【レポート】『AIと機械学習で実現する、持続可能な産業への転換』についてのセッションを受けました。#GoogleCloudNext

【レポート】『AIと機械学習で実現する、持続可能な産業への転換』についてのセッションを受けました。#GoogleCloudNext

『Google Cloud Next ’21 Recap: Japan』で公開されたセッションのレポート記事です。 今回は、AIと機械学習で実現する、持続可能な産業への転換についてのセッションをご紹介します。
Clock Icon2021.11.26

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2021年11月24日、25日にオンラインで開催された『Google Cloud Next ’21 Recap: Japan』 に参加しました。

その中でも気になったセッションをピックアップしてレポートをしていきたいと思います。

セッション概要

今回は『AIと機械学習で実現する、持続可能な産業への転換』と題して、GoogleCloudが提供するAIと機械学習サービスを利用して、特に産業分野への導入のポイントやノウハウをいくつかの具体例を踏まえて紹介する、といったセッションになります。

登壇者はGoogle Cloud デベロッパーアドボケイト 佐藤一憲 氏です。

機械学習は製造業や産業のあり方を変革し得る存在

これまで、AIや機械学習が現場に導入され手もうまく行くことが少なかったという背景があります。AIや機械学習導入には陥りがちな落とし穴がいくつかあり、その落とし穴にはまることなく能力を引き出すにはどうしたらよいのでしょうか?


特に今回は産業適用制御(IAC)においてのAI導入にフォーカスして話をしてくれていました。

IACについて

IACをうまく行えば、

  • 二酸化炭素排出量の最小化
  • 優れた費用対効果の実現
  • 生産のスループットの最大化

といったメリットが得られます。

現在新しい常識となりつつあるSDGsの観点から見ても大きなメリットであるだけでなく、環境に配慮しながらコスト面、生産面でもメリットを得ることが可能になっています。

IACのしくみ

AIやML導入を成功させるカギとなるのはこのようなループパターンにあてはめて問題点を明確にすることであるといえます。

GoogleのAIの歩み

  • AlphaGo(2016年)

兄弟会社のDeepMindと開発したコンピューター囲碁プログラムで、囲碁のチャンピョンを打ち負かしました。ゲームにおける最適な戦術を計算から導き出すことに成功し、ここからこのAI技術を現実世界に応用する取り組みが始まります。

  • Googleデータセンターでの空調設備の最適化

データセンターにおけるエネルギー消費を30%~40%削減に成功

  • 商業設備や生産現場の空調設備
  • 自動車の塗装工程の最適化

ベストプラクティスについて

まずは要件定義をより細かく、明確化することが重要になります。

AI分野として最適かどうか?

先ほどほどのループパターンに顧客や適用分野にうまく当てはまるかどうかを、うまく見極める必要があります。AI導入をすることで大幅な改善が見込めるのか考えてみることが大切です。

また、万が一エラーが出てしまった際に致命的な損失を生まないか、例えばエラーによって生産ラインが停止してしまうようなことが起きないかどうかというのもここで考えるべき点になります。

最適化の目標を精査

どのパラメーターやビジネスのKPIを最適化したいのかを明確にする必要があります。現場の方や企業の方のニーズをうまく分析し、どこにAI導入して改善できるのかを精査する必要があります。

現実世界での制約

実際にAI導入を考えるとなると、例えば二酸化炭素の排出量を減らすだけではなく生産率は下げたくない、気象等の環境条件に左右される現場であるというような様々な制約が出てきますよね。
こういった要件をよく理解をして置くことも重要です。

トレーニングデータの収集

データ収集で配慮すべき点としては

  • 十分な量と粒度か
  • 正確か
  • あらゆる状況を網羅しているか

量はもちろんですが、欠損値がないか、障害時のデータがあるのか、といったこともデータ収集をする際に考慮する必要があります。

AIへの信頼の確立

モデルの制度は非常に良いのに現場で実際に働いている方々に使っていただけないという例もあるようです。これはAIと人間の信頼関係がうまく取れていないことが原因です。


いきなり機械学習だけに運用を任せるのではなく、最初はAIが出した結果を人間がダブルチェックをしていく。AIが出した結果をもとに人間がトラブルシューティングするようなことを行う。
こういった過程を経て実際にAIの自動運用に切り替えていくというのがベストプラクティスになります。

ここに多くの時間やリソースをかけていく、場合によっては趣味レーション環境を用意し、そこでうまくいくことを確認してから実際に導入をすることも必要になっていきます。

パフォーマンスの測定

目標値の明確な設定はもちろんですが、生産現場の様々な要因を考慮した上で、パフォーマンスの測定を行っていきます。A/Bテストによる効果測定などを活用していきます。

AIはソフトウェアであるためON・OFFの切り替えも簡単にできます。そのためパフォーマンス測定の点でもメリットになると言えます。

個々の問題にカスタマイズした統計

現場の職人さんが長年培ってきた物理モデルやドメイン知識を機械学習にうまく組み込んでいくところも重要な点になります。

まとめ

  • 問題点を適切に選び出し、詳細に明確化する
  • 網羅的かつ性格で、課題を捉えられるトレーニングデータを収集する
  • AIと人の信頼関係を確立する
  • パフォーマンスを客観的に推測する
  • ドメイン知識を組み込む

これらがAI導入を効果的に行う上でのノウハウになります。

感想

実際の現場ですぐさま使えるようなノウハウの宝庫でした。GoogleがこれまでのAI導入で培ってきたノウハウをベストプラクティスとして公開してくれているのはこれから機械学習導入を考えるすべての方にとって非常に安心できる要素だと思いました!

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