【アップデート】Amazon SESで送受信可能なメールサイズのクォータが40MBに引き上げられました

Amazon SESで、SES API v2もしくはSMTPを使ってメール送信および受信をする場合のデフォルトのクォータが40MBに引き上げられました。
2022.04.30

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みなさん、こんにちは。

AWS事業本部コンサルティング部の芦沢(@ashi_ssan)です。

AWSより以下のようなアナウンスがありましたので、早速ブログにしてみました。

3行まとめ

  • SESの送受信可能なメールサイズ(Message quotas)が送信は10MBから40MBに、受信は30MBから40MBに引き上げられました。
  • 対象はSES APIのv2もしくはSMTPを利用したメール送受信で、v1は対象外です。
  • 送受信可能なメールサイズのクォータの引き上げはリクエストできません。

前提知識

今回のアップデートの説明として、SES APIのバージョン差についての内容が含まれるため、まずはSES APIに関する知識をインプットしておきましょう。

SES APIのバージョンについて

SES APIには、v1、v2の2種類のバージョンが存在しています。

SES v1 APIは旧世代のAPIでSES Classicとも呼ばれているそうです。

SES v2 APIは現行世代のAPIです。本日時点でAWSマネジメントコンソールから実行されるAPIはv2で実行されます。

各バージョンのAPIについては以下ドキュメントを確認ください。

SES CLIのバージョンについて

また、APIのバージョンアップに伴い、CLIのバージョンも新しくなっています。

SESのCLIは以下のような違いがあります。

  • コマンド部分が異なる
    • v1の場合はses、v2の場合はsesv2
  • サブコマンド部分も異なる
    • 例:v1の場合はlist-identities、v2の場合はlist-email-identities

以下SESのアイデンティティを一覧表示するコマンドをそれぞれのバージョンのCLIから実行した場合のログ例です。

## v1のCLI実行
[cloudshell-user@ip-10-0-85-111 ~]$ aws ses list-identities
{
    "Identities": [
        "xxxxx.com"
    ]
}

## v2のCLI実行
[cloudshell-user@ip-10-0-85-111 ~]$ aws sesv2 list-email-identities
{
    "EmailIdentities": [
        {
            "IdentityType": "DOMAIN",
            "IdentityName": "xxxxx.com",
            "SendingEnabled": true
        }
    ]
}

各バージョンのCLIについては以下ドキュメントを確認ください。

アップデートの概要

ここからが今回のアップデートの本題です。

アップデートの概要を表にすると以下となります。

メール送信時に使用するリソース クォータ クォータの引き上げ
SES v1 API 送信:10MB(変更なし)
受信:10MB(変更なし)
不可
SES v2 API
SMTP
送信:10MB→40MB
受信:30MB→40MB
不可

アップデートの対象はSES v2 APIもしくはSMTP経由でのメール送受信のみに限られます。SES v1 APIを利用したメール送受信は対象外です。

SESではクォータ値が引き上げが可能なものもありますが、今回対象になっているMessage quotasはクォータの引き上げが不可です。

v1のAPIを使っている方でアップデートの恩恵を受けたい場合は、v2にアップデートしましょう。

その他のクォータについては公式ドキュメントをご確認ください

最後に

本エントリはSESのアップデート情報について取り上げました。

この記事がどこかで誰かの役に立てれば幸いです。

以上、AWS事業本部コンサルティング部の芦沢(@ashi_ssan)でした。