Tableau Tips: カスタムカラーパレットを作成・利用する
先日、Tableauの新しいバージョン『8.2』がリリースされ、各種新機能や既存機能の改善等が見られましたが、わたくしこのバージョン8.2のベータ版テストに参加させてもらっておりました。『参加』と言ってもベータバージョンをダウンロード・インストールし、幾つかの機能について『ここ不具合っぽいです』と報告しただけでしたが...
で、時は過ぎて8.2のリリースが公開となりました。そのタイミングを前後する形で『ベータバージョンのテスト参加ありがとう!お礼にTシャツ送るよ!』ってな感じで開発チームから連絡が来たので、所定の連絡先を伝えて待つこと数週間...ついにそのTシャツが届きました。
それがコレです!(どーん)
国内サイズだと2XL以上のシャツを着る事が多いので今回も2XLで良いかな?と思いサイズ指定は2XLで依頼したのですが、米国サイズ基準があるって事忘れてました!どうやら一回り大きいようです...
Tシャツとは別にメッセージカードと得体の知れない物体が混入されていました。
アップで拡大してみます。
どうやら8.2にはコードネームが割り当てられていたようで、それがTシャツにも印字されている『STINGRAY』(エイ)であり、そのコードネームにちなんだマスコットキャラクター(?)的なものも作成された様ですね。割とリアル指向。とってもイカすと思います!(しろめ
裏面も結構グロ...いや忠実に再現していますね!
目次
カスタムカラーパレット
さて、本題です。
Tableauでは『カラーパレット』(要素を色で表現する機能)については、Tableauデフォルトで用意されているものがあります。どのようなものが用意されているかは、色の編集画面で確認する事が可能です。
これら用意されているものはTableauで予め提供されているものではありますが、これらの他にユーザー独自で設定したカラーパレットを作成し、利用する事も可能です。当エントリではその設定・利用方法についてご紹介して行きたいと思います。
設定ファイルの在り処
Tableau Desktopをデフォルトのインストールパス指定で行った場合、以下の場所にPreferences.tpsというファイル名でファイルが存在しています。
Windowsの場合: C:\Users\<username>\Documents\My Tableau Repository\Preferences.tps Macの場合: /Users/<username>/Documents/My Tableau Repository/Preferences.tps
ファイルの中身を確認してみましょう。最低限の定義のみ記載されている、ほぼ空のファイルです。このファイルに設定を追記して行く事で、ユーザー独自のカラーパレットを定義・利用する事が可能となります。
<?xml version='1.0'?> <workbook> </workbook>
今回作成するカスタムカラーパレット
今回作成してみるカラーパレットは以下の内容。あるステータスを色で表現するのと、その色味を数値が増えるに従い変化させて行く、ヒートマップ的な意味合いを持たせた内容のものにしたい、というものになります。
色 | カラーコード | ステータス |
---|---|---|
#808080 | 切替中 | |
#99FFFF | データ無し | |
#FFFF99 | ステータスその1 | |
#FFFF00 | ステータスその2 | |
#FF6600 | ステータスその3 | |
#FF0000 | ステータスその4 |
カスタムカラーパレットの作成
カテゴリ別カラーパレット
上記カラーパレット情報を踏まえて、設定ファイルに内容を追記してみます。type="regular"というプロパティを設定しておくとカテゴリ別のパレットを作成出来るようです。
$ vi Preferences.tps --------- <?xml version='1.0'?> <workbook> <preferences> <color-palette name="CM Categorical Palette" type="regular"> <color>#808080</color> <color>#99FFFF</color> <color>#FFFF99</color> <color>#FFFF00</color> <color>#FF6600</color> <color>#FF0000</color> </color-palette> </preferences> </workbook>
ファイル編集完了後、Tableauを起動してみます。カスタムカラーパレットを試す為に適当なグラフを作成してみます。
『色』で分類した項目の設定編集メニューを開きます。
新規追加したカラーパレットが一覧に表示されました。選択してみます。
変更させたい色を選択→変えたい色を指定、で各々のカラーリングを変更する事が出来ます。以下はひと通りのカラー設定を終えた状態です。
御覧の様に色設定をガラリと変える事が出来ました!
Tableau DesktopからTableau Serverにコンテンツをパブリッシュ(反映)してみました。Server上でもカスタムカラーパレットの内容が正しく反映されているようです。
シーケンシャルカラーパレット
2つ目のカラーパレットタイプは『シーケンシャル』なカラーパレットです。端から端へ、徐々に色が変わって行くようなカラーパレット体系の内容となります。
参考情報の場合だと、『薄い緑』から『緑』へ徐々に変わって行くようなカラーコードを指定していますが、当エントリでは上記で使った色体系をそのまま使ってみます。type指定がordered-sequentialに変わっています。
<?xml version='1.0'?> <workbook> <preferences> <color-palette name="CM Categorical Palette" type="regular"> <color>#808080</color> <color>#99FFFF</color> <color>#FFFF99</color> <color>#FFFF00</color> <color>#FF6600</color> <color>#FF0000</color> </color-palette> <color-palette name="CM Sequential Palette" type="ordered-sequential"> <color>#808080</color> <color>#99FFFF</color> <color>#FFFF99</color> <color>#FFFF00</color> <color>#FF6600</color> <color>#FF0000</color> </color-palette> </preferences> </workbook>
上記設定追加後、Tableauで色編集を行ってみます。ちゃんと出て来ました。
『ステップドカラー』のチェックを入れ、従来の色数よりも多いステップ数を設定してみると、より細やかな色変化を段階的に行う事も出来ました。
以下シーケンシャルカラーパレットを使ってみた例です。
分化カラーパレット
3つ目のカラーパレットは『分化』カラーパレットです。diverging(分岐する)という言葉が使われていますが、指定した2色を両端に置いた・分岐した状態でその2色間の変化を付けるようなパレット、という感じでしょうか。以下ファイルに設定例のみ追記しておきます。
<?xml version='1.0'?> <workbook> <preferences> <color-palette name="CM Categorical Palette" type="regular"> <color>#808080</color> <color>#99FFFF</color> <color>#FFFF99</color> <color>#FFFF00</color> <color>#FF6600</color> <color>#FF0000</color> </color-palette> <color-palette name="CM Sequential Palette" type="ordered-sequential"> <color>#808080</color> <color>#99FFFF</color> <color>#FFFF99</color> <color>#FFFF00</color> <color>#FF6600</color> <color>#FF0000</color> </color-palette> <color-palette name="CM Diverging Palette" type="ordered-diverging"> <color>#EB912B</color> <color>#59879B</color> </color-palette> </preferences> </workbook>
既存パレットの設定ファイルの内容も確認してみます。こちらを見る限りだと2色だけでは無く3色の『分化』パレットも出来るようですね。(※こちらで"分化"という言葉が使われていたので見出し項目もこれに合わせます)
まとめ・参考情報
以上、カスタムカラーパレットの作成方法に関するご紹介でした。
Tableauデフォルトのカラーパレットでも十分事足りるかとは思われますが、任意の色味を使いたい!という場合にはこちらの手法を用いる事で対応が可能となります。企業単位でこういう色合いを採用したい場合等にも利用出来るのではないでしょうか。こちらからは以上です。