![[レポート]SNOWFLAKE WORLD TOUR 2025 - TOKYO:Day1 KEYNOTE #SWTTokyo25](https://images.ctfassets.net/ct0aopd36mqt/4c23cKcRWSfL7fbZjZSEYa/9a2f285542f7937bedd49a78ad421a45/eyecatch_snowflakeworldtourtokyo2025_1200x630.png)
[レポート]SNOWFLAKE WORLD TOUR 2025 - TOKYO:Day1 KEYNOTE #SWTTokyo25
さがらです。
2025年9月11日~2025年9月12日に、「SNOWFLAKE WORLD TOUR 2025 - TOKYO」が開催されました。
本記事はセッション「Day1 KEYNOTE」のレポートブログとなります。
登壇者
- スリダール・ラマスワミ 氏
- Snowflake Inc.
- 最高経営責任者 (CEO)
- ジョン・ロバートソン 氏
- Snowflake Inc.
- APJプレジデント 兼 会長執行役員 (VP, APJ Sales)
- 浮田 竜路 氏
- Snowflake合同会社
- 社長執行役員
- 松本 淳一 氏
- Snowflake合同会社
- 執行役員 第一営業統括本部長
- 加藤 恭子 氏
- 全日本空輸株式会社
- 上席執行役員 グループCIO デジタル変革室長
- 松永 久 氏
- dentsu Japan
- データ&テクノロジープレジデント
- 長﨑 忠雄 氏
- OpenAI Japan 合同会社
- 代表執行役社長
Snowflake浮田氏から
- この東京のイベントが、Snowflakeで世界最大のイベントとなった
- このイベントを通して新しいアイデアを見つけてほしい
- この一年でパートナー65社以上増えた
- 資格保有者は国内で1883名となった
- 昨年新しい東京オフィスオープン
- お客様の興味は生成AI。しかし、データの統合が必要、データの品質も必要
- 生成AIの活用においては、小さい成功を積み上げて行くことが大事
Snowflakeスリダール氏から
- 冒頭挨拶
- 今日は集まってくれてありがとう
- データを使ってさらなる成功を生み出すことが重要になっている
- NTT DOCOMO社の例
- モバイルデータ分析基盤を構築
- Streamlitを用いて、最前線での意思決定に活用している
- 通信の新しいあり方を表現している
- シンプルさ
- 一つの一体となったプロダクトである必要がある
- プロダクトのデザインにおいて、シンプルさをデザインの中心に捉えている。これこそが差別化要因
- 他の企業は機能を重要視するところがあるが、仕事を完成するのがもっと難しくなってしまう可能性がある。そのためSnowflakeは、シンプルさに注力している
- シンプルさはAI時代において更に重要
- EASY 簡単
- SnowflakeのAIは使いやすさを意識したデザインをしている
- FUJIFILM社の例
- ヘルスケア、エレクトロニクス、様々な事業を展開している
- データを統一化することで、セルフサービスのアナリティクス、生成AIを用いたインサイト
- データ管理を効果的に行うためにはシンプルさが重要で、タグの管理や定義の管理を用いて、ドメインのオーナーにエンパワーメントしている
- 複雑性を省くことで、信頼性があり使いやすい柔軟性がある基盤となっている
- CONNECTED つながる
- Snowflakeは企業間においてもデータのアクセスがセキュリティに妥協することなく、簡単に実現できる。
- 750社以上、3400以上の掲載項目がマーケットプレイス上に展開されている
- Microsoft社とのパートナーシップ
- AIは次世代の推論エンジン
- コンテキストエンジニアリングとはデータの問題。このためには、相互運用性、オープン性、が必要になってくる
- Snowflake Cortex AIはMicrosoft製品と連携している(Teams、Sharepointなど)
- Copilot StudioからSnowflakeに接続することも可能
- 三井住友DSアセットマネジメント社の例
- 金融データだけでなく、金融エコシステムの変革を実現している
- Cortex AI
- 正確さを重要視している
- 塩野義製薬社の例
- Snowflakeを全社的な分析基盤として採用
- 柔軟な認証、きめ細かなアクセス制御、堅牢なデータカタログにより、従業員は必要なデータにアクセスできる環境がある
- データは新しい医療パラダイムの基礎となる
- データライフサイクルのすべてをサポート
- 構想、AI、インサイト、全てをSnowflakeがサポート
- Openflowにより、全てのトランザクションデータをすぐに分析可能に
