【アップデート】EC2インスタンスの新しい起動ウィザードが使用可能になりました(ベータ版)
みなさん、こんにちは。
AWS事業本部コンサルティング部の芦沢(@ashi_ssan)です。
AWSマネジメントコンソールからEC2を起動するとき、画面を行ったり来たりしてややこしいなって思った経験ありませんか? 私はあります。
本日AWSより、以下のようにEC2の新しい起動ウィザードのベータ版が使用可能になったというアナウンスがありました。
本エントリでは、この新しい起動ウィザードを使ってみた感想をレポートします。
ベータ版の機能の紹介を行うため、本記事で取り上げた内容は今後の正式リリースまでに変更が発生することがあリます。記事を執筆した2022/4/6時点の機能の紹介であることをご承知ください。
とりあえず開いてみた
まずはEC2コンソールからインスタンス起動コンソールを開きます。
インスタンス起動コンソールを開くと、画面上部に青文字でお客様は、新しいインスタンス起動ウィザードの早期イテレーションの試用に招待されています。
というポップアップが表示されていました。
今すぐお試しください
ボタンをクリックすると、新コンソールへ遷移できます。
新起動コンソールはこのようになっています。
余談:最速で起動し(ようと)してみた
最速で起動したい!!!と思いインスタンスを起動
ボタンをすぐに押しましたが、キーペア未入力によるエラーが出ました。
キーペアを指定したことでインスタンス起動ができたので、最低限必須で入力する必要のある項目はキーペアのみのようです。
各項目をじっくり確認してみた
概要
画面右に常に表示される項目で、起動するEC2の設定内容がまとまっています。
インスタンス数がここで指定可能なので、同じ設定で複数インスタンス作成するときに便利ですね。
名前とタグ
名前欄に文字を入力することで、Nameタグの指定が可能です。
さらにタグを追加
をクリックすると、Nameタグはそのままに追加でタグを指定することができます。
タグのキー、値について、オートコンプリートが有効です。(マスキングしていますがこれまでにタグとして設定した値が表示されていました)
タグを付与する対象を指定するリソースタイプの指定もUIがわかりやすくなっています。
以下のリソースタイプを対象にすることが可能です。
- インスタンス
- ボリューム
- Elastic Graphics
- スポットインスタンスリクエスト
- ネットワークインターフェイス
アプリケーションおよび OS イメージ (Amazon マシンイメージ)
この項目でインスタンス起動時に使用するOSイメージ(AMI)を指定します。
デフォルトではx86のAmazon Linux 2のAMIが指定されていました。
クイックスタートタブでは以下のOSイメージを指定することができます。
- Amazon Linux 2
- Ubuntu
- Windows
- Redhat
- SUSE Linux
- mac OS
- Debian
その他のAMIを閲覧する
をクリックすると、従来の起動ウィザードのAMI検索に似た検索画面が表示されました。
ここから任意のAMIを検索し、指定することもできるようですね。
最新タブでは最近インスタンス起動に使用したAMIが表示されるようです。
インスタンスタイプ
この項目でEC2インスタンスのインスタンスタイプを指定します。
インスタンスタイプを比較
をクリックすると、文字どおり各インスタンスタイプの比較が行えます。
試しにt3.small
とm5.large
の比較を行なったところ、以下のように確認できました。
キーペア (ログイン)
EC2のログインに使用するキーペアを指定します。
キーペアなしで続行(推奨されません)もしくは作成済みのキーペアを指定することができます。
新しいキーペアの作成
をクリックすると、キーペアの作成ウインドウが表示されます。
従来のインスタンス起動ウィザードでは起動
ボタンを押した後のインスタンス起動の直前になってキーペアの指定や作成を行なっていたので色々不便に感じた方も多いのではないのでしょうか?(私もその1人です)
とても嬉しい改善だと思います。
ネットワーク設定
VPC、サブネット、セキュリティグループ等のネットワーク設定をここで指定します。
ネットワーク(VPC)について、デフォルトではデフォルトVPCとして登録しているものが指定されているようです。
※私の検証環境ではデフォルトVPCは削除済みですが、既存のVPCがデフォルトで指定されていました。
セキュリティグループはデフォルトではlaunch-wizard-Xを新規作成する、となっています。
従来の起動ウィザードでは、SSHのみデフォルトで入力されていましたが、新しい起動起動ウィザードではHTTP・HTTPSもチェックするだけでルールを追加することができるようです。地味に便利かも。
編集
をクリックすると、各項目について自分で設定することができます。
既存のセキュリティグループを使用する場合やデフォルトVPC以外でEC2を起動する場合は、こちらから設定することになると思います。
高度なネットワーク設定
からは、NIC個別の設定やNICの追加が行えます。
ストレージを設定
EC2にアタッチするEBSボリュームの設定をここで行います。
デフォルトではEBSのサイズ、ボリュームタイプの指定だけで設定が完結し、かなりシンプルです。
アドバンスド
をクリックすると、詳細の設定が可能です。
暗号化の設定やIOPS・スループットの指定等が必要な場合は、こちらを利用ください。
高度な詳細
その他詳細の設定はここで指定します。
IAMインスタンスプロファイル、終了保護、ユーザーデータなどがここに含まれているため、使う頻度は多いかと思います。
今後の正式リリースに向けて
本起動ウィザードはベータ版の機能のため、以下のような現在作業中の機能がいくつか存在しているようです。
- 不足した機能
- 将来追加される機能: ドメイン結合、CPU オプション、EFS ファイルシステム統合、Amazon EC2 Systems Manager パラメータを使用した AMI の選択。
- デフォルトと依存関係の支援
- デフォルト値がすべてのフィールドに対して提供されます。
- 追加ロジックが、インスタンス設定を正しく設定するために追加されます (例えば、現在の設定では使用できないパラメータを無効にします)。
- 設計のさらなる簡素化
- ビューとサマリーの簡素化およびよりレスポンシブなデザインが、1 ページでの表示エクスペリエンスをよりスケーラブルにするために追加されます。
- ネットワークの簡素化機能によりファイアウォールルールをすばやく簡単に設定できる機能が追加されます (例えば、一般的なプリセットルールを選択します)。
さらに今後数ヶ月で、起動エクスペリエンスが更に改善されるというので期待が高まりますね。
詳しくは以下の公式ドキュメントをご確認ください。
フィードバックしよう
画面上部のProvide feedback
から、AWSへフィードバックを送信することが可能です。
AWSにもっと良い機能を提供いただけるように積極的にフィードバックしていきましょう。
最後に
本エントリでは、新しくなったEC2起動ウィザード(ベータ版)について紹介しました。
ベータ版の機能なので、今後の改善にも期待ができますが、現時点でも改善箇所がいくつも発見できました。ガンガン使ってフィードバックしていきましょう。
以上、AWS事業本部コンサルティング部の芦沢(@ashi_ssan)でした。