カスタマーサクセスにチャレンジすべくインプットしていることを一旦アウトプットしてみる

2021.01.29

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

昨年に カスタマーサクセス を知り、共感(感銘のレベル)し、学び・業務へ適用することにチャレンジしています。昨年末から、先人たちの色々な書籍や情報を中心にインプットしています。ここらで、一度参考にさせていただいた書籍などをベースに自分なりの考えをアウトプットしたいと思います。

ただし、自社を代表した考えや実情ではなく、あくまで個人によるものとしてお読みくださいますようお願いいたします。

前置き

私の属性

  • セールスやマーケティング経験なし
  • プロダクト開発経験なし
  • インフラ、運用、サポートエンジニア など運用フェーズにおけるエンジニア畑の農夫
  • 現在は AWS に関する事業部に所属(サポート、マネージドサービス周りを担当)

動機

※ 個人的な内容ですので、ご興味のない方は次へお進みください。

自社・顧客ともに、運用フェーズの業務では様々な課題が発生します。それらに対して、取りあえず「運用(マンパワー)でカバー」「塩漬け(現状維持)」などに代表されるような不正解ではないが、なんともモヤっとした結論になることが、たびたび起こります。

特に AWS のようなアップデートや新サービスリリースが頻繁なサービスでは以前出来なかったことが可能となり、課題の解となり得るケースもあります。また柔軟性が一つのメリットでもあるクラウドサービスを活用しているにもかかわらず、現状は何とか回っているので、変化させないという結論・方針が続くと ... 事業やサービスへ貢献出来ているのか?価値あるものを提供出来ているのか?... と考え、とほほという気持ちになります。

もちろん事業状況や課題の優先順位など致し方ない理由で、アクション(活用・変化)が取れないというケースも往々にしてありますが、主に以下に問題があるのだと感じていました。

  • 自身の問題(スキルセットや立場、関係性)
  • ステークホルダーの姿勢・考え

両者ともに重要なファクターではあり、取り組めることはまだまだあると認識しながらも、本当に必要なタイミングで必要なものを提供出来ているのか? ただの技術の押し売りになっていないか? と疑問がわきました。そんな時にたまたま手に取ったのが 「THE MODEL」 でした。

セールスフォース・ドットコムで培われてきたビジネスプロセスにおけるモデルをテーマとして、各プレイヤーが担うタスクやポイントについて詳細に紹介されています。分業制を助長しているなどの意見も別記事などで見かけることもありますが、初期はともかく最終的には範囲が曖昧で、個人の力量で成り立つ不確定な状態よりも、ベースを定義して、その上で、それらを超えたアクションを取ることが理にかなっているのでは?と個人的には感じています。

中でも、マーケティング・セールスにおいて、顧客(顧客データ)を適切に管理し、適切なタイミングで、アクションを起こすことで再現性・確率をあげるという(基本的かもしれないですが、)手法・考え方には、恥ずかしながら感銘を受けました。これって自分が抱えている課題に必要なことで、運用フェーズ(契約後、リリース後)ではどうなの??と読み進め、調べたところたどり着いたのが カスタマーサクセス でした。

これはと思いつつも、、ゆっくりとやっていこうかななどと思いかけていたところにタイミング良く CS カレッジさんが主催するカスタマーサクセスに関するカンファレンス BRIDGE 2020 が開催され、両日とも登壇者の話を聞かせていただき、これだ!これはもっと知りたい!! とカスタマーサクセスを貪るように、インプットしていく日々が始まります。

カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセスに関する書籍を Amazon で検索する鉄板の書籍を見つけることが出来ます。(アメリカにて発祥しているため、英文による書籍もあります)

カスタマーサクセスとは、どういったものかを把握するには、上記の二冊が非常に有益でした。個々の特徴としては、前者の『カスタマーサクセス』は、英文で出版されている書籍が翻訳されたもので、海外におけるカスタマーサクセスに関する潮流から既に実施しているパイオニアとなる企業のキーマンからカスタマーサクセスをなすために重要な原理原則について、網羅的に紹介されています。後者の『カスタマーサクセスとは何か』 は、同様にカスタマーサクセスが必要とされている背景から、カスタマーサクセスが実現する世界を中心に、丁寧にエッセンスや日本企業の事例が紹介されています。

私のような、右も左もわからない状態からスタートする場合は、『カスタマーサクセスとは何か』 から読み、広がる世界をイメージしモチベーションを高めてから、『カスタマーサクセス』 を読むことをお勧めします。重なる部分もあるため、確認・刷り込むという点でも有効です。

読み終えた時、まだまだ詳細については理解が及ばない言葉や理論はいくつも残るなりにも理念に共感をし、冒頭の動機にある課題や自分たちが提供しているサービスにとっても大切なものだと感じました。

  • 顧客が自社サービスを利用し成功することで、自分たちも成功する
  • 顧客のあらゆるデータをヘルススコアとし適切に管理し、最適なアクションを取ることでロイヤルティーを高める
  • 単なる御用聞きではない(現代版の三河屋さん)
  • エフォートレス体験
  • 顧客はサービスを使っているのは、解決したい課題があるため
  • カスタマーサクセスは役職や組織ではなく理念である

解決したい課題がある という部分は、ジョブ理論にも似ており、顧客が成し遂げたい進歩(コト)に常に着目し、再評価を繰り返していく必要があります。 界隈ではよく言われる IT サービスは手段であり、導入・利用することが目的ではないという点を改めて認識させられます。

また私のような畑違いの人間には、今まで出会うことのなかった用語も多く、具体的に先行している企業がどのようなことを行っているのかがイメージが難しかった時に、とても参考になったのが下記の書籍です。実際に Sansan のメンバーが海外のナレッジを参考にし、プラットフォームを活用し、取り組んでいることが紹介されており、各用語やアクションの理解を深めることが出来ます。私にとって Sansan 自体が身近なサービスであったこともあり、イメージがしやすかったです。

中でもヘルススコアに関しては、提供するサービスにとって重要な指標を定義し、多角的なデータから健全な状態を観測し、異常(ここではチャーン)となる傾向を予測、検知するのは、自分たちの領域でもあるサービスにおけるモニタリング設計や思考に通じるところがあり、興味深かったです。

顧客の成功、ロイヤル顧客とは?