- Apache Icebergを使ったテーブルもSnowflakeの機能でシェアリングなど可能に
- Snowflake Postgresにより、エンタープライズの環境のデータベースとして導入できるように
- Gen2 Warehouseにより、パフォーマンスが最大2倍に
- AI DATA CLOUD
- 簡単、連携、信頼
- シンプルさこそが全て
アストラゼネカの例
- 以前は複数のソリューションでデータを管理していたが、最適な1つのテクノロジー、Snowflakeを選定
- 1つのデータプロダクトの作成に16人、6ヶ月かかっていたが、2人、6日で作れるようになった
- Openflowも導入している
- AIを用いた肺疾患検査機能を開発。肺疾患を早期に発見することで、生存率が90%上がることがわかっている
Snowflake松本氏・ANA加藤氏の対談
- ANAグループの戦略
- 一日1000便以上、年間5000万人以上利用
- 近年はANA PayなどANA経済圏も構築
- DXビジョンとして、デジタルとデータを活用したEX・CX・SXへの貢献を目指している
- ビジネス戦略とデータの価値
- データをヒト・モノ・カネと同等に考えている
- 適切なデータマネジメントが必要
- データ価値は、業務効率化や社内外のデータとの組み合わせによるビジネス活用で最大化できる
- Snowflakeを活用した取り組み
- コロナ禍を経て、需要は回復してきたが、オンラインの会議の増加による出張減など環境の変化がある
- これまでデータの活用は特定の部門のみが使っていたが、ここからの脱却が必要と考えた
- 全社員がデータにアクセスし、データに基づく意思決定ができることが、競争力の源泉となる
- このため、共通データ基盤「BlueLake」を構築した。SSoTを実現しており、最近Icebergも導入した
- Snowflakeを選定した理由
- 「シンプルさ」から選定した
- セキュアかつスピーディな基盤を求めた
- 複雑な設定が不要で、データマネジメントのハードルを下げることができる
- なぜSSoTを実現しようとしたのか?
- データマネジメント業務をシンプルにしたい
- 経営KPIとして、「BlueLakeのデータ量を4倍にする」ことを設定
- 今後の展望
- 「データ分析基盤」から「データ活用基盤」への進化
- 「データ活用基盤」は、新しい価値につなげる中継地
- ANAグループの強みは「人の力」。ここに最新のデジタル技術を組み合わせることで、ワクワクで満たされる世界を実現したい
Snowflake浮田氏・dentsu Japan松永氏の対談
- 松永氏の業務とdentsu Japanの事業
- dentsu Japanグループ全体のデータマネジメントを担当
- ビジネス変革やマーケティングの、バリューチェーン全体にわたってクライアントの変革をサポート
- 強みは「課題解決のためのクリエイティビティ」
- dentsu Japanのデータ戦略
- グローバルでみても、US、Japan、EMEA、APACでデータの流通環境が異なる
- 生活者データアライアンス基盤を構築、テレビ、ラジオ、チケットなどの購入データ、など多様なデータが含まれる
- データクリーンルームを強化している。活用件数は年間1000件を超えた
- データクリーンルームは「TOBIRAS」という名称で開発。今はAIエージェント化も進めている
- AIの活用について
- AIで減らしたヒトの時間を用いて、価値を増やそうと取り組んでいる
- People Model:日本の人口相当の1億人規模のAIペルソナ
- AI ART DIRECTOR:電通アートディレクターの発想プロセスを学ばせたAIで、アートを生成
- 統合マーケティングAIエージェントを開発中
- より速くより広くより深い顧客体験・プランニングの提供をしていきたい
- データの連携の推進の観点で考えていること
- 企業間の1stPartyデータ連携については、顧客体験、法務対応、などの課題がある
- Tobiras Shared Garden:企業間の1stPartyデータの連携を強化するためのプラットフォーム。こちらにSnowflakeを採用。プライバシーポリシー対応するためのAIを用いた法務確認などの機能を提供
- 共通の顧客体験設計&エグゼキューションが重要
Snowflakeジョン氏・OpenAI長﨑氏の対談
- ジョン氏からの冒頭挨拶
- 日本、韓国、オーストラリアなどAPACの責任者
- APACのHQはシンガポールが多いが、ジョン氏は日本にHQを置きたいと考えて、日本にHQ
- 現在顧客が1000社を超えた、これは皆様のおかげ
- ジョン氏と長﨑氏の関係性
- 20年来の付き合い
- まずは楽しい質問から:OpenAI社のカルチャーはどうですか?
