Agent Skills って何? Anthropic の公式サンプル 16 個をすべて試してみた

Agent Skills って何? Anthropic の公式サンプル 16 個をすべて試してみた

最近話題の Agent Skills を理解するために Anthropic が公開するサンプルスキルを一通り試してみました
2025.12.30

はじめに

アノテーションの Shimizu です。

最近「Agent Skills(エージェントスキル)」という言葉を見かける機会が増えてきました。
筆者も Claude Code を業務で利用していますが、今でも充分便利に感じているので、以下のような疑問を持ちました。

  • Agent Skillsって結局なに?
  • 従来のプロンプトや MCP と何が違うの?
  • 実際に使うと何が嬉しいの?

そこで本記事では Agent Skills を理解するため、Anthropic 社が公式リポジトリで公開しているサンプルスキル(現時点で 16 個)を実際に一通り動かしてみましたので、その内容を紹介します。
これから使ってみる方にとって、全体像をつかむための入門記事になれば幸いです。

Agent Skills とは? 概念とメリット

Agent Skills とは AI エージェントに「あるタスクを実行させる具体的な指示」を与えるものです。

実体はシステムプロンプトを記述した .md ファイルと、タスクの実行に必要なスクリプトや画像ファイルを 1 つのフォルダにまとめたもので、さまざまな AI エージェントツール(Claude Code、Cursor 等)で使い回せる汎用性があります。

Agent Skills を利用すると、従来のプロンプトで指示を与える方式と比べて、以下のようなメリットがあります。

  • 使用する AI エージェントやモデルの違いによって、同じプロンプトを与えても動作にばらつきが出るが、Agent Skills にすることで動作の均一化が期待できる

  • 必要な時だけ読み込むことで、AI エージェントが消費するコンテキストウィンドウやトークンの節減にもつながる

私なりに概念を理解するため、NotebookLM で作成したインフォグラフィックが役に立ったので貼っておきます。

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Agent Skills は自作することも可能ですが、Anthropic 社が公開しているサンプルがあるため、手っ取り早く理解するために、まずはサンプルを一通り動かしてみます!

やってみた

作業用PC端末(筆者の場合は Mac)に Claude Code がインストールされている前提で進めます。

Agent Skills のインストールと確認

まずは Anthropic 社の公式リポジトリにアクセスし、zip ファイルをダウンロードします。

GitHub - anthropics/skills: Public repository for Agent Skills
https://github.com/anthropics/skills

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ダウンロードしたzipファイルを解凍して「skills」フォルダ一式をユーザーフォルダの「.claude」配下にコピーします。

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これだけでインストールは完了です!

Claude Code を起動して /skills コマンドで利用できるスキルの一覧を表示できます。

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ですが、これだけでは何のスキルか分からないので、以下のように自然言語で聞いてみます。

プロンプト
各スキルの用途と、テストするためのプロンプトを教えてください

すると各スキルの用途からテスト方法まで、詳しく教えてくれました!

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以下はテストプロンプトを実行して、 16 個の各スキルを 1 つずつ試してみた結果を紹介します!

docx(Word文書の作成・編集)

テストプロンプト
/docx
「会議議事録」というタイトルと、3つの議題を箇条書きで含む文書を作成してください

実行すると、docx を作成するために必要なライブラリのインストールを行ったのちに、指定した内容の 会議議事録.docx ファイルを作成してくれました。

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xlsx(スプレッドシート作成・編集)

テストプロンプト
/xlsx
商品名、単価、数量、合計(数式)の列を持つ簡単な請求書を作成してください

実行すると xlsx の作成に必要な python ライブラリのインストールを行ったのちに、指定した内容の .xlsx ファイルを作成してくれました。

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pptx(プレゼンテーション作成・編集)

テストプロンプト
/pptx
タイトルスライド、目次、まとめの3枚構成のプレゼンテーションを作成してください

実行すると、まずスライドの html ファイルを生成し、最終的に .pptx ファイルに変換してくれました。もちろん変換に必要なライブラリも自動的にインストールしてくれました。

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pdf(PDF操作全般)

テストプロンプト
/pdf
「テスト文書」というタイトルと簡単な段落を含むPDFを作成してください

実行すると、PDF の作成に必要な python ライブラリのインストールを行ったのちに、指定した内容の .pdf ファイルを作成してくれました。

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doc-coauthoring(技術仕様書の作成支援)

テストプロンプト
/doc-coauthoring
 新機能の技術仕様書を作成したいです

実行すると、技術仕様書の作成に必要な質問を返してきます。これに 1 つずつ答えることで最終的に仕様書にまとめてくれそうですが、今回はテストなのでここまでにしておきます。

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internal-comms(社内文書の作成支援)

