TiDB CloudのServerlessのScalable Clusterについて調べてまとめてみた

TiDB CloudのServerlessのScalable Clusterについて調べてまとめてみた

Clock Icon2025.05.16

こんにちは、ゲームソリューション部のsoraです。
今回は、TiDB CloudのServerlessのScalable Clusterについて調べてみたことについて書いていきます。

TiDB CloudのServerlessクラスタ起動時のパラメータ

Serverlessクラスタを起動時の設定は以下画面から行います。
以降は、各パラメータについて見ていきます。
sr-tidbcloud-scalable01

Cluster Plan

TiDB CloudのServerlessには、Free ClusterScalable Clusterの2つのCluster Planがあります。

以前までは、TiDB CloudにてServerlessを利用する際には、無料枠があるクラスタが起動されて、無料枠を超えると課金されるような形になっていました。(Monthly Spending Limitは設定可能)

現在は、Serverlessクラスタを構築する際には、以下の2つのCluster Planを選択します。
Free Clusterを後からScalable Clusterにアップグレードすることは可能です。
逆に、Scalable Clusterを後からFree Clusterにダウングレードすることはできません。

Free Cluster

  • 無料で利用可能
  • 5GiBのストレージと5,000万リクエストユニットが利用可能
  • クレジットカードの登録なしでクラスタの起動・利用が可能

Scalable Cluster

  • 無料のクラスタ機能に加えて、ストレージとリクエストユニットの拡張が可能
  • ワークロードに応じた自動スケーリング
  • 高度な機能(暗号化や高可用性)も利用可能
  • クレジットカードの登録が必要
  • Free Clusterにある5GiBのストレージと5,000万リクエストユニットの無料枠もあり

https://docs.pingcap.com/ja/tidbcloud/select-cluster-tier/

Enhanced Encryption at Rest(暗号化)

Scalable Clusterでのみ選択可能な項目で、ベータ版の機能です。
TiDB Cloud内のデータを暗号化する設定で、TiDB Cloud側で管理された鍵を利用するため、CMEKのようにAWS KMSで鍵の作成・管理をする必要がなく、鍵を意識しないで利用することが可能です。

sr-tidbcloud-scalable02

High Availability(高可用性)

Scalable Clusterでのみ選択可能な項目で、ベータ版の機能です。
2025年5月15日時点では東京リージョンを選択したときに限り、ZonalRegionalの2つの高可用性から選択することが可能です。

sr-tidbcloud-scalable03

TiDB・TiKVについて、内部的にEKSで構築されているTiDB CloudのServerlessクラスタの中で、Zonalは単一AZにノードが配置されますが、Regionalは複数AZにノードが配置されます。
PDについて、ZonalでもRegionalでも、3AZに配置されます。
TiFlashについても、ZonalでもRegionalでも、TiFlashは1AZに配置されます。

高可用性の設定について、起動時のみ選択可能で起動後の変更はできません。
リストア時に変更することもできません。

公式ドキュメントに構成図も記載されています。
https://docs.pingcap.com/ja/tidbcloud/serverless-high-availability/

クラスタ起動後のCluster Planごとの違い

ここまで起動時のパラメータを見ていきましたが、最後に起動後に気づいた差分について見ていきます。

プライベートエンドポイント

Free ClusterとScalable ClusterのZonalでは、プライベートエンドポイントは以下のようになっています。

mysql://xxxxxxxxxxxxxx.root:<PASSWORD>@gateway01-privatelink.ap-northeast-1.prod.aws.tidbcloud.com:4000/cluster_name

Scalable ClusterのRegionalでは、プライベートエンドポイントは以下となっており、上記2つのパターンとは-zrが入っており異なります。

mysql://xxxxxxxxxxxxxx.root:<PASSWORD>@gateway01-privatelink-zr.ap-northeast-1.prod.aws.tidbcloud.com:4000/cluster_name

パブリックエンドポイントは、全て同じ形式です。

mysql://xxxxxxxxxxxxxx.root:<PASSWORD>@gateway01.ap-northeast-1.prod.aws.tidbcloud.com:4000/cluster_name

バックアップ

バックアップの保持期間について、Free Clusterでは1日で、Scalable Clusterでは14日になっていました。(どちらも固定で期間の変更は不可)
sr-tidbcloud-scalable04
sr-tidbcloud-scalable05

バックアップ取得時間は、Free Clusterでは変更不可で、Scalable Clusterでは変更可能です。

最後に

今回は、TiDB CloudのServerlessのScalable Clusterについて調べてみたことを記事にしました。
どなたかの参考になると幸いです。

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