- 2024年にOpenAI社に入社した
- ミッションドリブンな会社であると感じている
- スピード感が圧倒的、1年前と今を比較すると全く違う。マルチモーダル、o3のModel、ジャグリングのようなユニークな環境
- 日本のAIオポチュニティとしての期待やユースケースは?
- AIは日本を物凄く変える力があると考えている
- AIはこれまでの中でもインパクトのあるテクノロジー
- 日本はGDP4位だが、人口は減っている。この状態で経済成長を維持するにはAIが重要と考えている
- 科学やリサーチ系については、AIのおかげで解決できる課題が増えてきている
- 日本はアメリカよりも保守的だと思う、本番になるまで1年かかることもよくある。アメリカではAIの導入状況はどうなのか?
- 入社して1年経ち、いろんな企業の方と会話したが、PoCがとても多かった
- Enterpriseがまだ日本では殆ど使われていないことに気づいた
- OpenAIは週に7億人使っている。日本はこの1年で4倍伸びている、Enterpriseを導入している企業が増えている
- 日本特有のAIのユースケース
- 日本特有はまだない、日本はまだまだアーリーステージ
- 1年前と何が違うか、今のAIはエージェント。何かタスクをお願いしたらAIがやってくれる時代
- DeepResearchで調査、Pythonでチャート化、そのまま社長へのプレゼン資料にしたりWebページで公開したり、ということがすぐにできるようになってきている
- 一つ注目しているAIを用いた事業は「コールセンター」
- OpenAIは信頼性やガバナンスやセキュリティについてどう考えている?
- とても注力している
- 最近GPT5をリリースしたが、リリース前に自分たちで数週間、安全面の検証を行っている
- 日本では、日本のデータを海外に出したくないという要望が多いため、このギャップを埋めることにも取り組んでいる
- 1~2年後、どうなっているか?
- 1年前と比較しても全く違う
- できるだけ早いタイミングで最新のAIを触っていくことは大事
- AIが「組織のAI」となっていく、組織の中心地となっていく
- AIは効率化にフォーカスがあたっているが、AIにより5~10倍の仕事ができるようになってきている
- 最後に皆様へのアドバイスを
- まずは最新のAIを使ってもらうこと、これを組織全体で使っていくと自然と組織がAI化していく
- 先に何かを作り込むよりもOpenAI Enterpriseのようなものを入れて頂いて、まずはAIを触ってもらうこと
- 失敗しても「次はこういうモデルを使おう」と切り替えて試していくことが重要
DATA DRIVERS AWARDS 2025の発表
- 浮田氏より
- 2025年を通して顕著な成長を遂げた7社を表彰する
- AI INNOVATOR:株式会社ぐるなび
- INNOVATION IN DATA ANALYTICS:株式会社静岡銀行
- DATA COLLABORATION:CCCMKホールディングス株式会社
- DATA FOR GOOD:株式会社JERA
- DATA EXECUTIVE OF THE YEAR:イオン株式会社
- DATA HERO OF THE YEAR:トヨタ自動車株式会社
- DATA DRIVER OF THE YEAR:株式会社NTTドコモ
Snowflake浮田氏から最後に
- この後も、皆様の課題解決に役立つ多くのセッションがある
- Expoブースでは、最新技術、パートナー企業からの紹介、コミュニティブースなど多様なコンテンツが提供されている
- World Tourはじまったばかり、気付きや出会いを生む場となることを願っている
所感
Day1のKEYNOTEを通して、AI時代におけるデータ基盤の重要性が改めて示されたと感じました。
特に印象的だったのが、Snowflakeが繰り返し強調していた「シンプルさ」です。私も普段Snowflakeを使っている人間ですが、Snowflakeは技術的に難しいことをユーザーに意識させず、ユーザー目線で簡単かつシンプルに各機能を使わせてくれる印象がとても強いです。このSnowflakeの「シンプルさ」は私もSnowflakeの好きな点の1つであるため、今後もこのポリシーを貫いた機能開発に期待したいですね!
また、「生成AIをPoC(概念実証)で終わらせない」ことの重要性を強く感じました。生成AIとデータをいかに事業活動の中心に据え、具体的なビジネス価値を創出していくかが問われています。OpenAIの長﨑氏の話にもあったように、AIを組織全体で使っていくことで、組織の事業活動にAIが組み込まれていくのだとも感じました。