伴走型の支援

伴走型の支援

この記事では伴走型の伴走型支援が必要な状況、伴走型支援の方法についてまとめます。
Clock Icon2025.06.05

こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。

同僚から相談を受けた。隣のチームから相談を受けた。隣の部門から相談を受けた。どうにも相談者や相談者の周辺の関係者だけでは解決することが難しい問題のようだ。そんなとき、伴走型の支援は解決策の1つになります。

この記事では伴走型の伴走型支援が必要な状況、伴走型支援の方法についてまとめます。

伴走型支援とは

伴走型支援とは、本人やチームが課題に向き合い、自立的に乗り越えていける状態を目指して並走してお手伝いする形式の支援です。指示・指導・助言とは異なり、「共に考え、共に歩む」が基本姿勢です。

上司が部下に伴走することもあれば、部門やチームでは解決が難しい状態のときに外部の第三者が伴走することもあります。

そのうえで注意点として、基本的には本人やチームが自力で問題を解決できるのが理想です。そのため、ある程度解決の見込みがありそうならあえて介入せずに、当事者に任せる方が好ましい選択肢です。一方で、当事者だけで解決できるか、伴走が必要かの判断は明確にわかるわけではないため、最終的には伴走するかどうか自ら判断する必要があります。
目安としては、同じ問題が長く続いている場合は、伴走が必要な可能性が高いです。

伴走型支援が必要な状況

伴走型支援が必要な状況には以下のようなものがあります。

状況
問題の構造が複雑 人間関係・スキル不足・期待値のズレなど複数の要因が絡み合っており、自力で問題の全体像が把握できない
冷静な判断や行動が難しい 落ち込み・怒り・焦燥感などが強く、理性的な対応やふりかえりができていない
自信不足 過去の失敗経験などから萎縮しており、チャレンジや再起に強い抵抗感がある
変容が必要 他責傾向・過剰な完璧主義・過小評価など、思考パターンの見直しが必要
関係の孤立 周囲との信頼が崩れていて、相談や協力が難しい状態
現場での支援や指導が機能しておらず、第三者的支援が必要 上司との関係が悪化しており、業務内での建設的な支援が困難

伴走型支援のプロセス

伴走型の進め方の例を紹介します。

Steps プロセス 内容
1 問題の兆候を認識する 関係者から得た情報・関係者の観察・実際の関わりなどで、問題を認識する
2 事実確認と構造の理解 関係者と会話し、何が起きているのか事実と背景を丁寧に整理する
3 伴走の判断 自分が支援する立場として歓迎されるか、介入が適切かを判断する
4 伴走の開始 相手に合わせた入り方で支援を開始する
5 伴走支援の実施 関係者が問題と対応を把握できるように、解決のプロセスも共有しつつ解決の伴走支援をする
6 引き継ぎ 取り扱った問題への対応が継続的に必要な場合、伴走を打ち切る前に引き継ぎをする
7 伴走の完了 少しずつ自走して対応できるように、段階的に伴走を解除していく

伴走者に必要な能力

伴走者には以下のような能力が必要になります。

能力カテゴリ 具体的な能力 説明
関係構築力 信頼の獲得 「味方」として安心感を与えられる
関係構築力 傾聴 相手の話を遮らずに聴き、感情や背景を受け止める
関係構築力 共感と受容 相手の感情や視点を否定せずにまず受け入れる態度を取る
状況把握力 観察と兆候の察知 言語・非言語から相手の変化や停滞の兆しに気づく
状況把握力 構造理解力 問題の背景や構造を俯瞰的・論理的に捉える力
対話力 仮説思考での問いかけ 「決めつけ」ではなく、可能性を探る問いかけができる
対話力 内省支援の問いかけ 相手が自分で考えを深められるような問いを立てられる
対話力 感情と論理のバランス対応 感情の受容と課題の整理をバランスよく扱える力
成長支援力 自走の促進 相手が自立して前進できるよう支援する
その他 タイミング判断 支援の終了を焦らず、また遅らせすぎずに見極める力
その他 フェードアウト設計 段階的に支援を減らし、自然に自立して実行可能にする
その他 境界の認識 自分の役割や限界を理解し、必要に応じて引き継ぎも視野に入れる

伴走型支援をしてもらった経験

入社〜立ち上がり〜室長就任にあたって、前室長に伴走してもらいました。

入社直後はエンジニア組織向けの従業員体験の改善をミッションとした部門の立ち上げ直後のメンバーとして参加していました。室長を含めて3名だけのチームであり、室長は他の業務と兼任のため基本はメンバー2人で大半の業務を進める必要がありました。実質メンバーというよりはマネージャーやリーダーに近い動きが必要な状況です。はじめのうちは、定例への参加・1on1・困ったときの相談などで手厚くサポートしてもらいました。そういったサポートによってクラスメソッドでの振る舞いや判断の仕方を学び、関係者との接続が必要なときは仲介してもらいつつ、さじ加減を学び取ることができました。

途中で室長就任を見据え、段階的な権限委譲を受けつつ、まだ伴走を続けてもらうことでサポートを受けつつ、正式に室長に就任したあともしばらくは隔週での1on1を継続してもらいました。最終的に室長業務が安定してきたら、最終的には伴走目的の1on1から別部門のマネージャー同士としての情報効果・連携・相談用の場として実施頻度も月次まで下がりました。

伴走型支援をした経験

現職の話ではありませんが、前職でエンジニア採用責任者兼担当者を1人で実施していて、新メンバーを採用し、業務を引き継いで行く過程は伴走型の支援で実施しました。
新メンバーが入社直後でまだわからない社内の事情や、採用の進め方について、各業務ごとに数回の伴走をした上で問題なければ単独で実施してもらうように手を離していくような進め方で半年後には担当者としての業務の大半を自走して実施できるようになってもらいました。

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