【レポート】「製造業・エンジニアのための技術ライティングセミナー」に参加しました。

2020.04.29

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こんにちは。
データアナリティクス事業本部プロダクト営業部プリセールススペシャリストの兼本です。

突然ですが、皆さんは文章を書いていますか。
私はクラスメソッドにジョインしてから割と文章を書くようになりましたが、まだまだプロのライターさんには及びません。

そんな折、テクノポート社が主催するテクニカルライター向けのオンラインセミナーがあるということで、参加させていただきました。
同社は製造業を中心としたWebマーケティング支援を実施されており、2020年04月13日には国内初となる技術系ライティングサービス事業の開始を発表されています。

セミナー開催の背景

新型コロナウィルス感染症(COVID―19)の感染拡大防止のため、多くの企業が在宅勤務や休業を余儀なくされています。またリモートワークや副業が推進・推奨されている社会情勢を受け、技術者のスキルアップと技術系ライターという経験を活かした仕事についての情報をお伝えすることで、今後の製造業の発展に貢献することができると考え開催を決定いたしました。

セミナー概要

  • 日時:2020年4月28日(火)13:00〜14:30
  • 費用:無料
  • 対象:
    • 製造業をはじめとした技術系企業で休業、在宅勤務を行っている技術者
    • 自社のコンテンツ制作に技術ライティングを活かしたい技術者
    • 今後、副業で技術ライティングに取り組みたいと考えている技術者
  • 内容:
    • 13:00〜13:30 技術ライティングとは 講師:馬場吉成(公式サイト、Twitter: @byoshinari
    • 13:30〜14:30 製造業・エンジニアのためのライティング講座 講師:石川玲子(公式サイト

技術ライティングとは

第一部では工業製造系ライターの馬場さんから、国内の製造業(特に中小企業)における技術ライティングの現状と必要性についてお話しがありました。

よい技術を持っていたり、よい製品ができればそれをアピールするのがマーケティングの基本なのは皆さんご存じの通りかと思います。
しかしながら、国内製造業においてはそのアピールが全くできておらず、その存在すら気づかれていない素晴らしい技術がたくさんあります。

最近では、一般のエンジニアの方が探し物をする際にインターネットで検索しますが、そこに対するアピールもできてないので、新規顧客の獲得ができず、過去の取引顧客や人づてでのビジネスに頼らざるを得ない状況です。
アピールしたくても技術的に優れている点を文章でわかりやすく説明するには、その技術を理解していることが重要であるため、技術出身ではないライターに記事を書いてもらっても、要点を抑えるのが難しいという課題があります。

だからこそ、製造業の経験・知見のあるライターなら「素早く理解して書くことができる」。
つまり、製造業の経験や知識があれば、「技術系ライターとして活躍できる」と言えます。

技術ライターは、人を泣かせる文章を書く必要はなく、わかりやすい文章を書くことが重要であり、読者が誰なのかを意識して、(1)わかる人にわかるように書くこと、そして、(2)わからない人にわかるように書く書き分けも必要です。
(1)と(2)は一見相反するようですが、読み手を想定してかき分けるというのは、とても大事なことです。

馬場さんからは、最後に、

技術ライティングで製造業を盛り上げます。

という熱い思いを語っていただきました。

そういえば、弊社エンジニアもAWSの本執筆してたりしますね。これも普段から技術に慣れ親しんでいるからこそかもしれません。

製造業・エンジニアのためのライティング講座

第二部は、工業エンジニアライターの石川さんによる技術ライティング講座です。

技術ライティングのみならず、文章を書く上で非常に重要なポイントを段階に分けて解説いただきました。
中身が濃いので、ここではすべてをお伝えするのは難しいですが、要点は以下の通りです。

1. 文章で最も大事なことは、他者目線を持つこと

知らない人に理解してもらうためであり、仲間内での会話のように省略したり曖昧さを残してはいけません。

  • 事例1)
    • BAD : 次回セミナー
    • GOOD: 2020年4月24日のセミナー
  • 事例2
    • BAD : 港区のショールーム
    • GOOD: 東京都港区のショールーム(※港区は大阪府や愛知県にもある)

また「新しい価値観を提供する」や「地域と未来に貢献する」といった言い回しも技術ライティングにおいてはあまり推奨できず、より具体的な例示をしたほうが良いです。

2. 文章を書く準備

文章を書くのは料理に似ており、大まかに以下のという流れで文章を書きます。

  • 対象を確認する
  • 何を書くか決める
  • 材料をそろえる
  • 作業を行う(文章を書く)
  • 提供する(公開するためにチェックする)

ただし、第一部の馬場さんのお話でもあったように誰に向けた文章なのかが重要で、例えば、採用向けコンテンツであれば対象が新卒採用なのか中途採用なのかで書き方を変えたほうが良いです。

特にテクニカルライティングは企業名などを広く認知してもらうための認知広告とは異なり、ターゲットを絞った広告を書くことが多いので、できるだけ明確なメッセージを伝えたほうが読み手に伝わります。

また、この段階で材料をそろえておくと、次の「書く」段階で内容が膨らみます。文章が足りないと感じるときは準備が足りないので、準備をきっちり深堀することが重要です。

3. 文章を書く

文章を書く上での情報の整理の仕方にはいろいろありますが、石川さんは三分割という考え方を紹介されていました。
(写真の構図に三分割法という手法がありますが、ライティングにも同様の考え方があるのですね。)

ライティングのおいては、コーネル大学の「板書」「気づき」「要約」(コーネル式ノート術)や、マッキンゼーの「空・雨・傘」の思考パターンなどに基づいて文章を書くのが良いです。

上記手法に基づいて文章を整理することで文章に説得力が生まれます。(これ、私も文章を書くときに心掛けるようにしたいと思います。)

以下はライティングというよりも文章を書く上での基礎ですが、以下の6つのポイントについても注意しましょう。

  • 文章を短く整える
  • 語尾をそろえる
  • 主語は文章の初めに出す
  • 修飾語と被修飾語をくっつける
  • 同じ単語を連用しない
  • 箇条書きは表も活用してシンプルに表現する

4. 公開するためにチェックを行う

外部に公開する文章は、以下のルールを守る必要があります。

  • 薬事法
  • 景品表示法
  • 特定商取引法
  • 著作権法
  • 雇用機会均等法

また、法律で定められているわけではありませんが、差別的なニュアンスを含む言葉や相手を貶める表現を用いるのはマナー違反であり、炎上リスクなどにつながる可能性もあるため注意を払う必要があります。

まとめ

いかがでしたか。今回は2020年04月28日にオンライン形式で開催されたテクニカルライティングセミナーについてご紹介いたしました。
国内では、技術のわかるライターが不足している状況と聞いています。
弊社ブログをご覧いただく方の多くがエンジニア職なんじゃないかと思いますので、もしライターに興味がある方がいらっしゃいましたら挑戦されてはいかがでしょうか。(私も副業でゴニョゴニョ…)

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。