概要や具体的な例を知ると、次は自社や普段の業務に当てはめると、、どうなんだろうと気持ちや視点が芽生えてきました。そこで直ぐにぶつかったのが下記の2点です。

  • クラスメソッドのサービスをご契約くださる 顧客にとっての成功 とはなんだろう? (その成功に対して何が提供できるのか)
  • クラスメソッドにとってロイヤル顧客、ターゲット・セグメントとはどういったものなるだろうか?

顧客の成功

クラスメソッドの主な商材となっている AWS を利用すること?

顧客は自社サービスより収益(それを補助する効果)を得ることが成功となる。その基盤として AWS を採用しているので、AWS へ移行・稼働すれば成功ではないはずです。それは AWS が定義しているクラウドジャーニーからも見る事ができます。

引用: AWS Summit Osaka 2019 「クラウドジャーニーの現在」

では、顧客はなぜ、クラスメソッドと契約し続けてくれるのかという点は AWS を利用・活用する際に発生するエフォートを和らげる役割への期待ではないかと考えています。AWS は素晴らしいサービスではありますが、利用している上で、ある程度の努力・負荷が発生するのも事実です。その具体的なエフォートを想定し、緩和するサービスを提供することで、顧客の成功にとって、クラスメソッドが必要な存在となるのではないか今は考えています。カスタマーサクセスの文脈では CES: Customer Effort Score(カスタマーエフォートスコア) とされているものです。

自身の経験から、ある程度のエフォートをあげる事は出来ますが、散発的になり効果測定が困難なことが想定されます。 ここで先人たちは、顧客の成功までに導くために、何が出来るのかをどうやって設計・定義しているのかを調べたところ、カスタマージャーニーを作成しているようでした。(ここも当たり前過ぎるかも知れません...)

クラスメソッドで考えると、先ほどのクラウドジャーニーにおける REINVENTION で、 顧客が AWS に構築・提供開始したサービスから収益を得続ける ジャーニーマップを作成し、途中で発生する課題の対策を提供すべきサービスと考えるのが理想的ではないかと感じました。

ロイヤル顧客

顧客の成功だけではなく、顧客の成功を通じて、自社が成功する必要があるというのはとても腑に落ちます。逆に、うちはなんでもやります。多少の赤字でも大丈夫という会社は逆にちょっと不安...ですよね?

また企業のリソースは限られているので、全ての顧客に同一の方法で全力を尽くします!というのも無理があります。そのため、自社が成功するために必要となる顧客を示す指標で、既存・潜在顧客をセグメント化し、アプローチ手法(ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチ)を選択するのは合理的にですし、どのような状態(分布)にあるかなどを把握した上で、新しいサービスやアプローチを行うことは腑に落ちます。

顧客のセグメント化は、企業であれば実施されていると思いますし、金額ベースのセグメントは見聞きます。ただ、その時思ったのが、カスタマーサクセスの文脈でのセグメント化やロイヤルティ指標では(パートナービジネスの難しさでもありますが)レベニューやアカウント数といった指標はわかりやすいですが、それは AWS の一つの価値指標であり、クラスメソッドの価値に直結すると考えるのは難しく、そもそも自社にとって末長く良い関係を築けるようなロイヤルティが高い顧客とはなんだ?という疑問にたどり着いた時に読んだのが、こちらの書籍です。

9セグマップによるセグメント化や N1 分析での顧客行動の動機(Why)からアイデアを得て、9セグマップでの推移で効果を測るなど、これまた畑違いの私としては新鮮なものでした。

レベニューやアカウント数でも、一時点の多寡だけではなく、クラスメソッドサービスにご加入いただいてからの推移・変化を捉えるとまた違った視点を得ることが出来そうです。

それ以外にも、クラスメソッドならではのオプションサービスや商材における契約などに関する指標は比重を変えて付与して集計するなどの工夫があっても良さそうですし、各指標自体はベタかもしれませんが、クラスメソッドは色が濃い会社なので、マーケティングチームがユニークでエンジニアも活発なのでイベントや施策も多いのでそれらの参加指標や、幅広い顧客向けに大量のサポートを展開しているので傾向や、 AWS 以外の部署でもお付き合いのある顧客も増えているようなので、そういった自社にとって深い関係となり得る顧客を表す視点は既にあり、多角的な指標で顧客セグメントを分けることが出来るのではないかと思います。(やってみたいがデータを揃えるところから始めなくてはならなそうではありますが...)

こういった付帯的で多角的な情報を意識しながら、顧客や業務に向かうとまた取り組み方やアイデアも変わってくるのではないかと思っています。(少し変わった気がする)

さいごに

とても長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。現在地としてはインプットして概要を掴んで、その日からでも意識することで出来そうなことは業務に活かしながら、本格的に実施するためのスタートラインを見つけたというまだまだな状況下です。そんな状態でアウトプットして、常日頃からサービス提供させていただいている方々から、ご高説たれやがって!ちゃんとやってよ!というお声をいただきそうですが、、はい精進いたします。。

今回、書籍以外にも色々な先人たちの記事や情報を参考にさせていただきました。ざっくりとしたものになりますが、ご紹介させていただき、終わりにしたいなと思います。

参考情報