SendGridの自動IPウォームアップを試してみた

SendGridの自動IPウォームアップを試してみた

SendGridの自動IPウォームアップを試してみた
2025.11.05

こんにちは、昴です。
今回はSendGridで専用IPアドレスを使い始める際に必要となる「IPウォームアップ」について、自動IPウォームアップという機能について見ていきます。

はじめに

SendGridとはメール配信を専門に行うクラウドサービスです。
特徴として、大量のメールを確実に届けることができ、開封率やクリック率などの分析も可能です。またAPIで自動送信もできます。
今回は自動IPウォームアップ機能を実際に試してみたので、その設定方法や運用のポイントをご紹介します。

IPウォームアップとは

IPウォームアップとは、新しいIPアドレスから送信するメール量を段階的に増やしていくプロセスです。これは受信側のISP(インターネットサービスプロバイダ)に「信頼できる送信者」として認識してもらい、配信到達率を高めるための重要なステップです。
新しい専用IPアドレスからいきなり大量のメールを送信すると、ISPから「怪しい送信者」と判断され、メールが迷惑メールフォルダに振り分けられたり、ブロックされてしまう可能性があります。

実践

それでは実際にIPウォームアップの設定をしていきます。
SendGridのコンソールからSettings > IP Addressesへ移動します。対象のIPアドレスの行の一番右にあるEditを選択します。

SendGrid-ipaddresses

編集画面に入るとAdditional Optionsの項目の中に「Use Automated IP warmup」があるのでこちらを有効化します。これで自動IPウォームアップの設定は完了です。補足として、この自動IPウォームアップは送信数を制限するものであり、メールの送信や送信先リストの作成等は別で自分で行います。

Use Automated IP warmup有効化

また説明として下記の内容があります。

選択すると、このIPはウォームアップするにつれて、1時間あたりの送信制限を徐々に増加させます。制限を超えたメールは、アカウントで利用可能な他のIPを使用して再試行されます。72時間経過しても配信されなかったメールは期限切れとなります。

ウォームアップ中のIPアドレスからは、最初は1時間あたり20通まで、翌日は28通まで…と自動で上限を増やしていきます。上限を超えた分は、他のIPがあればそちらで送信、なければ再送されます。

自動IPウォームアップイラスト

その他のウォームアップを成功させる方法

1日当たりの送信数を制限する以外にもウォームアップを成功させる方法がいくつかあるので簡単にご紹介します。

  • エンゲージメントの高いリストから始める
    ウォームアップ期間中は、メールの開封率が重要となります。そのため過去30日以内に開封・クリックしたユーザーや定期的にやりとりがあるユーザーなど、最もアクティブなユーザーから送信を開始することが最重要です。

  • 配信するコンテンツを考える
    開封率を上げるために、送信先と同様に配信する件名や内容を考える必要があります。スパムとして誤解されないようなコンテンツを考えることが重要となります。

  • 送信ドメイン認証
    メール認証は、IPウォームアップの成否を左右する基本的な要素となります。どんなに良質なコンテンツを送っても、認証設定が不十分だと、ISPから「なりすましの可能性がある」と判断され、迷惑メールフォルダ行きになってしまいます。SPF(送信元IPアドレスの正当性を証明)、DKIM(メールの改ざん防止と送信元の認証)、DMARC(認証失敗時の処理をISPに指示)の3つが必要となります。これらの認証設定により、ドメインからのメールが正当なものであることを証明し、なりすましや改ざんを防ぐことができます。
    SendGridのコンソールからSettings > Sender Authenticationにアクセスし、すべての項目が「Verified」になっていることで確認できます。

SendGridのIP認証

  • モニタリング
    ウォームアップ中は毎日必ず配信状況を確認し、問題があればすぐに対応することが重要となります。

まとめ

今回はSendGridのコンソールから簡単にメールを送ってみました。
SendGridの自動IPウォームアップは「どのくらいの量を、どのタイミングで送るか」を自動で調整してくれます。
本ブログが少しでも参考になれば幸いです。

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