メンターを初めて行った感想、またはどのような質問をすればよいのか
はじめに
サーバーレス開発部の平田です。
サーバーレス開発部では、この度新しく入ってくる人を対象に、メンター制度がスタートしました。
メンター制度というのは、我々が行ったものとしては、「一週間のふりかえり」をまず行い、その中で悩んでいることや、不安に思っていることを、メンター(聞き取りを行う側)とメンティー(一週間行ったこと・悩み事を話す側)の2人で解消していくというものでした。
なぜメンター制度を始めたかと言うと、早期の問題・疑問・悩みの解消により、新しく入ってくる人の部への定着を助ける、という理由から今回部でスタートすることになりました。
また、メンターを行うのは、他部門で行っていたことを参考にし、一番最後に部に入社した人が行うことになりました。これは、「一番最後に入った人が、一番困りごとに対する知識が新しいから」という理由からです。
さて、というわけで今回私がメンターを行うことになったのですが、私はメンターを行ったことも、それどころかメンティーになったこともありませんでした。そこでメンターを行うにあたって、色々調べたのですが、なかなかネット上にはどうすればよいのか、どういつ質問を投げかければよいのか、という情報がなく苦労いたしました。
ですので、この記事では新しくメンターをする人を対象に、一体全体メンターは何をメンティーに行えばよいのか、ということがちょっとでもわかるように、私がメンターとして行ったことを書き残したいと思います。
サーバーレス開発部で初めて行ったメンター制度であるので、以下の内容は将来的には違うものになっているかもしれないことは、予めご承知ください。
メンター制度とはどういうものなのか
そもそも、メンター制度というのは一体どういうものなのでしょうか?以下に簡単な図を出して説明したいと思います。
引用: https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000106269.pdf 3ページ目
上記の図のように、基本的に直属の上司以外の人がメンターとなり、メンティーと一緒に対話を行い、目的のために課題を解決していく、というのがメンター制度となります。上司からの命令のようにああしろこうしろと言うのではなく、側面から一緒になってメンティーを支えていくことがメンターには求められています。色々調べたところ、メンターになる人は、いくらか経験を積んだ「お手本」となれるような人が望ましく、「メンター」の意味通り指導者のような人が望ましいようです。
信頼関係を築き、様々な相談をしやすいように、また相談事を解決しやすいように、
- メンターは上司のように評価を行ったりする利害関係のない人間が選ばれるべき
- 基本的にはメンターとメンティー間のみで相談事を共有するようにし、緊急を要する場合以外は秘密にする
- 数ヶ月間・あるは1年以上行う
というのが一般的・原則なようでした。
国としてもメンター制度についての資料を出しており、私はそれらをいくらか読んでメンター制度について勉強しました。参考にした資料を次に挙げます。
- 厚生労働省:女性社員の活躍を推進するための「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」
- 「女性社員のための」と書かれていますが、女性社員以外にメンタリングを行う際にも、参考になる点が多く書かれていると思いました。
- 人事院:メンター制度
実際はどのように行ったのか
以上のような原則はあったのですが、今回行ったメンター制度では、いくつかそれから外して独自に行った点があります。
- 今回部で行ったメンター制度としては、入社直後に発生していく問題の早期解決によって、部への定着を助けるというのが目的でした。今回メンターを行った私はまだ社会人経験も片手で数えられるほどですし、入社してまだ1年も経っていないので、メンターとして推奨されるお手本となるような人間でも指導者というわけでもありません。ですが、最後に部に入社した私が、目的にあった問題に一番最近に触れており、それについて一番良く覚えているということから私がメンターに選ばれました。
- 上記のような目的から、期間は1ヶ月間、ふりかえりは週1回で行いました。
- メンター・メンティー間のみで相談事は秘密にするというのが、信頼関係を保ち、様々な話をしやすいようにするために推奨されているようです。しかし、上記のように未熟な私だけでは問題を解決できない恐れがあるため、上長にもふりかえりの内容について共有することになりました。もちろん私と上長以外には、内容は秘密になるようにしました。この記事でも、質問の回答や、問題を解決出来てよかった/問題が出なくてよかったということは伏せたいと思います。更に、どうしても上長には伝えたくない事柄であれば、上長には言わないというのも、初回のふりかえりでメンティーに伝えるようにしました。