テストプロンプト
/internal-comms
プロジェクトの月次進捗レポートを作成してください

実行すると、進捗レポートの作成に必要な質問を返してきます。これに答えていけばレポートを作成できそうですが、今回はテストなのでここまでにしておきます。

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frontend-design(高品質なフロントエンドUI作成)

テストプロンプト
/frontend-design
ユーザー名とパスワード入力欄を持つモダンなログインページを作成してください

実行すると、かなり凝ったデザインのログインページ(.html)を作成してくれました。Agent Skills 無しで作成した時の簡素なデザインとは、明らかな違いがあります。

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theme-factory(指定したテーマを成果物に適用)

テストプロンプト
/theme-factory
シンプルなHTMLページを作成して、モダンなテーマを適用してください

実行すると、割とモダンなデザインの .html ページが生成されました。これも Agent Skills 不使用の場合とは明らかな差があります。

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brand-guidelines(公式ブランドカラーの適用)

テストプロンプト
/brand-guidelines
「AI Assistant」というタイトルのHTMLページにAnthropicブランドスタイルを適用してください

実行すると Anthropic 社のブランドカラーに寄せた .html ページが生成されました。これを自社のブランドカラーに置き換えれば、Webページを制作する時に一貫性のあるデザインを保てそうです。

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canvas-design(静的ビジュアルアート作成)

テストプロンプト
/canvas-design
「新年のご挨拶」というテキストを含むシンプルなポスターを作成してください

実行すると「新年のご挨拶.pdf」というファイルを生成してくれましたが、Claude の自信たっぷりなコメントに反して PDF の内容は正直「??」という感じでした。図形などの描画には使えそうです。

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algorithmic-art(p5.jsを使用したグラフィックアート作成)

テストプロンプト
/algorithmic-art
ランダムに移動する色とりどりの円を描画するアートを作成してください

実行すると Javascript でカラフルな形状が舞い、速度や密度をスライダーで変えられる .html ページを生成してくれました。使いどころは難しいものの、なかなか面白いです。

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slack-gif-creator(Slack最適化されたアニメーションGIF作成)

テストプロンプト
/slack-gif-creator
「承認済み」というテキストが表示され、チェックマークが現れるGIFを作成してください

実行すると、指示通りに「承認済み」という文字がフェードインで現れ、緑色のチェックが入る gif アニメが生成されました。Slack 上でもアイコンとして動くことを確認しました。(小さすぎて見えませんでしたが・・)

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web-artifacts-builder(React、Tailwind を使用したコンポーネント作成)

テストプロンプト
/web-artifacts-builder
クリックするとカウントが増えるボタンを持つReactアプリを作成してください

実行すると React プロジェクトが作成され、シンプルながら動作するカウンターアプリを作れました。React で実際に動くプロトタイプをサクッと作るのによさそうです。

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webapp-testing(Playwrightによるローカルwebアプリのテスト)

テストプロンプト
/webapp-testing
localhost:3000のページタイトルを確認してスクリーンショットを撮ってください

localhost:3000 で弊社の採用サイトを立ち上げて上記を実行したところ、指示した通りにページ内容を確認してスクリーンショットを撮ってくれました。ローカルアプリの動作確認をしたい時やログインテストなど、いろいろ使いどころがありそうです。

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mcp-builder(MCPサーバー構築ガイド)

テストプロンプト
/mcp-builder
現在時刻を返すシンプルなMCPサーバーの作り方を教えてください

実行すると、指定した MCP サーバーを作成してくれました。GUIDE.md や README.md に日本語で分かりやすい解説も記述されているので、MCP サーバーの仕組みを理解するのに役立ちます。

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skill-creator(新しいスキルの作成や既存スキルの更新支援)

テストプロンプト
/skill-creator
JSONファイルを整形するスキルを作りたいです

実行すると、指定した Agent Skills を作成するために必要な質問が返ってきました。今回はテストのためここまでにしておきます。

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これを応用すれば、日常の定型業務を簡単にスキル化することができそうです。
(例えばあるフォルダから画像を読み込んで、指定したフォーマットの資料にまとめるスキル等)

今回試した内容は以上となります。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

どのスキルも単体ではシンプルな機能ですが、組み合わせによって色々なことができるため、工夫次第では業務の自動化にかなり役立ちそうです。特にWebデザイン系では Agent Skills 使用と不使用とで、明らかな差が出ました。

また Office ファイル生成系のスキル(.docx、.xlsx、.pptx 等)は Mac 環境では動かないのではと懸念していましたが、AI が必要なライブラリのインストールを自動で行い、エラーが出た場合は成功するまで試してくれるのが素晴らしいと思いました。

今までのプロンプト指示では実行する OS 環境やモデルによって動作に大きく差が出ていましたが、Agent Skills の利用によってある程度均一化され、どの環境でも動作するのがメリットだと実感できました。

今後は Agent Skills の自作にも挑戦し、また機会があれば記事にしたいと思います。

この内容がお役に立てば幸いです!

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