
解決策の相談を受けたときに問題に立ち返るべきかどうか
この記事では、解決策に関する相談を受けたときに、なぜ問題に立ち返る必要があるのか、その見極め方や実践のコツを紹介します。
こんにちは。組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
ある程度経験を積むと、周囲から「このやり方で進めようと思うけど、どう思う?」といった相談を受けることがあります。
もちろん、そのまま要望に答えて解決策を一緒にブラッシュアップする場面もありますが、ときに重要なのは問題そのものに立ち返ることです。
この記事では、解決策に関する相談を受けたときに、なぜ問題に立ち返る必要があるのか、その見極め方や実践のコツを紹介します。
問題解決の構造
まずは、問題解決の全体構造を把握しておきましょう。これを理解していると、相談を受けたときの判断軸が明確になります。
解決策に対する相談に対して問題に立ち返る必要性
仕事において、「◯◯の進め方を相談したい」といった解決策に関する相談が持ち込まれることがよくあります。このとき、解決策に対する相談にそのまま乗るのがよいケースと、一度問題に立ち返るべきケースがあります。
以下は、よくある5つのパターンです。
No | 状態 | 解決策にそのまま乗るべきか | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 理想と現実が曖昧なまま、なんとなく相談している | ✕ | 意図が不明瞭で効果が読めない |
2 | 理想と現実の理解が誤っている | ✕ | 誤った前提に基づくためリスクが高い |
3 | 理想・現実の理解はあるが、課題の捉え方がズレている | ✕ | 解決策が的外れになる |
4 | 理想・現実・課題の理解はあるが、より良い選択肢に気づいていない | △ | ベターだがベストではない |
5 | 問題把握・課題設定・解決策がすべて的確 | ◎ | この場合はすぐに実行を後押しすればよい |
ポイントは、5以外のケースでは『一度立ち返ること』に大きな意味があるということです。
なぜ問題に立ち返るのか
問題に立ち返ることの意味は、以下のような価値につながります。
- 問題や理想の明確化によって、視野が広がる
- 真の課題が浮き彫りになり、誤った方向への投資を防げる
- 選択肢の再検討によって、より良い成果が期待できる
結果として、ただ聞かれたことに答えるだけでは得られない信頼や成果が生まれます。
あえて問題に立ち返らないほうがよいケース
一方で、以下のような場合にはあえて問題に立ち返らず、解決策に関する相談にストレートに答えることが有効です。
- 相談の文脈からして、問題構造が明快な場合
- 相談者が十分な力量と背景知識をもっていると確信できる場合
- 時間的制約がある場合
- 関係性が薄く、いきなり問題に立ち返る提案が煙たがられる恐れがある場合
- 問題に立ち返ると、相手の前提を否定することになる場合