以上のような変則的な点もあり、最初はメンターとして認めてもらえるのか、信頼関係を築けるのかというのが不安でしたが、結果としては少なくとも大きく信頼関係が崩れることもなく、ちゃんとメンティーから回答をいただけていたので、このような形でもよかったのかなと考えました。
メンターはどのような質問をすればよいのか
私としては、ここがメンターを行う際に一番悩みました。というのは、「メンター制度というのはどういうものなのか」というのは、上にも挙げたとおりいくつかネット上に資料がありました。しかし、実際どのような質問をすればいいのか、というのはネット上にはほとんどなく、かなり悩みました。とりあえず初回のふりかえりはいくつか考えて、ぶっつけ本番で行いました。
結論から言いたいと思います。「メンターがメンティーに行うべきXつの質問」のような答えはないと思います。
というのは、目的の達成のため、今回であれば入社時の様々な疑問・不安の解消のために質問を行うのであって、決まった質問の答えを聞いたら終わりというのではないからだと考えました。ふりかえりで一週間行ったこと・これから行うことをメンティーに話してもらい、その中で疑問・不安がありそうなところを質問していく、というのがメンターには求められているかと思います。どのような質問をすればいいのか、というのは相手に気持ちになれば自然と浮かぶかと思います。
ただ、アイスブレイクとしていくつか次のような質問をし、メンティーの疑問・不安がないかを引き出すというのはアリかと思います。
- ここ一週間で行ったタスクと、これから一週間で行うタスクはなにか、これからやるタスクはどれくらいかかりそうか
- 入社してどう思ったか、なにか楽しかったこととか辛かったこととか
- 入社時のオリエンテーションや、部の説明で、説明不足だった点はあるか
- 仕事の量は適切か、多すぎたり、逆に手持ち無沙汰になったりしていないか
- プロジェクトはどのような案件か
- プロジェクトのメンバーとはコミュニケーションを取れているか、メンバーの大まかなタスクは把握しているか
- タスクの進め方はどうしているか
- これからやっていきたい技術、仕事はあるか
- 社内イベントについて、なにか疑問点はあるか
繰り返しになりますが、上記のような質問をしたらメンターの仕事は終わり、というわけではないと思います。上記の質問をして、なにか困っていることや詰まっていることがないかというのを確認し、さらに質問をしていくというのが必要かと思います。
メンターを行った感想・おわりに
すみません、色々かっこいいことを書き連ねたのですが、正直自分ではあまり実践出来ていなかったと思います。メンティーの疑問・不安をさらに引き出し、もっと一緒に解決出来たのではないかなと思いました。
行った感想としては、最初は本当にうまくいくのかな…とちょっと不安だったのですが、一回やったところでだいたいこんなものかという目処が付いて、気持ちとしては落ち着いてメンティーの話を聞けるようになり、結果としては大成功!とは行きませんでしたが、大失敗ではなかったように思います。というのは、ちゃんとメンティーから質問・疑問などを毎回話していただき、それの解消が出来たと思うからです。
メンティー側でなくメンターである私側で良かった点としては、悩みや疑問について一対一で人の話をしっかり聞く、というのは仕事では初めての経験であったので、この点においてはいくらか成長できたのかなと思います。またメンティーの今の状態を、上長に報告するというのも、文章にうまくまとめる力がついてよかったのかなと思いました。最初は不安だったというのは上で書きましたが、2回目以降はこういった質問をすれば疑問・不安が出てくるのではないか、ということを考えることができ、それがあまりしたことがなかった体験であったので正直楽しかったです。
結論として、メンターとメンティー相互により良い経験ができ、また目的もある程度達成できたと思うので、今後も部では続けていくべきなのではないかと個人的には考えています。
これを読んだ人が少しでも参考にし、メンター側の不安要素が少なくなりより良いメンターとなり、目的の達成・問題の解決のための手助けになれれば幸いです。
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