chatに移行できるので、そのままガッツリAIに指示を与えることもできそうです。

20230505_raycast_ai_bata_quick_ai4

AI Chat

いわゆるWeb版のChatGPTのように、ChatベースでAIに質問・指示を与えて返答をもらえます。

  • Raycastを開いて「AI Chat」の機能を呼び出すことで利用できます。

20230505_raycast_ai_bata_ai_chat1

  • 手始めに以下のような指示を与えます

20230505_raycast_ai_bata_ai_chat2

  • 次に具体的なソースコードを提供して改善点を提示するように求めてみます
    • なお提示したOSSのコードはこちらです
    • 冒頭に記載したようにこちらは私がパブリックなOSSコードです

20230505_raycast_ai_bata_ai_chat3

  • すると以下のように改善点について具体的なコードを交えながら提示してくれます
    • ※ 何の参考情報やコンテキストも指示していないためすべてが納得!と言えるかというそうでもありませんが、全体的に「耳が痛い点が結構ある」という所感です

20230505_raycast_ai_bata_ai_chat4

返却されている内容はさておき、レスポンスの速度の参考程度に以下gifを用意しています。

20230505_raycast_ai_bata_ai_chat_response

快適な速度であるという雰囲気だけでも伝われば幸いです。

AI Commands

最後に気軽にAIを利用したコマンドを作成できるCreate AI Commandの機能を試してみました。

  • Raycastを開いてcreate ai command のように入力することで、コマンドの作成画面に遷移できます。

20230505_raycast_ai_bata_ai_create_command1

20230505_raycast_ai_bata_ai_create_command2

  • 今回は日本語を英語にサクッと翻訳する時に利用できるコマンドを作成してみます
  • 以下のように各項目を入力しました
    • なお、今回はCreateivityをMediumとしていますが、今回のように創造性よりも信頼性を重視する際は低い値にしてもよいかもしれません

20230505_raycast_ai_bata_ai_create_command3

  • さっそく作成したコマンドを呼び出してみます
    • 以下の日本語をコピーしておいてこのコマンドを呼び出します
    • 「私はRaycast AI Betaを試すことができて非常にうれしいです」
  • するとクリップボードにコピーした文章を元に英語の翻訳を生成してくれました

20230505_raycast_ai_bata_ai_create_command4

あっけなく翻訳ができましたね。

ちょっとしたコマンドならRaycastだけで完結できそうですし、キーボード操作ですばやく実行できてしまうのが非常にすばらしいと感じました。

このコマンドにはまだまだ可能性を感じます。

ちなみにRaycast AI Betaを利用できる時点で以下のようなAI Commandが用意されているため、よく使うコマンドはある程度そのまま使えそうです。

20230505_raycast_ai_bata_ai_create_command5

さいごに

以下のような感想を持ちました。

  • Raycast自体がキーボードですぐ呼び出せて便利なのにそこからAIを呼び出せるのが非常に便利
  • AIを利用したコマンドを自作できる機能が「毎回AIに指示を出したくないけど、頻繁に使う指示」に便利そう
  • Raycastのログインだけ済ませておけばAPIキーなどの設定が不要なので便利であると感じた
  • 現在のところレスポンスは非常に快適

Raycast AI自体がまだまだBeta版の機能であるため、私自身も積極的にフィードバックを出そうと思います。

ぜひご利用中の方は積極的にフィードバックをして、興味を持たれ方はWaitlistに登録してみてはいかがでしょうか?

この記事がどなたかの参考になればうれしいです。

以上、今泉でした。